elken’s blog

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久保建英VSイ・スンウ バルセロナトップチームにたどり着けるのはどっち?

メッシ、ネイマールら世界的な有名選手を要し世界最高のサッカーチームと謳われるFCバルセロナだが、そのバルセロナも今アジア人にとって雲の上の存在ではなくなっている。漫画の世界では大空翼がエースナンバーの10番を背負っているが、久保建英という存在の登場によってその話は架空の物ではなくなってきている。

バルセロナユースにその才能を認められた久保建英はスペインへその成長機会を求め海を渡った。しかしバルセロナがFIFAの規定に反したため久保建英は実戦機会を求め日本へと帰国。バルセロナユースに留まっていれば試合に出場できないため泣く泣く帰国したのだ。

しかし物語はここでは終わらない。依然として久保の才能を評価するバルセロナは18歳になったときに再び契約する意向を伝え、久保建英は再びバルセロナへと渡る機会を手にした。

将来日本人がバルセロナ所属の選手になるというストーリーはもはや漫画の世界に限ったことではなく早ければ3年後にもそれが実現すると目されている。

 

もちろんすべてが順調に行くとは限らない。

バルセロナというチームは入ってからが勝負であり現実は厳しい。これまでもカンテラという育成組織出身の選手が現れては消え、各国の有名チームから引き入れた有力選手さえも定着せず数年で去っていく光景を何度も目にしてきた。特に攻撃サッカーを標榜するバルセロナではアタッカーの人材には高額な移籍金を投じてでも獲得する為、各国リーグの得点王になる人材との競争が必至となる。

テージョ、ボージャン、ドス・サントスのようにユース年代やトップチーム昇格当初は期待されながらも結局は他チームに移籍するはめになった育成組織出身の選手も多く、悲観的な物事の見方をするならば久保建英も彼らのようなキャリアを歩む可能性が高く、「大空翼」やメッシの後継者になる可能性は現実的には高くない。

久保建英

その一方で久保建英はU20ワールドカップに15歳ながら選出された逸材でもある。既にサッカー脳は非常に高くむしろシンプルなプレーや頭脳プレーを得意とする選手であり、バルセロナが必要とするタイプの選手に育つことも期待される。

 

そんな日本サッカー界の期待の星である久保建英にライバルが存在する。同じアジアのイ・スンウという選手がおり彼もまたバルセロナユース所属であり、今回のU20ワールドカップで韓国代表として選出されている。

将来的には日本の久保建英VS韓国のイ・スンウという新時代が到来する可能性もあるだろう。南米のブラジル人がネイマール、アルゼンチン人がメッシを誇りに思いライバル対決をし切磋琢磨するように日本人は久保、韓国はイ・スンウという時代が到来すればアジアサッカーは一躍進歩を遂げるはずだ。アジアサッカーにおいて日本と韓国がこれだけ突出した存在であることはブラジルとアルゼンチンが競い合ってきたから発展してきたのと同じようにライバル対決という構図があったからである。好きか嫌いかでいうならばむしろ嫌いなぐらいの方が発展の好材料になるともいえる。

 

しかし今そのイ・スンウは急激にその成長にブレーキがかかり始めている。

韓国人サッカーファン曰く「同じ年齢の頃ならパク・チュヨンの方が凄かった」「同じ年齢のころのメッシは既にバルセロナでハットトリックをしていた」と悲観し、直近のKリーグ全北現代との練習試合ではほとんど活躍をみせられなかったようである。

実はイ・スンウはもはやユース年代の選手ではなく今年で19歳を迎える選手であり、いつまでもバルセロナユースという肩書に頼ってはいられない年齢に差し掛かりつつある。つい数年前バルサに凄い韓国人がいると話題になっていたのもはや遠い昔、現実的には伸び悩みという状況に陥っているのだ。

メッシは19歳でレアル・マドリード相手のクラシコでハットトリックを決めているが、イ・スンウはトップチームにたどり着けるかどうかは現状だと厳しい。

 

「久保建英は大したことない、将来イ・スンウがバロンドールを取る」と豪語していた韓国のサッカーファンも現状には一抹の寂寥感を覚えるだろう。実際イ・スンウのプレーは典型的なアタッカーであり「ユース年代なら凄く見える」というタイプのプレースタイルでありバルセロナトップチームが志向するプレースタイルとは異なる。はっきりと断言するのであれば有象無象のバルサユース出身選手の一人にすぎず、現れては消えてゆくタイプの選手に過ぎないというのが個人的なイ・スンウへの評価だ。

ユース年代はフィジカルの成長速度に個人差がありアジア人でも場合によっては欧州の環境でフィジカル差で上回れるパターンが存在する。

 

「アジア人はユース年代の時は欧州人よりもフィジカルで上回る」

「むしろユース年代のほうが欧州人とのフィジカル差が顕著になる」

この2つは俗説のように語られているが実際の所これは成長速度の個人差であり、上回る選手もいれば差をつけられる選手もいる、そして成人するまでそれはわからないというのが実情だ。イ・スンウはもしかしたら典型的なユース年代限定の選手であり、プロのレベルで通用する選手ではないと言える。確かにユース年代では存在感のあるプレーをしていたが技術に関しては南米人ほど規格外ではなく、フィジカルもアフリカ人レベルには育たず、インテリジェンスもそれほど高いとは言えない。

同じ韓国代表ならばソン・フンミンという選手に遠く及ばない選手になるのが現実的なキャリアと言えそうである。ここから大化けしバルセロナのトップチームの主力選手になるイメージはわかない。

 

その一方でひいき目にはなるが久保建英はプロで通用するタイプの技術やインテリジェンスがあるため、もしかしたらバルセロナでも居場所を見つけられる選手になるかもしれない。元々メッシというよりもイニエスタに近いタイプだと言われてきた久保建英が現実的にバルセロナでポジションを見つけようと思えば伝統的な4-3-3システムの前線の3枚ではなく中盤の3枚のポジションが適正だと言える。

特にインサイドハーフ、スペイン語ではインテリオールと呼ばれるポジションがふさわしく仮にバルセロナに定着するならばこのポジションで勝負する方がいいというのが自分の見解だ。

 

各国得点王クラスが務める前線の3枚で勝負するだけの攻撃力は久保建英にはないのが現状である。バルセロナは前線の3枚に強豪リーグで得点王を狙えるだけの選手を集めており、このポジションでアジア人選手が活躍することは難しい。

しかしここから成長を積めばもちろん評価は変わるかもしれない。

なぜならば彼はまだ15歳であり、高校生だ。

どういった選手にあるかはまだ試行錯誤の段階であり現状のプレースタイルや能力が全てとは言えない。そしてその試金石ともいえるのが今回韓国で開かれるU20ワールドカップである。飛び級ともいえる年齢でU20日本代表入りを果たした久保建英、そしてU20韓国代表として選ばれたイ・スンウ、近い将来アジアのサッカーを席巻するであろう2人が同じ大会に出場する姿は後にどのような評価を下されるだろうか。日韓が誇るアジアの至宝の活躍に期待せずにはいられない。

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