elken’s blog

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南米王者グレミオ相手に中盤で輝く本田△

「サッカーは一つの試合で天と地が入れ替わるような扱いを受ける」

その言葉通りパチューカ所属の本田圭佑が南米王者相手に見せた輝きは圧巻だった。

実際この試合を見た人の多くが本田は復調した、今の代表には必要だと語るほどに自信の好調さを世界に本田圭佑は見せつけた。

 

クラブワールドカップではどうしても欧州王者以外地味に見えてしまうがグレミオは過酷なコパ・リベルタドーレスを勝ち抜いた南米王者である。

その南米王者相手にあれだけのプレーが出来る日本人選手というのはそう多くは無い。今までのパチューカでのプレーはどうしてもメキシコリーグだというバイアスをかけられて評価されていたところがあるが、今回は南米王者相手にも難なく通用することが判明した。

 

ザッケローニ時代初期の「2.5列目」に近いようなやや低めの位置でゲームメイクをし前線に鋭いパスを送る姿は、懐かしさすらこみあげてくるほどに感極まる物があった人とも多いだろう。

ザッケローニは「トップ下は彼の家」と評していたことがあるが、厳密なポジション名はともかくこういった中央付近で味方を生かすようなプレーをすればさすがと言える活躍をする。

更に本田圭佑の良さは単に面白いプレーや気の利いたプレーにも表れている。

 

努力家やフィジカルを重視したプレーというイメージが先行してしまいがちだが、実は楽しいプレーや魅せるプレー、センスのある工夫したプレーをすることが多いのもこの試合で見れた光景だった。

ACミラン時代でも気の利いたアイデアのあるプレーをしているのは本田圭佑を含めてわずかしかいないという試合も多く、イメージと違って華麗なプレーも多い。好調の時の本田はファンタジスタといっては言い過ぎかもしれないけれども面白い選手であることは間違いない。

 

なんたって彼は生粋の大阪人である。

あのファッションセンスや魅せる言動は大阪人ならではコテコテのセンスがあり、それがサッカーにも反映されている。

一工夫いれて人と違う事をやりたいというこだわりの強さが本田圭佑にはある。

好き嫌いは分かれるが、何かしら違いをつけようとするプレーはやはり見ていて面白い。彼のファッションと同じのようにその工夫にセンスがあるかどうかはともかく、プレーにおいて何かしら個性を出そうとする姿は何の特徴も無いよりは圧倒的に面白い。

実際面白いドリブル突破や気の利いた味方への落とし、ワンタッチで意外なところに狙うプレーはレジスタ的な魅力があった。

 

2008年の北京五輪の時に若手のメッシやディ・マリアと、ベテランのリケルメが融合して金メダルを獲得したことがあった。

今の日本代表では若手選手がクローズアップされている、そこにリケルメ的な役割で似たようなプレースタイルを持つ本田圭佑が加われば勢いのある若手は安心して才能を発揮できるのではないかという予感はある。

時代は違うかもしれないがコロンビアはバルデラマがいた時代に黄金期だったことがあるしスペインもシャビ引退後は低迷、イタリアもピルロ引退後は低迷しているのでこういうタイプのゲームメイカーというのは一人は必要なのかもしれない。

フランスも2006年W杯ではジダンが復帰して以降急激に復活し決勝にまでたどり着いた。

本田圭佑

もちろん本田圭佑が名だたる名選手と同等の存在だと言うつもりは無いが、今だからこそ本田圭佑の存在が求められているのではないかと特に最近の北朝鮮や中国に苦戦する日本代表を見ていて感じずにはいられない。

 

一時本人もインサイドハーフを極めるというような趣旨のことを発言していたこともあるので日本代表でもポジションを見つけてほしいという思いはある。

少なくとも現状のパフォーマンスを維持できれば本戦のメンバーに選ばれる資格があるはずだ。

 

直近の欧州遠征でのベルギー戦とブラジル戦を見て最大の課題は得点力不足だという事も分かった。

本田本人は「ストライカーの勘はない」と言っているものの攻撃のギアを上げ活性化させるだけでなくなんだかんだで大事な時にゴールを決める選手でもある。ブラジル大会のドログバ枠でセンターフォワードとして途中から投入するアイデアも非現実的だとは言えない。

岡田ジャパン時代の本田CFが再び復活する可能性は現状の代表攻撃陣を見ていると否定できない。

 

断片的な一つのシーンだけ見れば確かに本田圭佑の攻撃は遅いように見えるかもしれない、しかし大局的に見ればむしろ攻撃の速度を上げていたり調整したりしているのが本田圭佑でもある。

そのため海外記者の分析などを見ると日本のサッカーファンの見方とは違って本田圭佑が評価されていることが多い。

その勘や経験というのはむしろ今の年齢になって磨かれてさえもいるというのは南米王者グレミオ相手に証明したばかりだ。

 

そしてそのグレミオ戦を見て自分の勘違いかもしれないがあまり自身の得点をかつてほど意識していないように見えたという感想もある。

かつて本田圭佑は「自分のゴールばかり狙っているから得点が多いだけ」と代表サポーターに批判されていたことがある。しかし今回のグレミオ戦を見てエゴイスティックな選手だと感じた人がいるだろうか、少なくとも自分には誰よりも味方に気を使っている選手のように見えた。

むしろザックジャパン初期の2.5列目に近いころの本田圭佑は得点が非常に少ない選手だった。怪我によるプレースタイル変更以降はゴール前でのプレーに注力していくようになったが、ここにきて再び一番本田が代表で輝いていた頃のプレーに戻っている印象を受ける。こういう役割をすると本田圭佑はやはり自然にプレーできるし定位置として本当に似合う。

 

本田圭佑という選手は日に日に考え方を変えて行っている柔軟な選手であるし普段の言動のイメージとは違って同じように判断できないところがある。

安易な凝り固まったかつてのイメージだけで本田圭佑を判断する人は確かにまだ一定数存在する。

しかしそのイメージすらも今は徐々に変わりつつある。