elken’s blog

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「銃を持った悪人を止められるのは銃を持った善人だけ」→アメリカでは正論

今回ドナルド・トランプが当選したアメリカ大統領選挙は、実は銃規制をめぐる戦いでもあった。

ヒラリー・クリントン率いる民主党は銃規制を目指しており、逆に共和党は「アメリカ人から魂でもある銃を取り上げようとする民主党に勝たせてはいけない」というように反銃規制であった。

銃に置いてはある意味ローカルなアメリカを世界水準の国にしようとする左派の民主党と、アメリカのやり方を維持しようとする右派の共和党の戦いだった。

日本人からするとなぜそこまで銃が大事なのかと言われるが、日本人にとって日本刀のようなものだと考えれば納得がいく。明治維新廃刀令で刀は多くが没収されたが当時は武士の魂として断腸の思いで新政府の方針に従った。

仮に現代日本で自分が刀を持っていて、それがなくなってしまうとなったら少しだけアメリカ人の心情が理解できる。

 

そんな銃規制に熱心に反発し続けている団体がある。

全米ライフル協会だ。

共和党の支持母体でもあり、ある意味宗教に近く、銃カルトのような団体でもある。自分自身銃好きでありどちらかというと全米ライフル協会寄りの考え方だが少しカルトっぽいところはあるなと思う。

それらをいくつか挙げると非常に面白い名言が多い。正論にも聞こえるし暴論にも聞こえる。

・銃を持った悪い奴らを止めるにはいい人間が銃を持つしかないのです。

・Guns don’t kill people, people kill people.銃は人を殺さない

この2つは最も使われるフレーズであり、全米ライフル協会お得意の理論である。

 

・校長がライフルを持っておけば事件は防げた

・涙を誘うような感情的な説教はいらない

・邪悪なビデオゲームを売りつける大敗した業界が存在する

畜生発言なのか正論なのかよくわからないような名言が多いがとにかく面白い。

ライフル業界の面白いところは結局のところ根は利権団体であり銃を売りたい団体でもある。だからゲームとも対立している構図がある。

「銃を撃ちたいならばゲームでいいじゃない」という意見に対して、銃が売れなくなるという立場を取っている。むしろゲームの方が暴力を助長しているという理論さえ持っている。

しかもそれなのに自分たちがアプリで射撃ゲームを公開するというのだからこの教会の闇は深い。ただ自分が銃が好きだったら頼もしい業界ではあると思う。自分がアメリカ人なら今回の選挙、共和党に入れてたし全米ライフル協会に傾倒している可能性はある。

「銃を持った悪人を止められるのは銃を持った善人だけ」という理論もアメリカの成り立ちや社会を考えたら正論でもある。それで自分たちの歴史や居場所を作ってきたし超大国を作ることができた。

自称世界の警察「兵器を持った悪しき国家を止められるのは我々善良なアメリカだけだ!」

国家そのものが全米ライフル強化のようにな国である。

 

ただアメリカ人の立場としてならその姿勢は頼もしいが、訪れる外国人としては少し怖い物がある。10年ほど前にもハロウィンで家に近づこうとした人が撃たれたり、乱射事件も定期的に起きている。どこで巻き込まれるかわからない。日本人の感覚で考えると警戒しなければならないことが多すぎてアメリカは怖いよなぁと思ったり、ちょっとした間違えですぐ撃たれる恐怖はある。

アメリカの文化や感覚は少し本でみた程度じゃわからないから、何がきっかけで撃たれるかわからない。

ある意味開拓時代の精神を持っていて、いつインディアンや同じ開拓者との争いになるかわからない、自分の身は自分で守らないといけないという西部劇と同じようなメンタリティが今もあって個人個人の自衛意識が強い。

そしてそれが魂や文化になっているため、今更規制も厳しいし全米ライフル協会のような圧力団体も存在する。これに加えて軍産複合体なども存在するのだからアメリカと武器の関係は深い。

そして話が非常に長くなってしまう為、アメリカ人に銃規制の話をしてはいけないとも言われている。銃規制はある意味タブーのような根深い問題でもある。

ただアメリカにこれだけ銃がいきわたってしまった以上、今更全廃することはできないし銃規制に厳しい国でも銃自体は流通している。それほど銃の撤廃は難しい。更に銃が無くても他の手段が確立されるだろうし、アングラで必ずプレミアついて出回るだろう。

そういう状況下では銃を持たないと自分の身を守れないというのは仕方がないが正論になる。問題は所持は制限ゆるいが、携帯の制限は厳しいため悪人有利ということだ。

結局のところ人を殺すのは銃ではなく人であるという理論に基づいて、銃を悪用しない心を育てることのほうが手っ取り早いのかもしれない。

国民皆兵で退役軍人がスイス軍正式採用アサルトライフルを支給されているスイスではこのような銃乱射のような事件はほとんど発生していない。銃が流通していても乱射事件は防げるのだ。

銃を無くすよりも、銃を悪用する心を無くするほうが早い!

なぜだろう、自分も全米ライフル協会のような詭弁を使うようになってきてしまった。

 

ところで日本での銃規制はどうだろうか。世界的にも最も銃所持が厳しい国の一つでもある。

散弾銃でないライフル銃を持つようになるには長期間かかり、持てる銃の種類も限られている。拳銃の規制もかなり厳しく日本は逆で規制しすぎているとも言われている。銃規制を緩和しようとする動きは日本でも一部存在する。

その最たる理由はアメリカのような個人の安全問題ではなく、自然環境保護の観点からである。日本では現在シカやサルなどの害獣が農村の田畑を荒らして農作物に深刻な打撃を与えている。昔は日本でも狩猟が広く行われていたが今は猟師の数も少ない。不良ン関する規制も厳しい。

狼や猟師という天敵が減って大量発生した鹿が新芽ばかり食べてしまうから森林が育たない。そうすると食物連鎖も崩れ昆虫や鳥類などの生態系にも悪影響を及ぼす。森林保護と農作物への打撃は今問題になっている。

ジビエ教本: 野生鳥獣の狩猟から精肉加工までの解説と調理技法

 

アメリカほど流通させる必要はないが、徹底的な教育や免許更新の手続き、銃の管理を徹底して安全を保障できればもう少し所持しやすくなっても良いのかもしれないと思うし、持てる種類を増やしてもいいのかもしれない。今はいろいろと厳しすぎて狩猟がしにくくなっている。

海外では結構狩猟が趣味という人が多く、スウェーデンの有名なサッカー選手ズラタン・イブラヒモビッチも狩猟を趣味だと公言している。それほど狩猟はメジャーな趣味でもある。

これからますます猟師不足という時代に現状の規制は少し厳しすぎるかもしれない。

規制が極端に緩いアメリカと極端に厳しい日本。

アメリカで銃規制に反対している人は日本がうらやましいと思うだろうし、銃が好きな人はアメリカがうらやましいと思うかもしれない。

ただ自分は銃のためにアメリカに行きたいまでは思わない。もう少しだけ日本で狩猟がしやすくなれば良いなというのが自分の意見になる。