今のサッカーで一番のボランチはひょっとしたらナインゴランかもしれない。ポグバの体たらくを見ているとマンチェスター・ユナイテッドはナインゴランを獲得したほうがよかったのではないかと思う。その理由はやはりナイゴランのプレースタイルにある。
あれだけタフで頑丈な選手というのはなかなかサッカー界でもいないだろうしプレミアリーグでの適正はポグバより高かったかもしれない。もはやナインゴランの破壊的タックルや強烈なボール奪取能力は中盤の壊し屋と言っても過言ではない。敵にすれば最悪だが味方にすればこれほど活躍してくれる頼もしい選手もいない。
決してパス選手やドリブルはワールドクラスではないがそのプレーの粗さをタフさで完全に補えている。華麗な司令塔や美しい中盤というイメージでは決してない。エレガントではないがその代り非常にタフで頑丈。
結局こういう選手の方がいざという試合や厳しいマッチでは非常に活躍する。逆境に強い選手と言っていいかもしれない。エレガントなパスよりも当たりのガツガツした極限の試合で確実に普通のパスを成功させる能力の方が現代サッカーや高いレベルの試合では重要。もちろんそれが両立できればいいけどその2つを兼ね備えた中盤の選手というのはほとんどいない。
そういう意味でナインゴランはまさにフィジカル系やガツガツ系ボランチの代表格。強烈なミドルシュートもあり攻撃能力も非常に高いがやはり最大の魅力はガツガツしたボール奪取能力。
同じアジア系ということも日本人が見習うべき選手であり参考になる選手の1人なのかもしれない。
華麗なセンスや凄いテクニックがなくてもあれだけタフならばワールドクラスの選手になれるという事を証明しているしテクニックがない選手は絶対に見習うべき選手。フィジカル不足と言われる日本代表のボランチに一番現れてほしいような選手。育成の参考にするべきであるし球際の強さがどれだけ海外の試合で大事かという事を示してくれる選手だ。
遺伝子的にはベルギー人とインドネシア人のハーフではあり骨格やフィジカルの部分では白人の血が流れているから単純には比較できないけどもそれでもダビド・シルバと並んでアジア系トップクラスの選手であることは間違いない。
見た目も「ニンジャ」と言われるだけあって日本人に似ている。顔は正直マー君みたいな顔してるけどプレースタイルはまさにファンキーで壊し屋。全身タトゥーで派手なモヒカンをしていて性格はマー君とは正反対だけども顔はマー君そのもの。ベルギー代表版マー君がラジャ・ナインゴランと言えるかもしれない。
信仰はカトリックらしくイーヴというカタカナのタトゥーはカトリックの意味だが、カタカナをファッションとして使ってくれるのは日本人としてちょっとうれしい部分もある。
個人的にはもっと大きなメガクラブでも間違いなく活躍できると思っていて現在世界最高のボランチの1人であることは間違いない。プレースタイル的にはビダルに似ているが、ビダルの場合南米特有のテクニックがあるのでビダルからテクニックを少し抜いてよりタフな選手にしたというイメージに近い選手。
そういう意味でフィジカルが重視されるプレミアリーグで活躍できそうだしスペインで言えばアトレティコ・マドリードはかなり向いてると思う。シメオネと組んだナインゴランとかビジュアル的にヤバい、タダモノじゃない。バルセロナファンとしてはアトレティコ・マドリードとの試合にナインゴラン出てきたら怖いし脅威だけどもナイゴランにとってベストなクラブはアトレティコ・マドリードかもしれない。寸前の所でチャンピオンズリーグを逃すことが続いているけども最後のピースとしてナイゴンラン呼んだらビッグイヤーも獲得できるかもしれない。
ASローマでももちろん最高の活躍をしているしもはやローマにとって欠かせない一番重要な選手にさえなっているけどもアトレティコに行けばより進化しそうな気配はある。
その一方で見た目同様私生活もド派手、アルコールにタバコとトップアスリートとは思えない生活を送っている。かつてガスコインがアルコールに依存していたが、現在はサッカー選手がストイックになって来ているためそういう選手は消えつつある。
そういう意味で昔ながらの素行が悪くサッカーをしていなかったら今頃どうなっていたかというタイプの選手でもある。
しかし本人は「サッカーで走っていれば肺が鍛えられるので喫煙は問題ではない」という謎理論を展開し、更に結果で示しているため誰も批判はできない。
規格外のキャラクターをプレーを両立するラジャ・ナインゴラン、これからの活躍を期待していきたい選手であることは間違いない。