elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

ジャニーズの「ソロ曲」の魅力は人に伝わりにくい説

ジャニーズと言えばなんだかんだでメジャーであり、そこまで興味がない人でも聴いたことがある曲が合ったりなんとなくそれぞれのグループ全体として好印象を持っていたりする人は多い。

大体ジャニーズというのはなんとなくそのグループの雰囲気がかっこいいなと思い、メンバー全員で歌っているメジャーなシングル曲からファンになる。

最初からソロ曲やマイナーな曲からファンになったという人はそれほど多くなく、メジャーな物から知っていくという入口がある。

そしてその内グループに続き個々のメンバーを好きになり、最後はその個人メンバーが歌っているソロ曲が好きになるというパターンがある。

それぞれの最終的には自分のメンバー個人が披露している曲に行き着く。

 

そもそも実は音楽においてこういったことは良くある方法で、例えばMr.Childrenは世間的に「ミスチルっぽい曲」を毎回リリースし、アルバムでは本当にミスチルが作りたい曲というのをコアファン向けに作り出している。

今やミュージシャンにとってそのグループらしい曲を作り、同時に本当に好きなファンのために個人の趣向を反映して作った曲を発表するというのはメジャーな手法になっている。

 

今や「音楽性の方向でバンドが解散しました」みたいなことはそれほど多くなく、実際は世間的にヒットする曲を作り、それぞれ本当にやりたい曲をコアなファン向けに届けるということがよくある方法になっている。

どうしてもグループとして行動したときに好みや音楽性の違うメンバーと組まなければならない実情があり、グループ全体の戦略と個人の戦略を分けなければならないのが実情だ。グループを存続させた方が実は個人の活動もしやすいのである。完全に個人だけで通用する人はそれほど多くなく、グループの肩書もまた個人の活動に大きく役立つ。

組織と個人の利害とは必ずしも相反するものではない。

 

そういった意味でジャニーズはグループのメジャー向けのシングル曲と個人のソロ曲が上手く住み分けできているように思う。

決して対立するわけではなくシングル向けの曲がメジャーな初心者向けの曲とも思っておらず、コアなファンでもなんだかんだでシングルのメジャーな曲が好きな人は多い。その一方でそれぞれ自分の「担当」に合わせてソロ曲、シンメ曲を好きだったりすることが多い。スポーツと一緒でそのチーム自体も好きで、なおかつ個人選手自体も好きといういようなパターンがジャニーズにおいては確立されている。

 

そしてその個人人気やソロ曲人気というのは上手くファンごとに人気がわけられていて、それぞれのファンごとに独自の世界が形成されている。

それゆえにその世界は独特な世界観が築かれており他担の方には理解されにくい世界がある。

 

正直自分は自担のソロ曲は完全に自分だけの世界や同担だけが共有する世界だと思っていて、好きな人だけが好きになってくれればいいとしか思っていない。自分好みの世界で満足していて、普段はグループ全体のシングル曲の人気の方を重視している。

その中でそれぞれのメンバーやファンごとに独自の世界が確立されており、同じグループ内でも住み分けがされている。

 

メンバーのソロ曲の魅力を紹介する時も実際はは新しいファン層への紹介ではなく、既存ファンに対して「この曲やっぱりいいよね」と共感するためのものであったり更にそのメンバーについて知るためのものであり、完全にそのメンバーを知らないファンに向けて紹介されていることは稀である。

 

ジャニーズファンの世界というのはそれぞれのファンや担当ごとに世界観が決まっており独自の哲学や嗜好がある。

そしてメンバー本人たちが実際は事務所の都合で目指す方向が違うメンバーや、そもそもあまり話さないメンバーと組まされたてグループが結成されたりすることもある。ただその中でそういう運命を共にし折り合いをつかせて同じ方向を目指していくというのもジャニーズであり、そういった絶妙な関係性もまた魅力になる。

 

そして本人達や同じグループのファンをつなぐものがまさにメジャーなシングル曲であり、そのシングル曲には間違いなく価値がある。

本人もファンもグループとして上手くやりながら、グループとしても愛着がある。そしてその中で自分のやりたいことをやるしファンも自担の世界観を求める。

どのチームでも個人と組織といのは両立しなければならないし、両立できているチームが上手くいく。

 

個人の魅力だけでも限界があるし、逆にチームだけでも限界がある。

個人人気がチーム人気を助けるし、チーム人気が個人人気の入り口にもなる。

組織の中だから個が活躍するし、個があるからチームが輝く。

メンバーに限らず、ファン同士でも独自の距離感があるし個人メンバーのファンによる独自の世界が築かれつつ、対立したり分離しすぎないことも大事でグループ人気というのも重要な要素になる。

その共存がジャニーズには不可欠ともいえる。

グループ人気と個人人気が共存し、そして上手く補完し合いさらに成長する。グループとは個人の集合体であり、個人もまたグループの存在があって輝く。その住み分けと共存が両立できているグループがまさにジャニーズの理想であるのではないかと思う。