elken’s blog

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久保建英君さん、注目度がこれだけ高いのはいいことなのか

東京五輪世代でこれからの日本サッカーを担う新星だと期待されている久保建英が、このたび横浜・F・マリノスへと移籍したことが話題になっている。

 

その注目度は非常に高くこの年代の選手としては異例とも言える報道のされ方をしている。世間が甲子園期間中にも関わらず、これだけ話題になるサッカー選手がいるかと言えばそう多くはない。

野球の清宮幸太郎のほうが世間では注目されているという認識でいただけに、久保君そこまで知られるようになったというのは感慨深いものがある。

 

ただ賛否両論あり、スターシステムなのではないかとかまだ実績が少ない選手をここまで持てはやすことは本人のためにはならないという意見もある。

 

アスリートの育成において先進的な欧米では、こういった選手はむしろメディアから保護するべきだという考え方が強い。そのために久保フィーバーは日本的というか野球的な報道に近く、そこを疑問視するサッカーファンも多い。

実際若手の頃に注目されて「育成失敗」に終わってしまい潰れて行った選手も多いので、久保君については静かにそっとしておいた方が良いのではないかという意見も理解できなくはない。

 

しかしどうしても久保建英について注目したくなるのも事実で、自分自身、今のJリーグで気になる選手と言えば彼の名を上げることになる。

数年で去っていく外国人選手より、日本代表の未来を担うかもしれない若手選手の方がどうしても気になるというのはごく普通の心理だ。

 

更に言えばJリーグを社会に根付いたコンテンツにしていこうとなれば、日本的な盛り上がりは必要なのではないか。必ずしも欧州や南米と同じやり方をしていてはサッカーは定着せず、文化の面でも日本化していくべきなのかもしれない。

日本という国を欧州化するよりも、サッカーという競技を日本化する方が早いのではないだろうか。これまでどうしても、日本のサッカーファンの考え方は日本を欧州的なサッカーの国にしようという方向で努力してきたが必ずしもそれが上手く行っているとは言えない。

Jリーグのクラブに企業名を入れるべきだったという話も聞くし、チーム数を少なくした方が娯楽が多様化している現代に覚えるのは難しいという意見もある。

 

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久保建英の話に戻るのであれば、基本的に野球世代が多く、野球、競馬、ゴルフが話題になりやすいヤフーニュースにおいてこれだけの注目を集めるサッカー選手がいるかと言われればそこまで多くないのも事実だ。

 

もしかしたら将来的にFCバルセロナや日本代表で見ることになるかもしれない選手が、今は横浜で見ることができるのであれば、それはJリーグの興行にとって多大な魅力を持つ。

サントス時代にネイマールを見れたブラジル人は幸運だったように、久保建英を日本で見れるという事は未来において幸せな時間だったと評価されているかもしれない。

テクニックに関してはFC東京時代からチームの中で一番上手いとさえ評されていたので、センスと技術に関しては保証つきだ。

 

特にファーストタッチの正確性に関してはメッシに近いものがあり、本人も得意だと公言している間で受けたときのプレーは一級品だ。トップスピードでボールを貰っても難なくトラップできることや、際どいスペースに入るプレーはこの年代では別格でさすがバルセロナにも評価された才能を感じさせる。

 

問題は久保選手がここから順調に大人のレベルに育っていくかどうかだが、例えばハメス・ロドリゲスなどもコロンビア時代から高校生年代でプレーをしていたように、この年代から上の世代とプレーすることには大きな意味がある。

日本人選手の場合、海外に行けばどうしてもフィジカルで勝る相手とのプレーが日常になるので、その経験を日本にいる時に積めるというのはメリットが大きい。

むしろ積極的に若い世代をトップチームで使う方が日本サッカーの育成にとって良いのではないかと考えた場合、FC東京からマリノスに移ったことはキャリアとしての転機になるかもしれない。

 

またメディアやサポーターとの関係についても、海外の場合日本以上のプレッシャーに晒されることになる。サッカーに対する集中を阻害するメディアというのはどの国にも存在するため、こういった経験を積んでいることは役に立つのではないか。

若いから大事にするべきだという考え方と、むしろ若い時に経験を積ませないといけないという相反する考え方がある。前例がないケースだけに、久保建英の成長やキャリアというのはより多角的な視点で判断しなければならないだろうと、将来的にバルセロナでのプレーを期待している立場としては思う。