ガンダムSEEDの世界はナチュラルとコーディネーター、そして混血種の3種類が存在する
このコーデイネーターの設定、13歳でナチュラルの成人並の頭脳と身体能力が得られるという設定
そして最初のコーディネーターはオリンピックのメダルまで取った。
しかし地球では急速にコーディネーター排斥の機運が高まりおおっぴらにはコーディネーターが活躍できないような状況になっていき、そうしたコーディネーターたちだけの専用のプラントという居場所が作られていく
というのがガンダムSEED関連で公開されている設定
そこで思ったのがスポーツはどうなっているのかという事
コーディネーターがスポーツの世界に参戦したら確実にほぼ全員コーディネーターになる。
実際「戦争」というシーンにおいてはモビルスーツを操作できるのはほぼコーディネーターだけで、ガンダムに搭乗する主要キャラのほとんどがコーディネーター
スポーツの世界もまともにやったらこうなるに違いない
そこで大多数のナチュラル側が取る対策として考えられるのが
1:遺伝子改良はドーピング扱い
戦争と違ってスポーツはルールがある世界
コーディネーターそのものを反則として扱う
あくまで自然に生み出されたナチュラルの自然さを見たいという理論
おそらくブルーコスモスがこれを主張しまくる
実際のサッカーの世界でも未だに「リオネル・メッシはドーピング」と主張する人々がいるようにスポーツの世界では少しの不自然さも嫌われる傾向がある。
メッシは身長が伸びない病気になり成長ホルモン投与で身長を伸ばした。
これをドーピング扱いする人々がいるのだ
個人的には「病気で得られなくなってしまったものを治療して、本来得られるはずだった身長を遺伝子通り手に入れることができた」という解釈をしている。
メッシの治療は元々持っている物以上の物を手に入れた改造とは違い、病気で邪魔されていたものを治して本来得られるはずだったものを手に入れたのではないかと思っている
このルールではコーディネーターはあらゆるスポーツに参戦できず、優秀であるにもかかわらずただ観戦するしかない。
こういう不満が後に爆発してコーディネーターとナチュラルの戦争、つまりガンダムSEEDの物語に発展していくことになる。
ガンダムSEEDの世界ではかなりコーディネーターがタブー扱いされているのでこれくらい強力なルールがあってもおかしくはない
ただそこまで極端なものになっていく前にまずコーディネーターも受け入れようという段階があったのではないか
完全にナチュラルがアンチコーディネーターになっていくまでには時間がある
SEED年表によるといろいろな事件、いきさつがあって反コーディネーターへと地球が変貌していく
その前の融和段階の時に行われていたのが次のルールではないか
2:コーディネーターは1チームに3人までという制限
昔のバスケでは黒人は1チームに3人までしか出場させてはいけないという暗黙の了解があったらしい
黒人が活躍すると白人の活躍の場所が奪われる
だから制限しよう
こういう発想と同じで、コーディネーターにも参加を認めるがナチュラルの活躍の場所が奪われるので制限しようというルール
実際のサッカーでも自国の選手を保護しようとする動きはどこにでもある。
実際イングランドプレミアリーグではホームグロウン制という事実上のイングランド人優遇が行われていて、イングランド人の移籍金は異様に高くなっている。
このため「イングランド人価格」とさえ言われて実際の移籍金に比べて実力が低いことが多い。
また欧州のリーグではEU国籍ならば何人でもいていいが、EU国籍以外の選手はチームに~人までという制限があることが多い。
(つい最近ネイマールがスペイン国籍を習得し、バルセロナの補強がしやすくなったと報道された)
例外としてオランダリーグはこういう制限がなかったり、ドイツのブンデスリーガでは「外国人枠は~人まで」という考え方ではなく「ドイツ人枠を設置し、ドイツ人が~人までいればあとは自由」という考え方を取り入れている。
このため日本人選手をはじめとしたアジア人選手はスペイン、イングランド、イタリアなどよりもドイツのほうが移籍しやすくなっている。(貴重な外国人枠を使うなら南米人選手やアフリカ人選手のほうに使ったほうがいいという発想)
更にイングランドの場合代表出場数が一定数以上でなければならないという制限まで設けておりかなりハードルを上げている。
こういった自国選手を保護しようという感情、はっきり言ってしまえば優秀な外国人に淘汰されないようにしようというルール
また日本の大相撲を見ても外国人力士が多くなり日本人横綱が出てほしいと最近よく聞く。これはナチュラルとコーディネーターの関係に近いかもしれない。
ガンダムSEEDの世界でもそういったことが行われているのではないだろうかと思う。
ナチュラルの選手に対しての優遇、そして応援する側(当然視聴者はナチュラルが多い)の感情、コーディネーター選手はいづらくなり「差別」を感じるはずだ
そういったコーディネーター選手たちが集まって今度は自分たちだけのリーグを作り始める。
3:ナチュラルリーグとコーディネーターリーグの創設
もういっそのこと完全に別の制度を作ってしまうという議論
ナチュラル選手の活躍を求める市民感情が高まりついにコーディネーターはスポーツの世界から締め出される。
今までのオリンピックなどのスポーツ大会は全部ナチュラルが作り上げてきた。
これをいきなりコーディネーターが参戦して記録を全部塗り替えていくということは容認されないと思う。
実際のスポーツでもあのスポーツを本格的に黒人がやりだしたら今までの記録が全部持っていかれるという話はよく聞く。
それと同じで優秀な身体能力を持つ人種が記録を塗り替えるというのは絶対に発生する現象
白人と黒人の記録は別にするという事は行われていないが、ナチュラルとコーディネーターは人工的な操作が入っている時点で明確に異なる
だから記録が分けられるという事は起きるはず。
そして完全に別人種だという思想が定着していけばいずれナチュラルリーグとコーディネーターリーグに分けられてスポーツにおける人種隔離政策が行われていく。
ナチュラルリーグは華やかに盛り上げられ、コーディネーターリーグは数少ないコーディネーターだけが見る寂れたリーグ扱い(もしかしたらテレビ放送などされないかもしれない)
ただ競技のレベルはコーディネーターリーグのほうが高いはず。
ナチュラルの中には「自分はナチュラルだけどレベルが高いのでコーディネーターリーグを見る」という人々も現れるのではないだろうか。
現に自分は日本人であるけれどもJリーグより海外サッカーを見る。
いわゆる海外厨である。
実際サッカーやバスケにおいては海外厨の方が多い
レベルに加えて、盛り上がりの部分でも海外に負けてしまっている。
そうなれば海外厨が増えるのは必然
恐らくガンダムSEEDの世界にも「ナチュラルなのにコーディネーター厨」という層がいるはず。
実際コーディネーターのほうが容姿も身体能力も優秀
見るだけならコーディネーターの方が面白いかもしれない
たとえばNBA、もはやあれは人外の集まり。バスケというよりはNBAという別競技
体格も2m越えが当たり前。
それを自分が2m超えてバスケも上手いから見ているという人は少数派で、たいていの人が別世界の凄さを見る感覚で見ているはず
だとすればナチュラルがコーディネーターリーグを別世界、別人種の競技としてみるのも起こり得る。
またネットには日本人にもかかわらず白人を持ち上げる白人至上主義者(自分は黄色人種)が存在する
これは自分らより強い人種を持ち上げて自分も周囲に勝った気になるという心理
つまり虎の威を借る狐状態
ガンダムSEEDの世界にもコーディネーターの威を借るナチュラルという層がいてもおかしくはない。
そしてこのルールは個人競技にも対応できるというメリットがある。
出場できるコーディネーターの数を制限というルールはチームスポーツだからこそ通用するが個人競技でこのルールはできない。
結局そういう事も考えると完全に分離された状態で行われていくのではないかと思われる
そしてプランドが建設され、コーディネーター社会そのものが地球とは別の場所にそれなりの規模で存在するようになればもはやこのルールが自然になっていく
すみわけされた世界でお互い関わらず自分たちだけのスポーツを行っていく。
恐らく交流戦は行われないだろうし、行われたとしたらコーディネーターが圧勝するに違いない
戦争ではナチュラルは数で押せるが、スポーツの世界では試合に出場できる選手の数は同数
これではナチュラルには勝ち目がない
おそらく地球のナチュラルは「あれは宇宙人競技、改造ドーピング競技であって自然なスポーツではない」と認めないし、プラントのコーディネーターは「原始人がやっている未開な競技」と考えているはずだ。
4:オーブリーグとオーストラリアリーグ(大洋州連合リーグ)の存在
ガンダムSEEDではアスラン・ザラがキラ・ヤマトに対して「お前も早くプラントに来い」というシーンがある。
地球にいる数少ないコーディネーターはスポーツもまともにできないし、芸能や芸術で活躍してもコーディネーターだからと言われる。
一方プラントにいけば、大手を振って活躍することができる
この状況でプラントにいかず地球に残るコーディネーターはかなり風変わりな人かもしれない。
あるいは地球に大切なものがあって(たとえば自然環境なども)どうしても地球にいたいという層。
そしてそんな層にとって住みやすい地域がいくつかある。
1つ目はオーブ
ここは地球では珍しくコーディネーターも住みやすくなっている
もしかしたらここのリーグではコーディネーターも自由にやれる環境があるかもしれない。
恐らくその場合、他のリーグとの試合は行われないかもしれない。
FIFAのような組織が「コーディネーターを参加させているリーグに国際試合への参加資格はない」という形にするかもしれない。
もしくは国際試合ではコーディネーターの参加はなしという妥協案
一方国内試合はコーディネーターは参加できるというルール
ただこの場合ほぼ完全にコーディネーターばかりになりそうなので、もしかしたら「緩い制限」はあるかもしれない。
それはまさにブンデスリーガの「ドイツ人が~人いればいい」という発想と同じで「ナチュラルが一定多数いればいい」というルール
コーディネーターを締め出すというよりも、ナチュラルを一定数以上入れようという逆の発想
いずれにせよオーブのスポーツ事情というのは興味深い
2つ目は大洋州連合
ここはもはや地球からすれば売国奴並の存在
カーペンタリア基地まで提供している親プラント国
国民感情としても「コーディネーターのおかげで裕福な暮らしで来てるし、大西洋連合にも対抗できるからコーディネーターは良い人たち」となっているのではないか。
だとすればスポーツはもはや自由
コーディネーターにとって地球で最もスポーツがしやすい場所かもしれない。
ここの国民はザフト軍さえも恐れず受け入れているのだからコーディネーターのアスリートに対しては一切嫌悪感はなさそう。
もしかしたらオーブリーグと大洋州連合リーグだけの国際試合が行われているかもしれないし、ひょっとしたら年に1回はプラントリーグも交えた三つ巴の戦いも行われているかもしれない。
地球にいるコーディネーターでどうしてもスポーツをやりたいという層はこの2つのどちらかに行くのではないかと思われる。その結果世界中からコーディネーターが集まり競技のレベルは地球屈指のハイレベル
もしかしたら他の地球地域からもレベルの高さを求めて観戦に訪れる人たちもいるかもしれない。
実際日本人がレアル・マドリードやバルセロナの試合を観戦するためにスペインに行くように。
戦後どうなるか
あの大戦の後、だんだんと融和的な方向に向かって行ったのであるとするならばコーディネーターが増えていくのは間違いない
もうお互い適度な距離感で関わり過ぎないようにするという方向ならば今までの住み分けて関わる部分だけ関わるという方式で続けられる
ただそれってやっぱり難しいとも思う。
今以上にテクノロジーが発達した世界で交流を押さえつけるという事は難しいし人権思想みたいなものも発展していくんではないだろうかとも思う。
もうああいう人種対立の戦争を避けるために融和路線で行くしかない、というように。
ただどれだけ他のジャンルでそういう融和路線で行ったとしても、スポーツだけはやっぱりそれぞれが持っている身体能力が大事な世界なのでなかなか完全に区別なしの統合というのは難しいと思う。
付かず離れずの関係なら今まで通りのルールでいいけど、融和路線になって言った場合どう解釈するのかというのはかなり難しい問題になりそう
ナチュラルもコーディネーターも同じ人間だ!というのは聞こえがいいけど、実際明らかに身体能力が違う。
この格差で同じ土俵で勝負というのはどうやっても無理なんじゃないか。
そういう難しい問題をどう解決するか
それを描いてほしかったんですよ、福田さん
そういうことにまで迫る、それがガンダムSEEDに求められていたんですよ!
21世紀のガンダムとして求められていたのはそういう新時代のテーマ
そこを描けていたら完全に名作になっていたはずだ!