その国の料理がどこ由来で発展したかと突き詰めれば、美食の王者であるフランス料理は職を失ったイタリア料理人が当時のフランス王朝に雇われたことで発展したものとなる。
サッカーでも華麗な哲学と美学の代名詞であるバルセロナはヨハン・クライフという天才オランダ人が持ち込んだ哲学と美学に影響される以前はもっと荒いものだった。
現代ではエレガントで美しいというイメージだが、かつては粗野で素朴、フランス料理もバルサもそうだった。
そしてそのフランスの影響がノルマン・コンクエストによって大きいにもかかわらず、料理が発展しないイギリスという国もある。
何が言いたいかというとどんな文化も他国の影響を受けており、コピーや改良も決して簡単では無いということである。
翻っては「キムチ」という料理、食品について考えてみる。自分はキムチについて明確に韓国料理だと考えている。
キムチは明らかに韓国の食べ物だ。なぜならばそれを認めなければ日本のあらゆる料理が他国のものだとなってしまうからだ。
必然的に日本人はキムチを韓国食品だと認めなければ自分たちの食品のアイデンティティも崩壊してしまうというある種の共闘戦線にある。
また日本人自身が良くも悪くも「韓国=キムチ」だと思っている。
正直キムチを奪おうとか自国のイメージにしたいとは思っていない。むしろ日本がキムチのイメージで見られることにちょっと違和感がある。
一昔前は「日本はKIMCHIをKIMUCHIという日本式発音にして奪おうとしている」という言説もあったが、当の韓国人もそこまでの過激派は珍しいし、日本人もそういう意図があってKIMUCHIと発音しているわけではない。
そもそもキムチは当初「朝鮮漬」と戦前から呼ばれていたように朝鮮半島の食品だと我が国では認識されてきた。
キムチというのはいわば韓国人にとって愛憎というか、愛らしく憎らしいものでもある。そんなスタイリッシュなものだとは思っていなくて、もっと生活と文化に根付いたリアルなものだ。
だから自国の女性のことを「キムチ女」と時に蔑称として使う。日本だったら寿司は悪い意味では使わず、むしろ納豆に近いのがキムチの立ち位置だ。
韓国人の中にも「韓国料理のイメージとしてただの副菜のキムチよりもっといいものはある」と主張する人は多い。
日本人からすると「そんな奪いたいくらいかっこいいオシャレなものではない」
韓国人からすると「いいことも悪いことも酸いも甘いもウリナラに根付いているのがキムチ」というわけだ。
だからこそわざわざキムチの起源を主張する中国人の意図が両国ともわからない。
日本人からすると「中国なんてアジアどころか世界の文明の発祥地で寿司やキムチごときどうでも良くなるぐらい凄い発明多いじゃん」と思うわけだ。
中国の発明品エグ過ぎて、キムチなど取るに及ばない。まぁそりゃただの米と魚料理の寿司も、ただの漬物であるキムチもそりゃ遡れば中国大陸にあるだろう。
でも我々はろくに純粋に自分たちの地で編み出した文化もない弱小国なのです、どうか寿司やキムチぐらい譲ってくれてもいいじゃありませんか。というのが日本と韓国の声だ。
その国で愛され独自に改良発展を重ねればその国の料理である。ちなみに未開極まりない遅れていた島国イギリスはそうやってヨーロッパ大陸の先進文明を受け入れ産業革命を起こし、ついにはアジアにまで進出しその文化宗主国の中国を狡猾な手段と圧倒的技術力で服従させ最近まで香港を占領していた。。。
伝統がなく遅れた文明であることの何が悪い?と言いたげなのはアメリカだ。その中国がどれだけ野望に満ちていてもアメリカのせいで自由に行動できない。
そもそも一昔前の中国は「我が国は歴史的大国なのでほとんどの国は中国の影響を受けておりわざわざそんなことどうでもいい」というまさにアジアの父らしい態度だった。文字通り「中国父さん」だった。
そういう偉大な父上が、急に「キムチはワシのもんじゃい」と韓国を怒鳴りつけてるとちょっとねぇ、というのが日本人の自然な感情だ。いや、そんなキムチがほしいかい、と。
韓国のキムチ文化や激辛料理の歴史なんてそんな大した歴史のあるものではないものなので、なんでわざわざそんなものに急に執着しだすのかが不思議だ。
キムチぐらい韓国に譲ってもいいというか、キムチのような特殊な食品を異常に愛する韓国という国は良くも悪くも特殊だ。
個人的にはそういう韓国文化が好きだがわざわざ自国の起源にする程のものではない。
韓国の何がすごいといえば、キムチという別にどうでもいいようなただの辛い漬物を世界基準にしたことである。それは日本もよく考えれば寿司はただの魚と米で作ったファストフードである。
原型はもちろん中国大陸にあったが彼らが現代化して文化として愛し、ポップカルチャーとして高めたわけではない。
大体、激辛料理としては韓国料理が雑魚に見えるほどもっと辛い四川料理があるわけで、そっちをアピールした方がよほどいいと思うわけだ。韓国の激辛文化なんて所詮「辛ラーメン」が1980年代発売で、ブテチゲも戦後の軍隊文化でしかないので激辛ではなく激浅だ。
ちなみに韓国人は寿司はもちろん、純粋な日本食と言えるか微妙なトンカツもそのまま日本語で使っているし、日本人もクッパはマリオのキャラクター名に使っているほどだ。自分の最愛の好物は韓国料理はスンデクッパである。
こうしてキムチをおつまみにチャミスルを飲むのは旨い。。。
まぁ大東亜共栄圏のパクりである現在の中華人民共和国がアジアを中国によって統一したい気持ちは昔野心を抱いた日本人としてわかるのよ。でも現代日本人として中国が全てではない現代のアジア文明はもっといっぱいあるんだよという思いもある。
少なくともキムチは十分韓国の食品や文化であると言っていい。
そういうのはわざわざ取るほどのものでもないし、取ったところでいいところだってなく得しないどころか不利益があると日本が証明しなかったか愚かなり無識なチャンケよ。