elken’s blog

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中島健人主演『ドロ刑』感想と、そもそもジャニタレ出演ドラマについて思う事

実は先週、ついに始まった『ドロ刑』の1話を見逃すという大失態を演じてしまい、2話から見ることになった。

このドラマ、Sexy Zoneの中島健人が主演を務め、コマーシャル出演で年間トップに立った超有名俳優である遠藤憲一との共演ということもあって放映前から注目を集めていた。

 

しかし、見逃すッ!

なんと普通に見逃すというミスをしてしまい2話からの視聴参戦ということになったのだが、率直な感想を語るのであれば「わりと気に入った」という印象になる。

土曜夜はドロ刑を見て、日曜夜は初耳学という中島健人的週末ラインはこれからしばらく自分の習慣になっていきそうではある。

 

まずそもそもの問題点として「今時若い子は刑事ドラマに興味ない」というところからがスタートで、正直自分もこのドラマはなんか地味だという印象が強かった。

 

日本で刑事ドラマが一大ジャンルを築いていた時代などもう数十年前の事で、今の時代わりと刑事ドラマをまともに見たことが無い人はかなり多いはずだ。

精々某バーローを見たことがあるかどうかというぐらいで、刑事が男子の憧れだなんて時代でもなくなってきている。

 

まさにそれがこのドロ刑のテーマで、中島健人が演じる斑目勉(まだらめ つとむ)というキャラも情熱にあふれた新米刑事というわけではなく「イマドキの新社会人」というキャラクターからスタートする。

 

昔ながらの熱い刑事ドラマ、もしくは今時の視聴者から見ると暑苦しい物語と違って、このドロ刑は職場の先輩はやる気が無く給与さえあればそれでいいという、ある意味仕事としての刑事に慣れ切った職場が舞台になっている。

 

この全体的な意識の低さが絶妙に見ていて心地よいというか、キャラクター全員がいかにも現代人らしい等身大の姿でこの「ユルさ」のようなものが見ていて面白い。

自分自身最初は「刑事ドラマ見るの大変そうだな」という印象があったものの、まさかここまでゆるいものだとは思っていなかったというか、土曜の夜にゆっくり見れそうなドラマとしてこの雰囲気は結構好きだ。

 

おそらくは過去の刑事ドラマで何度も解説されたり演出されてきた展開も、刑事ドラマが全盛期を過ぎた世代にとっては新鮮味があって、頭を使うような見方としても楽しめる。

ただそれ以上に大義や大志とは違うリアルな部分が上手く描かれていて、中島健人演じる主演キャラクターも等身大の感じだ。

 

中島健人のキャラクターとしてケンティーだと呼ばれ、セクシーサンキューなキャラとしてファンが期待しているのは青春学園ドラマや恋愛ストーリーのようなものかもしれない。

しかし最近であれば平野紫耀が主演を務めた花のち晴れのような学園物語と違って、新社会人年代になった中島健人がこの物語の軸だ。

衣装も学生服とは違って、地味なスーツ姿で絵柄としてそこまで派手なわけではない。

かといって堅苦しい真面目な感じとは違って、むしろそれこそまさに「イマドキ」のような感じの新人で最初はあまりやる気が無い。

タクシーで追っている人物を尾行していくものの、現金を多くは持っておらず「そんなこと教わってませんよ」なんてシーンもあり、新人の失敗談のような話も描かれていた。

 

そもそも最近のジャニーズファンの求める物として典型的な恋愛ストーリーはむしろ興味が無く、美人のヒロイン役が出て来られても困るという風潮はあるかもしれない。

そう考えるとこのドラマは男役ばかりで、女性役も登場する物の恋愛展開は皆無のような内容なのでむしろ安心して見れる面もあるのではないかとも思う。

昨今わりと男ばっかりの話の方が面白く、昔のように恋愛を前面に押し出したトレンディドラマや学園ドラマが求められなくなってきているという傾向もある気がする。

 

全体的に「中島健人と愉快なおっさん仲間たち」という構図で、ここに華やかな恋愛要素が入ってくることも想像できないし、その必要もないという絶妙なバランスがある。

むしろこのドラマ、ケンティーの可愛さを楽しむドラマだと言っても過言ではない!

ヒロインはいらない、中島健人がその役割も担っているからだ。

これまで中島健人は映画も含めて煌びやかな青春ストーリーを演じてきたことに比べると、全体的に地味でなおかつ刑事ドラマというこれまた今の時代にそこまで流行らないジャンルとの組み合わせになっている。

 

しかし実際に見てみると、中島健人がバーに入り浸って酔いながら本音を語って、遠藤憲一に話をつっこまれるシーンがあったり、刑事として成長してかっこよく決めたりするシーンがあったりと、期待していた以上の見ごたえがあるし何より雰囲気が良い。

今時のドラマとしては1話完結型が普通になっているように、毎回面白い悪役キャラが出てくる感じとしっかり見れば見ごたえのある作りこみもよく、かつて櫻井翔が出演したザ・クイズショウのような感覚で楽しめるかもしれない。

典型的な学園ドラマのような華やかさはない物の、見ていて落ち着くし終わってみれば寂しくなっているという感じのドラマだ。

 

そしてそもそもジャニーズがドラマに俳優として出演するという流れも、最近ではもはや普通の事となり、以前ほど「ジャニタレを出演させるな」という意見も見かけなくなったように思う。

 

なんというかそもそもテレビの流行や、ドラマを見ることが大人っぽいというブランドも無くなりドラマというジャンル自体がかつてのような圧倒的な華やかな存在ではなくなっている。

ただ、だからこそドラマ製作者側も殿様商売をやっていられなくなったというか、本気でしっかりと作るようになったという事情はある。

つまり最近のドラマは華やかさが失われ面白くなくなったと言われている割に、実際見てみるとちゃんと面白いドラマはいくつもあってむしろ平均的な質の高さは上昇している部分もある。

ドラマというだけで価値がある時代が終わり、真剣に作らないと他のジャンルに取って代わられるという危機感もあって今のドラマはむしろ面白い。

 

いわゆるジャニタレ主演ドラマというものが全盛だった時代も過ぎ、言う程どこもジャニーズばかりというわけでもない。実際、最近ジャニーズのドラマで印象に残っている物が何かと聞かれれば、普通の人は「いつも嵐がやっている印象」というのが本音なのではないか。

華やかな新人ジャニーズがどこの学園ドラマにも出演しているという時代でもなくなってきているというか、求められるニーズが変化している。

 

またなんだかんだでジャニーズ出演ドラマというのは、時が経っても話題にされるし後に語られる傾向がある。これは文化としては良い事で、誰にも語られず昔の作品として埋没するよりは、新規にファンになった人が過去の作品を見るという流れはジャニーズが持つ良い文化遺産であるようにも思う。

ジャニーズファンでなくとも、このメンバーの作品は覚えているという人も多いし華がある。

これも日本文化の一つといえば一つだ。

 

ジャニーズが出演するドラマは予算がかけられるという事もあって、単純に製作費が潤沢で華やかに作ることができるし見る人も多く盛り上がりやすい。

ドラマ離れだと言われている今の時代において、新しい層が見るとするならばやはりジャニーズやイケメン俳優がきっかけになるのは必要な事なのではないだろうか。

 

「いかにも日本の芸能界らしいこの感じ」がむしろ懐かしくなるというか、ジャニタレ出演ドラマが輝いていた頃が今思えば華やかだったようにも思う。

もちろん今のドラマ作りにおいて本当にしっかりと作りこまれて面白い作品があるのも事実である一方で、やはりこういった文化も無くなってしまうと寂しいだろう。

そして何より今の時代ジャニーズのドラマも中々いい作りにはなっているし、過去を振り返れば思い出深い作品も多い。

ジャニーズは日本のドラマ文化を盛り上げているという側面もあるので一概には批判できないし、何より自分自身ジャニーズ出演ドラマは大体とりあえずチェックはする。

こういった文化は無くしてはならないというか、今後も続いてほしい文化の一つであるように思う。