スペイン代表には次世代スター候補が存在する
イニエスタ、シャビも2人とも30歳を超えはじめブラジルワールドカップで衝撃的な惨敗をしてしまったスペイン代表一時代が終わってしまったかのように思えたスペイン代表だったが新星が現れた。
イスコ
それは相性であり本名はフランシスコ・ロマン・アラルコン選手
22歳ですでにレアル・マドリードにとって欠かせない戦力
新進気鋭のテクニシャンだ。まさにスペインを体現したような華麗なテクニックを披露しファンタジスタと言ってもよいかもしれない。スペイン代表の中ですら一際うまいのがイスコだ。
メッシ世代の次の世代ともいえる
ネイマール、ハメス・ロドリゲス、ポグバ、ゲッツェ、エリクセンらの世代
イスコはこの世代の代表格ともいえる選手。
彼の特徴はその圧倒的なボールコントロール
遊び心が豊富で見ていて楽しいプレーをする。本当に見ていて楽しくてサッカーが好きならばイスコも好きだろう。特に日本人好みのファンタジスタ。
自分が初めてこの選手のすごさを知ったのは2013年にあったU21欧州選手権
そこでチアゴ・アルカンタラと作り上げていた中盤は華麗だった。ノルウェー戦で決めたゴールは密集でテクニックを見せつけ非常に美しかった。あのゴールのようにイスコには人々を感動させる能力がある。マラガからレアル・マドリードに移籍したときは「やっと彼がビッグクラブか、もう少し早く評価されるべきだった」と思った人は多いのではないだろうか。
彼は真のクラック(名選手)になれるだろう。いずれより多くの人が彼の活躍を目撃しファンになるであろう。いやメガクラックにさえなれる可能性を秘めている。
この年齢ですでにこれだけの選手だ。メッシ、ロナウドがいない時代になればスペインに久しく欠けているバロンドールをもたらす選手となれるかもしれない。
メッシ、ロナウドという歴史上最高の2人にめぐり合わせてしまったせいでスペイン史上最高の2人ともいえるイニエスタとシャビはバロンドールを受賞できなかった。
ただイスコならスペイン人にとっての夢をかなえてくれるかもしれない。
イニエスタを彷彿とさせるこの若き天才はいずれ偉大な先輩を超えスペイン代表を再び優勝に導きバロンドールを獲得するかもしれない。
しかし現状のイニエスタとイスコを比べたときどうしても足らないと言わざるを得ない部分がある。
確かにイスコは圧倒的なテクニックを持っている。ボールコントロールについてなら最高レベルで言うことはない。エレガントなボールタッチは現代サッカー界で至高といっても過言ではない。
ただイニエスタと比べたとき現状のイスコは上手いだけの選手のように思える。もちろんそれもあの偉大なアンドレスと比較した場合においてのことであることは最初に断っておきたい。何度も言うがイニエスタだ。
イニエスタを異様な選手たらしめているのはその変態チックな、宇宙人的な、良い意味での気味の悪さを感じさせるセンス。時々彼が何をしているのかがわからなくなる。
彼は本当の人間なのだろうかと感じさせる。人外さというものがある。
彼の頭脳は同じスペイン人のピカソやダリ、その類のものに似ている。
サルバドール・ダリは筆をとったがアンドレス・イニエスタはボールを使うことに決めた。芸術の国スペインから登場した新たな現代アーティストがラ・ロハの6番だ。
それに比べるとイスコはあくまで人間の範囲内で圧倒的にうまい選手であって宇宙人のような未知の感じではない。アンドレスはアーティストを超えた宇宙人だ
イスコを一言で言い表すなら、うまいだけのイニエスタ。偉大なるラ・ロハの先輩が持つセンスの部分であと少し何かが足りない。
もちろん彼はまだ22歳であり比べるならイニエスタの22歳の時でないと不利だろう。
彼がこれか進化していけば、真のイニエスタと並ぶ選手になりバロンドールを受賞するかもしれない。
しかしイスコが本当にその領域にたどり着くために適した環境はレアル・マドリードだったろうか。マドリーで、イスコは一番のテクニシャンである。
学ぶものなんてどこにもない。ただ勝利し続けていくだけのサッカー人生が待っている。
せいぜいモドリッチかハメス・ロドリゲスからちょっと学ぶものがあるくらいである。それ以外はイスコにとって学べるようなテクニックやセンスなんてないように思える。そのハメス・ロドリゲスですらレアル・マドリードで一番驚いた衝撃的な選手はイスコだと発言している。すでに彼はマドリーの中でもトップなのだ。
彼を真のメガクラックにするために必要な環境はバルセロナではないだろうか。
元々彼は海外のインタビューでレアル・マドリードが好きではないと語っている。
メッシ、イニエスタ、シャビ、ネイマール。そしてバルセロナ自体の教え。
そこにはイスコを遥かに凌ぐ未知の世界がある。
イニエスタやシャビのすぐ近くで毎日その技を見ていれば彼はうまいだけの選手から更に進化できるであろうしメッシやネイマールの能力を取り入れれば、中盤の選手としての特性だけではなく、より攻撃的な部分も身に着けることができる。
彼がバルサではなくマドリーにいることはサッカー界にとって大きな損失のように思える。
ただイスコならマドリーであっても大きく羽ばたくことができることは間違いない。
いずれにせよ彼はスペインサッカー、いやサッカー界にとっての至宝である。
そしてあの日々から時が過ぎあの偉大なジダンが監督に就任した。
ジダンが監督ならば華麗なエッセンスを彼から学ぶことができるだろう。イスコ自身にとってもジダンは憧れであったと発言しているし、ジダンもまたイスコを重要視している。アンチェロッティ時代は冷遇されることもあったイスコだったがようやく真の指導者に巡り合えた。どうなるか様子を見てみよう。