防弾少年団、BTSの勢いが凄まじい。
もはやアジア圏を超えアメリカや欧州でも評価され、日本でも年末の歌番組に出演したり吉本新喜劇に出演したりと大忙しだ。
そんな様子を見て自分は最初、よくありがちなK-POPアイドルがちょっとしたブームになっているだけだと最初はあまり興味なさげに見ていた。
防弾少年団という名前自体はもう少し前から知っていたものの、その時は韓国のアイドルは漢字やその国の言葉を使っていて面白いなとだけ思っていた。
正直なところアイドル的な盛り上がりに関しては懐疑的であり、また韓流が少し流行っただけだとしか考えていなかった。
しかしK-POPへの情熱が再び再燃するにつれて、防弾少年団はどこかこれまでのアイドルとは違うという事に気付き始めた。
正確に言えば彼らはアイドルと名乗っているのではなく、HIPHOPのジャンルで活躍するグループだ。韓流アイドル風のHIP-HOPアーティストというのが適切な表現だろうか。
確かにSNSやテレビ番組においてはアイドル的な振る舞いをすることが多い。
その一方で楽曲に関しては間違いなくHIPHOPの領域にある。
一見するとK-POPアイドルの一つに過ぎないように見えるが、いざ楽曲を聴きそのパフォーマンスを見てみるともはやアイドルの次元を超えていると言わざるを得ない。
例えば代表曲『FIRE』に関してはダンスも歌も激しく、自分自身何度も聞いているほどにかっこいい。よくダンスが揃っていると言われるが、キレは抜群の領域にある。
日本の若い女性ファンの間で人気を博しているという評判によって、アイドルとしての評価という印象を受けることが多いがそのイメージはむしろ防弾少年団を適切に評価することを妨げるだろう。
ただのよくありがちなK-POPアイドルなのではないかというある種の偏見が底には存在するが、実際には高度なヒッポホップを披露しており本場のアメリカでも評価されている。
例えば日本で最も人気なメンバーであるVは一見するとジャニーズ風のルックスをしており、テテという愛称で親しまれている。
しかしJ-HOPEやRMはアイドルというよりもむしろ本格的なパフォーマーであり、テテも歌い方はアイドル的ではない。
楽曲に関しても歌詞の内容やメロディはまるでアイドルとは異なる。
むしろ洋楽のアーティストに近く、防弾少年団は堂々と野心や野望を歌い上げる。
夢見るシンデレラに対して理想的な愛を歌うというような歌詞内容ではない、むしろ男性の立場から夢を掴みとってやろうという野心溢れる曲調の物が多い。
『血、汗、涙』でのサビの部分では「money money」と歌う、これはアイドルではあり得ないことだ。
防弾少年団が米国で評価されているのは、東アジアのアイドル的なルックスに対する目新しさはもちろんの事、そういった本格的な黒人ラッパーが歌うような内容を歌っているからこそ共感しやすいからなのではないか。
アイドルというよりもヒップホップアーティストであり、パフォーマーである、それがBTSに対する客観的な評価だ。
それと同時に、アイドル風であるからこそそれまでHIPHOPに関心を持たなかった層でも興味を抱きやすいくなったとも言えるため、その両方の良さを兼ね備えているとも言える。
ただ若い女性ファンが聴くアイドルの曲というのは完全なる偏見であり、いざ見てみるとむしろHIPHOPや洋楽のラップミュージックが好きな層に響くかっこよさを持っている。
ジャニーズでいえばかつてのKAT-TUNとも似ている存在かもしれない。
男がかっこいいと思うかっこよさがあり、洋楽に憧れるような心理とも似ている。
例えばエミネムに憧れるように、防弾少年団に憧れる少年がこれから現れてもおかしくは無いだろう。
それほどにBTSはセンセーショナルな存在だ。
個人によって評価は分かれるかもしれないが、アイドルとしてもそしてHIPHOPアーティストとしても見ることができる、それがBTSという新進気鋭のグループだ。
彼らの海を越えた快進撃はまだまだ続きそうである。