その類稀なる才能が有りながら指揮官からの完全な信頼を得られず控えや便利屋のような役割を求め続けられていたイスコの去就は多くのサッカーファンにとって大きな関心事であった。
スペイン代表の至宝がどのような決断を下すのか、彼は白い巨人レアル・マドリードに留まり続けるのか否か。
そしてイスコが下した決断はレアル・マドリードとの5年契約延長と現地メディアによって伝えられている。スペインの新しい至宝は白い巨人と共にキャリアを歩むことを決断したようである。
おそらくこの決断は非常に難しい物であったに違いない。
世界最高ともいえるクラブで高額のサラリーも保障されるとなると移籍せずにとどまることが魅力的に感じるだろう。実際にイスコが今回の契約更改で提示された金額はこれまでの年俸の倍だ。確実な出場機会を求めて新しい環境に行くのかそれともレアル・マドリード所属と高額のサラリーという条件を取るのか。
しかしイスコは決して肩書きと年俸のために残ったわけではないだろう。間違いなくレアル・マドリードにおいてトップレベルの技術があり現地マドリディスタからの支持も厚い。このクラブで実力を試す勝負を決断したのかもしれない。
イスコのファンタジー溢れるプレーに心酔している者としてはフル出場の機会が得られるクラブでのプレーを求めたいが彼が下した決断ならば敬意を払うべきだろう。
またチームメイトの去就も彼の決断を後押ししたに違いない。現在ハメス・ロドリゲスが放出濃厚とされており、最大のライバルが去ることで出場は安定したものになるかもしれない。直近のクラシコでハメスを出場させたことはジダンによる最後のリスペクトだったのではないかとも推測されている。
もう時期ハメス・ロドリゲスが去るからそれまでは我慢してくれというのがジダンの本音なのか、それともイスコが憧れだと公言してきたその指揮官からの信頼を得られていないのか。今回の契約延長を見る限りその信頼の手ごたえがあったのではないだろうか。
そもそもレアル・マドリードというクラブはメガクラブであり数多くの試合をこなさなければならない。ラ・リーガ、チャンピオンズリーグ、国王杯のすべてをこなさなければならずそのすべてにおいて優勝を求められるクラブだ。
それゆえに控え選手にもワールクラスのタレントが求められており、また連戦によって怪我人の発生も考えられる。出場機会が決してめぐって来ないわけではない。
また4月に誕生日を迎えたイスコはまだ25歳になったばかりとも考えられる。25歳の選手がレアル・マドリードで絶対的ではないものの一定の出場機会を得られていると考えると決して現状は悲観するべきではないだろう。ジダン自身レアル・マドリードに選手としてたどり着いたのはもう少し年齢を重ねてからである。27,8歳の頃にこのクラブで絶対的な選手になっていればキャリアとしては上出来だ。
今すぐすべてを焦る必要はどこにもない。
新しい移籍先に絶対的な保証もなければレアル・マドリードに希望がないわけでもない。
ペレス&ジダン「イスコ君、そういうことだ。年棒倍になるしハメスもいなくなるからどうか留まってくれんかの。」
イスコ「マジっすか!これで俺の時代や!」
ジダン「俺を信じろ。ハメスに気を使う必要もなくなるからおまえを思う存分起用できる。すまんな、こういう時イイ奴が犠牲になるもんなんや。わかってくれ。でもこれからはしっかり起用したるで。」
イスコ「ジダンさん、ついていきます!」
???「よろしくニキーw」
ペレス「紹介しよう、新加入のエデン・アザール君だ」
イスコ「ファッ!?」
ジダン「すまん忘れてた。ロナウドと彼を共存させるためにフォーメーションは4-4-2にするから普段は君の席ないんや。これからも便利屋としてよろしく頼むやで」
エデン・アザール「年も近いし仲良くしようね。」
イスコ「・・・・」
来シーズンそこには青ざめた表情でベンチを温めるイスコの姿が(完)
そもそもハメス放出もまだ確定してない上に、ほぼエデン・アザール獲得は既定路線だと言われている。サイドでの突破ができなくなったロナウドを完全にストライカーとして専念させるためフォーメーションを4-4-2にしてロナウドとベンゼマのツートップ、アザールとベイル、アセンシオの両翼を採用したシステムになる可能性が大きい。
実際このフォーメーションではイスコの出場は保証されておらず、突破力と国際的なスター性ではアザールに分があるため仮にベルギー代表の10番が来た場合再びイスコは便利屋になるかもしれない。
実際の所442であったとしてもイスコが左ウィングに入ることは可能だが、マドリディスモというイデオロギーに支配されたレアル・マドリードはそういうクラブではない。第二次銀河系完成のためにペレスがアザールを呼び込みイスコはその犠牲になる可能性が高いだろう。
イスコの受難はこれからも続くのか、来シーズンもどうなるか様子を見てみよう。