elken’s blog

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浦和レッズさん、無事失速し2位に転落

風物詩、恒例行事、おなじみの光景、このような言葉はサッカーにおいても存在する。どのリーグや大会にも毎度見かけるような光景が存在することがサッカーには多い。浦和レッズが序盤勢いよく勝ち上がり優勝を囁かれるも失速し優勝を逃す光景もまたJリーグにおける風物詩だろう。

 

「今季の浦和レッズは違う」と何度となく聞いたが毎度おなじみのパターンで失速し優勝を逃す、ここ最近の浦和はシルバーコレクターという言葉が似合うだろう。ある意味Jリーグにおけるエンターティナーであり、ネタ要素満載のクラブだ。「Jリーグの盟主」「ビッグクラブ」を標榜しておきながら小物っぽく負けていく、そして次の年には「今年は違う」「今年は本当に強い」と願望にも似たような事を主張し始める。彼らが本当はビッグクラブでもなんでもなく実際はネタクラブであることは浦和サポの前では絶対に口にしてはならない禁句である。

 

しかし今季の浦和レッズに関してはそんな光景に見慣れた者でさえ「ちょっと今年は違うのではないか?」と感じさせるような片鱗があった。直近のアジアチャンピオンズリーグではオーストラリアのクラブに大勝し国際レベルでも強さを発揮、Jリーグでも首位を独走し今季は浦和優勝濃厚であったことは間違いない。

 

昨シーズン、2シーズン制のシステムによって土壇場で優勝を逃しクラブワールドカップに出場できなかった悔しさを晴らすため今季は本気で勝ちに来る、そういった雰囲気が今年の浦和レッズには感じられた。

中には10年前にJリーグを制覇したチームを超えたという意見を持つ者さえ現れるほど今季は紛れもなく強かった。しかし「赤い風物詩」は裏切らない。先日の大宮アルディージャとの埼玉ダービーに負け勝ち点を取りこぼし、まさかの最下位チームに敗北という屈辱を味わう。

さらに立て続けに首位争いを演じる鹿島アントラーズとの対決にも0-1のスコアで負け、得られるはずだった勝ち点6ポイントを失い首位陥落。あっという間に「いつもの光景」に転落、無事失速し2位という定位置に返り咲いた。

 

サッカーというのは一度サイクルを失い流れを悪くしてしまうとそこからその状況を打開することは難しい。泥沼にはまったときその流れを断ち切れないことが多い。勝者のメンタリティや王者の風格があるチームはこういう状況に強く巻き返しが図れる。

しかし浦和レッズというのはもはや「負け癖」がついてしまっているチームであり、「今年も駄目か」という雰囲気がさっそく漂い始めた今のチームが巻き返せるかは疑問だ。仮にここから逆転し優勝したら「今年は本物」という評価、そしてJ1優勝というタイトルを得られるが絶望的に大舞台に弱いレッズがここから大失速を演じることのほうが可能性は高いだろう。

 

浦和レッズさん、今年もおなじみの光景を見せてくれてありがとう。

そうJリーグサポーターは思っていることだろう、やはり強いが最後は負けるのが浦和だ。今年は少し早いけどまたあの浦和が失速する季節がやってきた、1年はこうやって繰り返される。そんなことに幸せを感じるのが日本のサッカーファンであり四季折々の日本の風景がここにもまたあるのだ。

 

熱心な浦和サポーターとして知られ、来年三十路を迎える小嶋陽菜もまさか最後に優勝したときが自身が10代の時であり20代のうちに一度も優勝せずに終わるとは思ってもみなかっただろう。来年三十路を迎えるAKBを卒業する小嶋陽菜さんの為にも何とか今季は優勝してもらいたいものである。

さすがにビッグクラブを名乗っておきながら「結局優勝しない芸」を10年以上も続けていればサポーターからは愛想をつかされるのではないだろうか。もっとも、そういったファンを見るのが浦和サポーターでない立場からすると面白いのだが。

 

少々歪んだ考えかもしれないが、Jリーグというのはある意味自分のお気に入りのクラブを応援するよりも強豪チームが負けることを楽しんだほうが面白いともいえる。また降格争いも見どころだ。

いまいちお気に入りのチームを見つけられない人はそういったリーグ全体の楽しみ方をしても良いし、自分自身そういった楽しみ方をしている一人だ。

Jリーグにはサプライズがつきもので毎年強豪チームがやらかす、それがこのリーグの面白さであり、やらかしチームを見つけることがこのリーグを楽しむ方法だ。

 

上位争いで優勝目前まで勝ち進んだチームが失速し寸前でタイトルを逃す、昨シーズンは強かったチームが大スランプに陥り降格の危機にまで陥る。それどころか実際に降格してしまう。戦力が均衡しているから波乱が起き、何が起きるかわからない楽しさがある。

例えば浦和以外にも、近年無類の強さを誇ってきたサンフレッチェ広島が苦戦しており今季の降格枠はもしかしたら広島になるかもしれない。浦和が結局優勝できないことに加え広島が来季J2に飛ばされるかどうかも見どころだ。

海外サッカーならばレベルの高さが主要な目的になるが、Jリーグは実際に見に行ける事や波乱のリーグ展開が魅力であり観戦目的は異なる。

良い意味で海外サッカーと差別化ができているともいえるし、近年クラブワールドカップなどをみても実力は海外チームに接近しつつある。新興リーグゆえのカオス状態がJリーグには存在し、その黎明期を楽しむこともまたサッカーなのである。

 

今すぐどこかのサポーターにならずとも長い視野で楽しみ、そしていつの間にかどこかの熱心なサポーターになるというのがサッカー文化ともいえる。自分自身お気に入りのチームを見つける事を焦ってはおらず今は客観的な視点でリーグ全体を楽しんでいる。

どこかが負けることを楽しむのもサッカー文化であり、楽しみ方は多様だ。そういう意味でまさに浦和レッズはわかりやすい楽しみ方をサッカーファンに提供してくれており、Jリーグの盛り上がりに一役買っている。

浦和レッズさんありがとう、そう言いながら今年のJリーグも楽しませてもらおう。