elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

タタ・マルティーノ政権のバルサにあったプチ暗黒時代

今でこそバルサは栄光を味わっている。

全てが順調に見えるようなクラブだ。

それでもこのクラブには終わったと言われるような時代がしばらく続いた。

しかもそれはライカールト政権以前の暗黒期にまでさかのぼるものではない。

ごく最近のことである。

 

恐らく暗黒期の始まりはタタ・マルティーノ監督になってからだ。

グアルディオラが退任して、ティト・ビラノバが就任

あまりにも多くのことを成し遂げたフットボール史上最高のチームの後の監督には誰がなっても苦労するがティトにはまだバルサに新風を吹き込むのではないかという期待感があった。

 

ポゼッションに徹底的にこだわったスタイルから脱却しカウンターを取り入れ始めた。

正直この頃もバルサはカウンターを取り入れ始めてからおかしくなったと思っていたがそれでもティトのやっていることはインテリジェンスを感じさせた。

実際メッシの偽9番ファルソヌエベはティトのアイデアだった。しかし彼は急逝してしまう。

そこにやってきたのがバルサファンの間では悪名高い「タタ」ことヘラルド・マルティーノだ。

この男の戦術はもはや皆無だった。

最初にネイマールがデビューしたクラシコで勝ったはいいもののそれ以降低迷、結局アトレティコ・マドリードに優勝を奪われることになる。

このシーズン、バルサはまさかの無冠に終わった。

ありとあらゆるタイトルに恵まれず閉塞感が漂いラ・デシマを達成したマドリディスタ達はこの惨状を笑っていた。

リーグもCLも遠ざかり国王杯も取れずに終了。

 

もうあの頃のバルサはプチ暗黒期と言っていいほどの酷いありさまだった。

ダニエウ・アウベスが意味もなくクロスを放り込むのは日常

謎のセルジ・ロベルトへのこだわり

怪我で離脱していたメッシがいない時は特にひどかった。

バルサファンの掲示板ではタタやめろ!という言葉が並びあの選手を放出しろ、獲得しろと不満ばかり。

実際このころはもはや未来を見るしか楽しみが存在しなかった。

結局無冠に終わったタタは1シーズンでバルサを去ることになる。

かつて一世を風靡したバルサの栄光はもはやなく、世界最強クラブと言えばバイエルン・ミュンヘンがもてはやされその後レアル・マドリードへと覇権は移り変わった。

もはやこの頃のバルサはオワコンとみなされていた。

レアル・マドリードやバイエルンには勝てない、バルサファン以外はそう思っていた。

 

追い打ちをかけたのがブラジルワールドカップのスペイン代表の惨敗

バルサのメンバーを中心とし、ポゼッションを主体にしたチームが敗れ去った。

バルサのやり方が完全に否定されたかのように思えた。

その後ブラジルワールドカップを終えて2014-2015シーズンが始まる。

ルチョことルイス・エンリケはタタ時代から早く招聘しろと言われていたほどバルサファンが待ち望んでいた新監督だった。

それでもバルサの勢いは変わらなかったしむしろ当初のルチョは叩かれていた。バルサファンが期待していたサッカーをしていなかったのだ。

それどころかルイス・スアレスまでバルサには合わないと叩かれていた。

最初にあったクラシコではレアル・マドリードに3-1で逆転負け

ルイス・スアレスのデビュー試合がこの試合だったもののいまいちかみ合わずスアレスは叩かれた。その後もフィットしない時期がかなり続いた。

実際そのころに書いた過去記事では自分自身「スアレスよりアグエロを獲得するべきだった」と書いている。

スアレスがバルサにフィットしてMSNトリオとして開化していくのは実はかなり後のことだ。

 

一方ライバルチームのレアル・マドリードはクリスティアーノ・ロナウドがブラジルでの鬱憤を晴らすかのようにゴールマシーンのようにゴールを量産

このころのロナウドはまさに化け物だった。

驚異的なスピードでゴールを量産し土壇場でバロンドールを獲得。

ブラジルワールドカップでの失態をこの開幕直後のゴール稼ぎで吹き飛ばした。

バロンドールはもはや印象で決まる投票だ。

ワールドカップでの活躍はメッシの方が素晴らしかったが、クリロナがバロンドール直前の期間にゴールを稼ぎ評価を取り戻した。

本来ならばメッシかノイアーが取るべきシーズンだったように思う。。

シーズン開幕直後メッシは不調、その後圧倒的な活躍をするのだがこの期間だけはメッシが不調でロナウドが最高の選手だと言われていた。

その後悔しがったメッシが圧倒的に活躍していくのだが・・・

 

この時はアンチェロッティが最高のチームを作り上げていた時期だ。

アンチェロッティのマドリーは世界最強のチームだと持てはやされアンチェロッティは最高の監督だと賞賛されていた。

誰がこの時アンチェロッティの解任を予想しただろうか。

誰もがゲームではレアル・マドリードを使っていたし中盤のバランスが最高だ、歴史上最強のチームだ、ペップ時代のバルサに匹敵する・・・と言われていた。

このときバルサファンは悔しい思いをしていた。

今年も優勝できないのか、と。

ペップ以降最高のシーズンとなった3冠を達成した2014-2015シーズンも実はこのような低調な始まりで最初はレアル・マドリードの時代だったのである。

 

そんな状況で迎えたシーズン2度目のエル・クラシコ

ここから歴史が変わり始める。

前評判では首位を独走していたレアル・マドリードが有利だった。

しかしバルサは不死鳥のようによみがえる。

ここで見事にバルサは勝利する、まさに天下分け目の大一番を制したのだ。

ここで敗戦すればマドリーに大差をつけられ実質優勝の可能性は消える。

優勝争いをしているチームとの直接対決ではその勝敗によってもたらされる勝ち点が大きな差となる。

またダービーでの勝敗は通常の勝敗とは違いメンタル面にも影響する。

 

この大事な大事な大一番、バルセロナな2-1で勝利

ここからがバルサの快進撃の始まりであり、ついにプチ暗黒時代との別れの時であった。

バルサは追い上げ見事に優勝

アトレティコ・マドリード相手に土壇場で決めたメッシのゴールはもはや伝説だ。

そしてチャンピオンズリーグまで獲得

このビッグイヤーはまさに圧巻だった。

各国の優勝チームを次々と倒し、まさにチャンピオンズリーグだった。

弱いチームとは一切当たらなかった。

 

かつて7-0でバルサを葬りバルサの時代を終わらせた因縁のバイエルン・ミュンヘンに勝利

パリ・サンジェルマンやマンチェスター・シティをことごとく打ち破る。

決勝クラシコではないかと多くのものが予想していたが勝ち上がってきたのはユヴェントス、そのチームを3-1で倒す。まさに各国リーグのチャンピオンを次々と葬って行った文句なしの優勝であった。

この優勝の欠かせない存在だったのが当初バルサにフィットしないと叩かれていたスアレスであったのも特筆するべきだろう。

シーズン後半でのスアレスの覚醒はMSNトリオと言われるまでのスリートップの形成に役立った。

 

さらに国王杯でアスレティック・ビルバオを下す。

この時のメッシの右サイドからの単独突破ゴールはもはや伝説である。

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こうしてバルサは見事に復活を果たし現在に至る。

まさに不死鳥のように返り咲いた。

今でこそバルサは無敵のチームのように言われているがシーズン当初はその前のシーズンを引きずり、今季もダメなんじゃないかと思われていた。

 

しかし現実として後半の追い上げにより、ペップが退任した後では最高のシーズンとなった。

チャビとの別れ

クラウディオ・ブラボの有能さ

放出したセスク・ファブレガスとアレクシス・サンチェスがプレミアリーグで大活躍しマドリディスタがそれを煽るが代わりに入ったラキティッチとスアレスが最後大活躍

CL決勝でのネイマールのハチマキ

他にもさまざまなことがありこのシーズンは本当に面白かった。

諦めてはいけないということを証明したシーズンだった。

最初に躓くことがあっても最後に笑っていることだってある。

いつかチャンスはやってくる

そんな素晴らしい物語を2014-2015シーズンのバルサは見せてくれた。

まさに波瀾万丈の素晴らしいシーズンだった。

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