elken’s blog

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ワールドカップが出場48ヵ国に拡大したら起きそうなこと

ワールドカップ出場国拡大というのが現在サッカー界で大きな問題になっており、2026年から正式に48枠に拡大することが決まっている。

この問題に関しては様々な議論が飛び交い最初は反対も多かったが今では多くの人が48ヵ国の出場に納得するようになって来ている。

 

最初は32カ国の時も多すぎると言われていたはずだが今ではそれが当たり前になっているように、このような変化にはいずれ多くの人が慣れていくだろう。

まず今回の2018年ロシアワールドカップ予選で多くの人が感じたことが改めて32か国という枠は非常に厳しいという事だ。実際にオランダやチリのような強豪国が敗退しているのを見ると物足りない印象を受ける。

 

やはり昔よりサッカーが強い国やサッカーが好きな国が増えてきてる世界のレベル自体が全体的に上がってきてるのだろう。

今の時代サッカーが流行っていない国はほんの一部であり、世界中がワールドカップを重視し始めている。

インドやパキスタンが未だにクリケットやっていたとしても、クリケットに興味ない多くの国からすれば関心が無い。インドクリケット界のレジェンドをどれだけの人が知っているだろうか。

中国の星の数ほどオリンピックでのメダルを誰も覚えてないがワールドカップのワンシーンは世界中で今も語り草になっている。

 

世界で有名なサッカーに力を入れるというのがもはや昨今の世界のトレンドであり、ヨーロッパ、南米、アフリカは当然サッカーだとしてアジアも徐々にサッカーの地域になりつつある。東南アジアのサッカー熱は凄いし、日本でも子供がなりたいスポーツ選手No1であり、中国のサッカーへの金のかけ方はとてつもない領域にある。

 

24か国時代とはサッカーを取り巻く全ての状況が変化しており、1994年のアメリカ大会から飛躍的に世界的なビジネスとして台頭し始め2002年の日韓大会によって21世紀のメガイベントとして欧州と南米以外の地域でも高い関心を集めるようになる。

世界のサッカーの発展スピードにこれまで十分だと考えられていた32か国ですら追い付かないという状況になっているのが最近のサッカーを取り巻く状況だ。

 

アジア枠は確かに欧州や南米基準では緩いかもしれないが、このアジア枠ですら実は新興国視点では非常に厳しい。

実際日本、オーストラリア、イラン、韓国、サウジアラビアという出場枠を見てもここに新しくアジアの国が割って入ることが非常に厳しい。

世界中である程度枠が決まっている状態になっており、既得権益と言っても過言ではない事態になっている。

 

ワールドカップの目的が世界へのサッカーの普及であり、世界中盛り上がることだと考えれば「当事者」となれる可能性が増えることは大きな意味を持つ。

また出場国が増えることは大会のレベルを権威を向上させるだろう

単純に考えて32か国の中の頂点より48か国の頂点の方が凄く、ちょうど日本の都道府県ぐらいの規模だと考えることもできる。

もちろん予選も含めてワールドカップではあるが一つの大会として48ヵ国の王者決定戦という側面を打ち出せばより権威は高まるのではないか。

甲子園や高校サッカー選手権が32県の参加だと考えれば物足りないのと同じで、世界の200近い国の中から32カ国は圧倒的に参加できない国の方が多数派だ。

 

日本が参加常連国となっているから大会のレベルのためには拡大に反対だという立場もとれるが、実際日本がワールドカップに出場しなかった時代のサッカーの盛り上がりは高いとは言えなかった。日本自体がワールドカップが現実的なものになって来てからサッカーが盛り上がったことは否めない。

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個人的にこの48か国への拡大には大きなメリットを2つ感じている。

1:大会の盛り上がりが飛躍的に向上する。

サッカーに限らず他のスポーツの大会がFIFAワールドカップに追い付こうと工夫してきている時代に、現状でも十分だと油断していれば追い付かれることも考えられなくはない。

より巨大で華やかな大会にし世界最大のスポーツの祭典としての地位を維持し続けるためには世界中の盛り上がりが重要になる。

現在新興国の人口は多くインターネットの時代において彼らの発言力やポテンシャルは大きな変化をもたらすだろう。

 

例えばインドネシア、インド、中国などは多大な人口を抱える国であり彼らが大会参加国の当事者になった場合大会の盛り上がりは巨大なものになる。

日本人視点でも「世界中で盛り上がっている」という感覚が強まり、より大会の"祭典"としての魅力が高まる。

ワールドカップの報道が増えたり世界中どこへ行っても話題が通用したり、そして大会の経済効果が大きくなればこのビッグイベントはより楽しいものになるだろう。

 

2:これまで見る事の出来なかった国が見られる。

やはりいろんな地域の出場枠を見ていても大体同じ面子のようになってしまい、変わり映えのしない状況にもなっている。

アジアはここで拡大をしなければ今後20年以上は日本、オーストラリア、イラン、韓国の4強時代が続くだろう。既に一回強くなっている国は今後も出場枠が確保しやすく、世界での経験を積みさらに強くなっていく。

逆に持たざる国や後から来た国は永遠にチャンスが無いとなれば不公平であることは否めない。

 

日本としても実質的にそういった安定的な出場権をつかんでる側にいるからこれ以上増やすべきではないと簡単に言うことができる。しかし日本も本当は24か国時代に出場できなくて32か国に増えてやっと出場できた立場だという事実がある。

日本自体がFIFAの出場国拡大方針に恩恵受けた国であり、そこから羽ばたいて行った。こういやって日本人がワールドカップを当事者として楽しむことができているのは出場枠が拡大したおかげだからでもある。

 

他のアジアに対して日本や韓国、オーストラリアより強くなって出場すれば良いじゃないかという意見もあるが強くなるというのはそう簡単なことではない。むしろ強くなるにはワールドカップに一度出場して国を盛り上げることが必要。

乗り遅れた国にとっては強くなるにはワールドカップが必要なのに強くならないとワールドカップに出られないという決定的なジレンマが存在する。

勝ち抜いた国が出場するという考え方は旧式化しており、FIFAの考え方としては出場することでその国のサッカーのレベルが向上するチャンスを与えるという考え方になっている。

 

レベルの低いアジアからはこれ以上出場するべきではないという厳しい意見も存在するが、日本も一度チャンスをもらった立場なので他のアジアの国にチャンス与える優しさがあっても良いのではないだろうか。

 

またアジアに限らずスウェーデン、ポーランド、ペルー、セルビアといった中堅のマニアックな国もサッカーファンとしては見てみたい。特に欧州と南米の国々は可能性が非常に厳しくやはり大会のレベル云々よりも自国が参加してるってことの方が面白いという側面も存在する。

トルコ、イラン、ロシア、クロアチア、コロンビアはも2010年南アフリカ大会の時は出てなかったわけであり、それなりにメジャーな国ですら出られないのが32か国だ。やはり世界のサッカーの進化にもう出場枠が追い付かなくなっている現実が存在する。

 

 

ワールドカップ

興味のない大会でも自国が参加してるだけで面白くなる、それは世界共通だ。

「大会のレベルが下がる」というのは出てる立場だから言えるわけであり、レベルだけを求めるならばUEFAチャンピオンズリーグやユーロ、コパ・アメリカを見ていれば良いということになる。

 

自分がレベルの高い試合を見たいという事を主眼に置く人ならばこの拡大には反対の立場を取るだろう。しかし自分以外にもサッカーが好きな人が増えてほしいという立場の人ならば大いに賛成するところだ。

 

そして冷静に考えても見れば参加国の数としては爆発的に急増するというわけではなくたった16か国が増えるだけだとも見ることができる。

予選落ちする国にも強豪国が存在する時代において16枠増やすことで決定的にレベルを下げる国が参加して来るとは思えない。またあくまで2大会後の決定でもあるためその間に更に世界のサッカーのレベルも平均的に向上していくだろう。

これだけ広い世界の中から16カ国増えることに大会のレベル低下を危惧する必要はないはずだ。

 

実際に32カ国に拡大して大会はよりハイレベルな物へと向上した。多くの国が競う事で魅力が高まるのがサッカーのストロングポイントだ。

大会の出場枠は拡大するが、それ以上に世界のサッカーのレベルは日に日に向上しているということ考えればポジティブな決断に思えてくるのではないだろうか。心配しなくてもサッカーは今世界中で発展しつつある、日本もそのプロセスを経てここまで来たのだから。

 

世界中にサッカーが広まることがこの大会の目的であり、いろんな国がサッカーを見て楽しんでサッカーが広まればこれは幸せなことだ。

レベルやクオリティの高い物を見せればサッカーが広まるほど世界は単純ではない、当事者になる事以上の魅力はそれほど多く存在しない。

レベルが高いという専門的な問題よりもワールドカップのお祭り感の方が長期的には重要であり、またいくらでも専門的に技術力の高い大会は存在する。

実際ワールドカップきっかけでサッカーに興味を持ったという人は特にサッカーの新興国に置いては多い。既にサッカー強豪国として確立された国のサッカーだけがサッカーではないとも言える。

 

確かにEURO2016の例を見ていると絶対にレベルが下がる試合が存在しないとは言い切れない。しかしそれもまたサッカーの発展のプロセスなのではないだろうか。

大会の方式や日程を工夫することや帯同メンバーの数や交代人数の拡大などについては今後議論されていくだろう。

時間をかけてベストな方向に向かおうとするところにも「答えのないスポーツ」らしさがある。こういった議論や含めてこれもまたスポーツの文化であり

 

もう南米と欧州だけがサッカー好きで少しアフリカがある時代からサッカーは大きく変わってきてる。

そして何より日本が恩恵を受けた立場でもあるため、自分たちだけは良くてこれからの新しい国には扉を閉ざすという姿勢では偏狭だと言われても反論はできない。

 

Jリーグに続きワールドカップ出場を決めて日本でサッカーが人気になったことによって視聴環境が整備され有名選手が来日したりグッズが手に入りやすくなったり、海外観戦ツアーがしやすくなった。

日本が参加しない時代のワールドカップは本当にサッカーが好きな一部の人だけのものだったが、参加国という当事者になったことでワールドカップが国民的なイベントして定着した。

今後どこかの国でそういった変化が起こるのであればこのこの出場枠拡大には賛成であり、新しいサッカー文化の萌芽に期待せずにはいられない。

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