elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

声優オタクはなぜ声優かわいい自慢をするのか

声優ファン1「最近の声優は何でもできる、芸能人より有能だし面白いし、そしてかわいい!」

声優ファン2「昔だったら声優を目指さなかったかわいい子が今は声優を目指してるでござるな。」

声優ファン3「最近の女性声優かわいすぎワロタ。アイドルよりかわいい」

声優ファン4「美人なのに残念な美人感がいいよな」

 

ぼく「うわぁ・・・」

ぼく「でもジャニーズもなんでもできる!ジャニーズはいろんな才能があって芸能人よりおもしろい!普通にイケメンもいる!」

一般人「うわぁ・・・」

 

そもそも自分も声優好きだった時期があるし、今は今でジャニーズ至上主義者みたいなところがあるから結局変わってないけど、声優ファンの声優かわいい自慢や面白い自慢はちょっと度を越してる感がある。

 

なんでも声優ファンに言わせれば、AKB以降クラスで中間ぐらいの可愛くない子がアイドルを目指すようになりその代りクラスで1,2番だったかわいい子が声優を目指すという理論らしい。

しかも声優はマルチな能力でダンスもできるし、歌も上手いしアイドルよりも万能な上位互換のように言われている。更にそもそも声優ファンが増えた。声優業界はもう完全ンアイドル産業のようになりかわいい子じゃないと声優を目指せない時代にもなってきている。

声なら勝負できると思ってた容姿に自信の無い子が、容姿で夢を閉ざされる時代になってきている。男性声優はまだブサメンでも全然行けるけど、女性声優業界はシビアなくらい容姿が求められるようになってきたのは最近の変化だろう。

 

ただその一方で量産型美人が増えた。区別のつかないような量産型美人ばかりになり大体似たような声をだし、ちょっと時間がたてばその声優も消費されまた別の新人に入れ替わる。

声優消費のサイクルがかなり早くなったのは間違いない。田村ゆかりのレジェンドはもう出てこないだろうし全体的にクオリティは高くなったが同時に小粒化してるという印象も感じる。

そんなこといったらジャニーズも部外者から見れば面白さも身内向けだろうし、小粒化した似たようなメンバーしかいないし名前の知られたメンバーも少ないという批判もある。そもそもどのジャンルにも小粒化や、そのジャンルだけで盛り上がってる内輪化は進んできているのは現実なのかもしれない。

 

そして変わったことと言えばやはりアニオタが声優重視でアニメを見るようになったこと。もはやアニメキャラが主役ではなく声優が主役になってきている。アニメ=声優を楽しむコンテンツ化してきている。昔は声優に興味がなく、むしろ中の人などいない!というぐらいに二次元信仰があった。今のアニオタはそれほど二次元に思い入れがなくむしろ声優に思い入れがある。

昔は今より声優が可愛くない時代だから幻想を壊したくないという思いがあったからだろうし逆に今は声優が可愛いから安心して中の人を見れる時代になったともいえる。

またそもそも声優は薄給であり声優業だけでは食べていけないから、マルチな才能を磨いてアイドル業などをやるしかないという側面もある。

更にかわいい子がアイドルを目指さなくなったことや、アニメ文化の一般への普及が進んだからという事もあり確実に声優やコスプレイヤーのレベルは高くなってきて昔は目指さなかった層が声優を目指していることは間違いない。

声優を目指しやすくなったし声優を応援しやすくなった。

ほんの一昔前までは「えっ、声優なるの」「声優応援してるとか・・・」って言う時代だったけど今では声優というのは立派なコンテンツになった。

 

ただ自分はそれと反比例するように女性声優に興味を無くしていった。声優がもっと隠れた職業だったからよかったわけで、こうもメジャーになってしまうと「変わったなぁ」みたいな。よくいる応援していた地下バンドがメジャーになって遠くに行ってしまって情熱がなくなってしまったみたいなノリ。

目立たない職業時代だったときに目指してたから個性が強い人が多かったし、声優業界が不遇なのにがんばってるからよかった。

なでしこジャパン女子サッカー不遇の時代に頑張ってたから強かったし、逆に女子サッカーがメジャーになるとハングリー精神がなくなって弱くなったのと同じで不遇時代を戦ってるから魅力がある。

news.livedoor.com

この記事でも「声優を目指す動機が軽くなった」「声優を職業としてとらえておらず漠然とした夢で語っている」「皆主人公系のアニメ声しかやらない」 というようなことが書かれている。

結局恵まれた時代に目指してる人はどこかで量産型になってしまい、黎明期の劣悪な環境からの方が凄い奴が出てきたみたいな理論がそのまんま当てはまってる。

昔の声優は「自分たちは表舞台でやれなかったからこの業界で何とか頑張っていこう」というようなメンタリティがあったけど、今の声優は初めから恵まれた華やかな業界として声優を目指すようになってる。

「アイドルになります」というノリで声優業界にやってきて養成所に入る。

そしてその養成所では実は遊んでるだけで本気で夢を目指してるわけじゃない。

それなのにアニメオタクは「残念な美人」として自分たちにとって近い親近感のある存在として持てはやしてる。

 

ただアニオタ自体も同時に声優のスキャンダルにそこまで騒がなくなったというのはあるかもしれない。昔ほど過激なオタクも減って良くも悪くもいろんなものが一般化、平均化してきている時代。声優のスキャンダルにオタクがなれたという事もあるし、声優に幻想を抱かなくなったのかもしれない。オタクが良くも悪くも普通のアイドルと同じ目線で見るようになったし、良くも悪くも普通のオタクが声優オタクになってるという側面もある。

昔はコアな奴が声優になってたし、コアな奴が声優を応援してた。

今は普通の奴が声優になってるし、普通の奴が声優を応援してる。

普通になるというのはそれは市場規模が拡大しその世界も巨大化して盛り上がるし、いつまでもアングラでは市場規模は成長しない。結局どのジャンルも拡大していけば普通になっていくし、平均的に似たようなものになっていく時代なのかもしれない。

声優が時代に適応してきたし、時代が声優に適応してきてる。

逆に今までメジャーだったアイドルがコア化してきてる、オタ向け化してきてるという現象も同時進行で進んでる。ジャニーズはその典型で逆にコア化やオタ向け化してきてる。AKBとかでもオタ向けっぽいメンバーが増えたし、アイドルがオタクっぽくもなってきてるし、声優がアイドルっぽくもなってきていてお互い似てきてるのかもしれない。

それに比例してかつてのアイドルオタがむしろ地下コンテンツのオタクっぽくなってきて、逆に声優オタのようなかつてのアングラコンテンツのファンがにわかっぽくなってきてる。ファンもお互いに似てきて区別がつきにくくなった。昔はアイドルオタクがこのアイドル可愛いと自慢していたが、今は声優オタクが声優かわいい自慢をする時代。逆にアイドルオタクがこのアイドルはブサイクだけど愛嬌があって面白いみたいなことを言う時代。

 

アイドルって何かとか声優って何かとかアイドルファンと声優ファンの違い、そういう明確な差とか明確な定義ができない時代になってる。

凄く抽象的で曖昧なことを言えば「人気者」であるならばその手段は様々でバラエティに富んでいるという時代。アイドルも色んなことやるし声優もいろんなことをやる。ユーチューバーとかもいるし「人気」という形にできない物や説明のつかない物をいろんな人がいろんな手段で目指している時代。

いろんなものが多様化するしいろんなものが小粒化する時代の流れは避けられないし、いろんなものが多様化する中で逆に似てきたりもする時代。うわべだけは違っているけどやってることは似ているという時代になってきてる。

声優かわいい自慢もその一つの反映であるし、文化というのは時代の影響を受ける物だ。100年後、平成の文化論でもしかしたら研究される題材かもしれない。その時のために今自分はこの手の文化論を書くのでもある。100年後の声優はどうなっているのか。

今よりもマルチな存在になっているのか、それとも初音ミク的な物がより技術を高めて完全に人工物のように成り立っているのか。10年後は声優が女優までしてるかもしれない。アイドルをやるようになってきたから、今度は女優までする時代が来る。そして女優が声優をする時代にもなるかもしれない。今でもアイドルが声優をすることもある。

 

もう「これが一つの職業」ということが今後なくなっていくかもしれないし、「何をしてる人」なのか明確には言えないけど「とにかく人気者です」という時代になっていくのではないだろうか。そもそもyoutubeなどで自作アニメを作れば素人が声優になることもできる。

もうプロとかアマチュアとか声優とかアイドルとかすべてを明確に区別する時代ではなくなってきているのが今のトレンドであり、スポーツの世界でも昔のポジションだったらそこまでやらなくてよかったものを今やるようになってきてる。センターバックどころかゴールキーパーにも足元のうまさを求められてパサーとしてゲームメイクをするようになってきてる時代。

個性あるその道一本のの職人というのは声優でもアイドルでもスポーツでも職業でも減ってきてる。

色んなジャンルでいろんなことなことが求められるマルチな時代になって、明確な境界線の無い世の中になってきている。

いろんなものが似てきてるのか、皆いろんなことができるようになってきたのか、その解釈は分かれるけどこれが今の文化や職業のトレンドなのではないだろうか。