ジャニーズ事務所所属のタンレントが結婚するニュースというのはたびたび見かける。しかしその一方でジャニーズタレントが結婚するまでの道のりは非常に遠く、現在でもジャニーズタンレントは独身のメンバーの方が圧倒的に多数派である。
アイドルという職業柄、結婚することで人気が下がるという問題も存在したり結婚発表が木村拓哉や赤西仁のように物議を醸すこともある。
また昨今ではKAT-TUNの田口淳之介が結婚を理由に事務所の退所を選んだとされている。若手グループは結婚することをなかなか認めてもらえなかったり、実績が必要な多ため結婚しようと思えば早くても30後半に差し掛かってからということが多い。
20代で結婚しようと思えばよほど実績のある事務所側としての手放せない主力メンバーであることが多い。
田口のように事務所側からすればいてもいなくてもいいようなメンバーは「ユー結婚しないでとどまるか退所してでも結婚するかを選んじゃいなよ」となってしまうのであろう。
今回田口は結婚相手を待たせられないという理由で退所を選んだともいえる。
ファンや事務所を大切にするか、自身の人生の幸せを優先するかはジャニーズメンバー本人としても非常に難しいだろう。「適齢期になれば結婚しても良い」と許可されているものの実際は条件付きというのがジャニーズ事務所の問題だ。
そもそも日本の芸能界、とくにアイドル業界はまだまだタレントの結婚が容認されていないという実情が存在する。海外アーティストや、日本においても俳優などは結婚がメジャーだがアイドルという特殊な職業を考えたときにその結婚は人気を左右する。
そして晩婚化が進んでおり「20代で結婚は早い」というイメージすら最近は存在するようになっている。20代後半になったら結婚するものというイメージは消滅し結婚は30代になってからする物という考え方が一般的になりつつある。
そこにアイドルという職業上の理由が加わればますますジャニーズをはじめとしたアイドルは結婚しにくくなるだろう。
もちろん実際ジャニーズが結婚していないわけではなく、V6の長野博や少年隊の東山紀之のように結婚を祝福されているメンバーもおり、結婚が全くできない事務所というわけではない。
その一方で木村拓哉の工藤静香のようにファンからそれほど認められていない妻も存在する。ジャニーズという特別なブランドゆえにその結婚相手ともなると「女性から認められる女性」でなければならない。ジャニーズの妻であるためには誰からも認められる良妻でなければならないというのが実情だろう。あの天下のジャニーズに見初められる存在はそれだけ素晴らしい存在でもなければならないし、世間も「ジャニーズが選んだ女性」として期待する。女性ファンの多くも「この人に負けたなら仕方がない」と納得するほどの女性である必要があるし、事務所側もタレントのイメージを崩さないような素晴らしい相手を要求する。
また結婚した後もメディアの露出や夫への言及は制限され大手を振って結婚生活を語るというわけにもいかない。あくまで裏方として夫を支えることが求められ、結婚生活アピールや私生活アピールをするような最近の「ママタレ」のようになることはできない。自己顕示欲の強い女性よりも夫を支える古風な女性が求められる。
ただ個人的にはこういったやり方も徐々に変えていなければジャニーズ事務所やタレントも息苦しくなっていくのではないかと思うし、結婚することはメジャーな物であった方が良いようにも思う。世間としてもプロフェッショナル意識を求めすぎていて結婚相手に厳しすぎるのではないかと思うし寛容さも必要かもしれない。
アイドルやジャニーズという職業は通常の職業とは違うのも事実だがあまりにも特別なものを求めすぎても良くはない。Myojoのようなアイドル雑誌でアイドルを貫くのも若手までであって、一定の年齢を過ぎたら結婚を容認しても良いのではないかとも思う。
そしてその分アイドルを全力でやっている若手メンバーに注目する、そういうサイクルが合ってもいいのではないだろうか。今後ジャニーズ事務所という文化が長く存続するためにはそういったサイクルや世代交代も必要になってくるかもしれない。