elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

オンラインゲームの初心者を排除する風潮は間違っている

よくオンラインゲームでは初心者が敵視される。既存層や上級者にとっては初心者というのはお荷物であり味方になれば迷惑をかけられるという考え方だ。

確かに初心者ゲーマーのせいで負けることはあるしそこにいらだつことは理解できるし自分だってあることだ。

そういった初心者に対して非常に風当たりが強い現象はどのゲームでもありがちな現象だ。一度中級者になると初心者に対して厳しくなる、それはそもそもゲームに限ったことではないのかもしれない。スポーツでも初心者が参入しづらいと言われることは多い。たとえば草野球でも「初心者歓迎」「未経験者歓迎」と言っておきながら実はかなりハイレベルだったり、仕事においても「未経験者歓迎」「アットホームな職場」とは名ばかりで初日からいきなりハードなことを求められることは多い。

「テキパキ系の人が多めの職場です♪」などと募集しているがその実態は厳しい経験者の下で8時間みっちりロボットのようにせわしく働かせられるだけである。

 

つまりゲーム、スポーツ、仕事、どの世界においても今や初心者に厳しく初心者の居場所などないのが現状だ。今はどの世界も初心者にとって世知辛い世の中になってきている。どこもかしこも初めての人には厳しい生きづらい世の中だ。

そんな世知辛い世の中せめて自分は自分のやっているゲームに置いては初心者に優しくありたいし初心者批判はしたくないと思っている。少しでもその世界のプレーヤーが初心者に対して文句をいっていたりルールを押し付けるとそれだけで新規参入者はもういいやと思ってしまうのである。初心者は初心者批判に対して敏感だ。

よく「その程度でやる気をなくすユーザーならその内辞めるから入ってこなくて結構」という人がいるがこれは「坊主が嫌で辞める奴はその内辞めるから野球部に入部しなくてもいい」というような坊主強制擁護理論と一緒である。

仮に自分がそのゲームを始めたとき、初心者に対して厳しい意見を見かけていたらそのゲームをもしかしたら始めていなかったかもしれないという考え方も大事だ。

 

更に言えば初心者は迷惑をかけてくるだけの存在ではない。初心者が敵側にいることで得をすることもあるのだ。

初心者のせで負ける事もあるが初心者のおかげで勝つこともある。どうしても負けが込んでいるときは初心者のせいで負けていることが多く感じることが多いがそれは錯覚で結局同じようなバランスに落ち着いてくる。

更に自分も初心者で迷惑をかけた時期が誰にでもあったのだ。

しかもそのゲームにおいて自分は中級者や上級者かもしれないが他のゲームにうつればその時は初心者になることもある。初心者に厳しくする風潮を自ら作るのは回りまわって自分の首を絞めることにもなる。

 

それにガチ勢や上級者ばかりのゲームが本当に面白いかと言ったらそうではない。そんなゲームは逆に本気でやらなければ勝てない疲れるゲームになってしまう。程よく力を抜いても勝てるのは初心者がいるおかげであり、ガチ勢ばかりになるとガチガチに本気でやらないと勝てないゲームになってしまう。

そうするともはやゲームをすること自体が疲れるものになってついにはやめてしまうことになりかねない。それよりは程よく初心者が混じった空間の方が面白いのだ。

更に言えばガチ勢だけで新規が寄り付かず発展しないゲームはどこか寂しい。確かに既存層には居心地がいいが、いずれこのゲームは消えるだろうという危機感があり活気がない環境はどこか物悲しい。

新規参入者が多いということは人気という事でもある。

結局のところ、どれだけ高度で既存層にとっては心地の良いゲームであっても新規が寄り付かなければどこか物足りない。それよりは多少問題があっても初心者が多い方が楽しかったりする。むちゃくちゃなカオス感を楽しめるのが一流のオンラインゲーマーである。

 

更に新規が増えれば追い付くために課金をする可能性が高く、そのゲームの寿命も延びる。中にはそういったことを「荒らされる」と表現するユーザーもいるが自分はそうは思わない。そのゲームが完全に消えてしまうよりは、課金であってもそのゲームを支えてくれるユーザーの方がありがたい。よほど理不尽に強い課金アイテムが出回ってそれで初心者が既存ユーザーを駆逐するという光景はめったに見られるものではない。

一部の極端な事例を誇張して初心者を排除することは自分は間違っているのではないかと思う。ゲームに限らずどのコンテンツにおいても新陳代謝といった物は必要だ。

風通しの悪い場所には茸が生えるというニーチェの言葉があるが、既存ユーザーがガチ勢というのはその茸になってはいないだろうか?

茸ばかりでじめじめしたオンラインゲームはいずれ腐敗しボロボロに砕け散る。そして跡形も残らず過去のものになっていく。

風通しの悪い場所に茸をはやしてはいけないのだ。

そのためには初心者という風が必要なのである。