TWICE史上最高の曲が「TT」だという風潮
改めてTWICEのTTを聞いているといい曲だなと思えてくる。
そんなことを言っておきながら、実は元々自分はこの「TT」という曲については最初それほど評価していなかった。
あえて通ぶりたいという心理とでもいうのか、メジャーどころを推すことを避けて逆に別の曲を良く推していた。
例えば「Precious Love」はTWICE初期の隠れた名曲であり、TTとも切ないメロディーの曲調が似ているので個人的にはとても好きな曲だ。
しかし流行るだけあって素直に聞いてみればやっぱりTTはとてもいい曲だと思うようになり「TTポーズ」も可愛い。
TWICEが好きなのにあえてTT以外の曲を良く聞いていたが、最近はTTを聴く機会が増えている。韓国語版も日本語版もどちらもよく聞いており、それぞれに良さがある。
その一方で実は韓国ではTWICEと言えばTTというよりも、むしろ「CHEER UP」や「LIKE OOH AHH」が元々ヒットしており、最近では「LIKEY」の人気が高い。
この流行の違いにはおそらく日本人と韓国人の感性の違いがあるのではないかと自分は考えている。
いわゆる「うわはげ」で知られる「LIKE OOH AHH」は非常にアップテンポな曲で、とにかくテンションが上がる曲調になっている。
韓国はダンスミュージックが盛んなだけあってこういったアップテンポな曲が受けることが多く、「CHEER UP」にしてもサビの部分の「シャシャシャ」がとても人気を博しておりTWICEを代表するイメージソングにもなっている。
それとは対極的に日本で一番受けているのは「TT」だといって間違いないだろう。
このTTという曲はメロディがK-POPらしくリズミカルではあるものの、どこか切ない失恋ソングのような曲調を感じさせる作りになっている。
なかなか好きな人が自分に気づいてくれなくて、鏡に向かって一人でファッションショーをするというような歌詞内容になっていて失恋ソングに近いような雰囲気が特徴だ。
洋楽と邦楽の違いとも言えるかもしれないけれども、洋楽は「私はこんなに美人で魅力的なのよ、もっと楽しませて!」という挑戦的な歌詞内容が多いことに対して、邦楽はもっと切なかったり複雑だったりする心情を歌うことが多いという違いがある。
K-POPもどちらかと言えば洋楽に近い歌詞のことが多く、その中でTTは珍しい楽曲だと言えるかもしれない。
更に「TT」は日本語版でもリリースされており、単なる吹き替えだけでなくミュージックビデオも新規製作の物になっている。
韓国語版TTは有名なキャラクターのパロディになっていることに対して、日本語版TTのMVはよりシリアスな雰囲気になっているのも大きな違いだ。
そもそも世界的に見て日本で流行る物というのは海外に比べて独特な物であることが多い。
例えばゲームでは力強いキャラクターが欧米では人気なことに対して、日本では細身のキャラクターが人気だという現象が代表だ。
映画の流行でもハリウッドよりアニメ映画の方が人気が高く、スターウォーズが世界的に流行しているときに日本では妖怪ウォッチが大ヒットしていた。
TTはK-POPの特徴を兼ね備えながらも、どこか日本人の感性に響くような特徴も兼ね備えていたからこそこれだけ日本で別格のヒットをしたのだと言えるかもしれない。
またTTが日本で受けた最大の理由は何と言っても「TTポーズ」であり、SNSで爆発的に普及した。一般の投稿者だけでなく芸能人にまで普及しておりその影響力は絶大だ。
もはや新曲がリリースされても、TTの地位は揺るぎない。
ミュージックステーションや紅白歌合戦でもこの曲を披露し、日本におけるTWICEの代表曲としての地位を確立したと言っても過言ではない。
ヒット曲や社会現象としての意味合いに加え、純粋に曲としても日本人に聞きやすい曲調であったり共感しやすい歌詞内容であったことがTTがTWICE最高の曲だと言える理由なのではないだろうか。