elken’s blog

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アリエン・ロッベンとかいうワンパターンを極めし男

どれだけワンパターンでもそれが止められなければ何の問題もない、そのスタイルを証明するサッカー選手がいる。

その男、アリエン・ロッベン

左利きの高速ウィンガーであり右サイドからのカットインはもはや代名詞となっている。わかっているのに対策しているのに止められない。簡単に侵入を許してしまいあっさりと点を決められてしまう。実際に日本代表も見事なまでに典型的なロッベンの得意パターンでゴールを奪われた。

世界中から彼のスタイルをワンパターンだという意見が上がるが、それでも彼はそのワンパターンをやめない。なぜならやめる必要がないからだ。相変わらずそのスタイルは通用し続ける。わかりやすいフェイントを使うわけでもなくそのドリブルは非常にシンプル、左足を使って小刻みにペチペチとボールをタッチし独特のドリブルフォームで加速して相手のディフェンスを切り裂いていく。これほど「切り裂く」という言葉が似合うウィンガーもいないだろう。

ロッベン

世界最高のカットインナー、その鋭い左足の前にあらゆるディフェンダーがズタズタに切り裂かれていく。ウィング大国オランダが生み出した最強の切り裂き野郎アリエン・ロッベン

2014年ブラジルワールドカップもロッベンによるカウンターでオランダは勝ち進んだと言っても過言ではない。怪我で主力が離脱して急遽そのスタイルの変更を余儀なくされツートップの一角としてプレーすることになったがその采配が見事にフィット。オランダは3位まで勝ち進んだ。

セルヒオ・ラモスをぶち抜いたシーンはサッカー史上に残る高速ドリブルでその後に対峙したカシージャスも見事に翻弄された。早すぎて止められない上にトップスピードでもボールタッチの正確さが衰えないのが彼のストロングポイントだ。

更に彼はスピードを操る能力にも秀でている。いくら早くてもそのスピードをコントロールできなければ脅威ではないがロッベンの場合その細やかなスピードの調整、緩急のつけ方が自在なのだ。それゆえにわずかなスピードの変化に相手はついていくことができない。

ロッベンがスピードを落とせば相手もスピードを落とすが、スピードを落とした振りをしてすぐさままた加速する。このシンプルな動作に見事に抜かれてしまうのだ。シンプルゆえにその威力は強大。スピードを駆引きに利用すればどれだけ相手が対策をしていようが対策の使用がない。追い抜かれる物は追い抜かれてしまうのだ。

まさにそのワンパターンや基本的な事実を極めたのがロッベンである。

どれだけワンパターンであってもそれを極めればそれは大きな武器になる。

更にロッベンは相手が自分のパターンを読んでいることすらも駆け引きに使う。相手が対策しているという事も逆に駆け引きの1つ。その予想の逆をさらに行けば抜くことは可能なのだ。究極サッカーというのは相手の右方向にいくか左方向に行くかのどちらかだ。後ろに下がることもあるが最終的に右斜め先なのか左斜め先の方向に抜けるが、人間はどちらかしかケアすることができない。駆け引きに勝てば必ず抜くことができる。その基礎的な事項をロッベンはまさに究めた。

シンプルな駆け引きであってもそれらが連動すれば抜けてしまう。右に行くと見せかけて一瞬止まる振りをしてまた右かと思いきや左、その後ワンステップ左、ワンステップ右、ツーステップ左といったような基本も基本を複雑に組み合わせて自在に操るのがロッベンのプレースタイル。

彼の脳内を無理やり言葉にするならばそうなるだろう。それを瞬時にサイドの局面で判断し突破するのがロッベンのやり方だ。足の速さだけでなくボールタッチの速さ、そして頭の回転の速さがある。その結果彼は同じように見えるワンパターンのプレースタイルから数々のゴールを量産したり局面打開を出来たりするのだ。

彼の肉体が劣れない限りこれからもロッベンは相手ディフェンスを切り裂き続けていくだろう。

永遠の切り裂き野郎、それがロッベンという男だ。