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ジエゴ・コスタさん、金に釣られて案の定中国リーグに移籍

ジエゴ・コスタ中国スーパーリーグ天津権健への移籍が決まった。ここ最近中国リーグへの移籍が相次ぎ、欧州トップリーグでも通用する選手が高額なサラリーを求めて中国へと旅立っている。

その中でも今回のジエゴ・コスタは過去最高レベルで大物選手の移籍と言っても過言ではない。テベスの時は既にアルゼンチンリーグに帰国していたしジャクソン・マルティネスはやや落ち目という印象があった。

しかしジエゴ・コスタプレミアリーグチェルシーに所属しまだ20代でありこれから円熟期を迎え、いくらでもビッグクラブからのオファーがあるワールドクラスのフォワードである。少なくともフォワードやストライカー、点取り屋としてはチャンピオンズリーグ上位を争うチームの中核に据えてもおかしくないレベルでありこのポジションに置いては世界のトップ10を争う選手だ。

もうジエゴ・コスタのような選手までが欧州ではなく中国スーパーリーグを選ぶ時代になっているのかということに中国リーグの驚異的な成長を感じずにはいられない。

また天津権健というクラブにはヴィツェルやパトも既に所属しておりラーメンや中華料理のイメージしかなかった「天津」というワードにジエゴ・コスタヴィツェル、パトのイメージが付加されたことに意味はあるだろう。

 

それにしてもこの天津権健、典型的な金満補強クラブである。

加えてまるでクラブの体質に比例するかのようにそこにやってくる選手も典型的なお金目的のサッカー選手だ。

ベルギー代表のヴィツェルユベントスからオファーがあったものの、「家族を支えるために移籍した」と語り、ヴィツェルの家族を支えるための募金をしよう」という皮肉めいたプロジェクトまで立ち上げられた。

更にパトも「今はお金のために移籍する時代」と率直に語り仕事としてサッカーをするために中国に転勤している。また同郷のオスカルも「正直に言ってお金の為じゃなかったらそもそもブラジルから移籍してないよ」と語り欧州トップレベルで才能をさらに開花できたであろう選手が早々と中国スーパーリーグへと旅立っている。

ジエゴ・コスタ

そして今回移籍したジエゴ・コスタだが、彼に関してはもう案の定としかいいようがない。よくアイドルグループで「次に脱退しそうなメンバー」という予想があるのだが、ジエゴ・コスタはいわば「次に中国に移籍しそうな大物選手」の筆頭候補として以前から囁かれており、案の定金に釣られて移籍したという格好になる。

元々ブラジル出身であり二重国籍としてスペイン国籍も選べたためブラジル代表とスペイン代表の選択が可能だったが、ワールドカップで優勝できそうという誘惑につられてスペイン代表を選んだのがコスタである。なおスペイン代表はグループリーグ敗退、ブラジル代表はベスト4という結果になり、その後スペイン代表からもほとんど招集されなくなっている。

 

ブラジル人選手はお金にシビアでお金さえあればどこのリーグにも行くという選手が多く、近年はそう言ったブラジル人選手の金満リーグへの移籍が相次いでいる。いや、もはやこれはJリーグ創設当初にも見られた伝統であろう。彼らはお金のためにやるから高いクオリティのプレーを発揮することができる。

 

そういった典型的ブラジル人サッカー選手がまさにジエゴ・コスタであり勝利のためにはラフなプレーやずる賢いプレーもいとわず、貧困から成り上がり勝つためにはあらゆる手段を尽くすタイプの選手だ。

生業としてサッカーを行い、ストリートから這い上がった一昔前のブラジル人サッカー選手のイメージがコスタにはある。そういったリアリストがジエゴ・コスタであり自分自身そういったジエゴ・コスタに惹かれていた。良くも悪くも利益にシビアであり、ストリートの香りを感じさせるゴールハンターという事に生命力の高さを感じアトレティコ・マドリード時代から「こういう生命力の高いセンターフォワードはかっこいい」とむしろ尊敬さえしていた。生きるためには手段を選ばず度胆を抜くようなことをする、サッカーがなければ今頃懲役30年ぐらいの刑を受けていただろうというようなところが魅力なのである。

サッカーというのはそういった無茶苦茶なわけわからない選手が現れるから面白く、そういう人間にも居場所があるのがこの世界だ。底辺の生活や貧困から成り上がり勝つためには時にずる賢い小細工もする、そういった綺麗ごとでは語れないところに面白さがある。ダイブ行為、トラッシュトークマリーシア、それもまたサッカーなのだ。平和が保障され、先進国の生活に恵まれた立場からするとそれらは恥ずべき汚いプレーに見えるが、銃撃戦が起こっていることを知らせるアプリが大量にダウンロードされるブラジルという国では綺麗ごとで語れない現実がある。

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そう言った国で生き延びて成り上がり欧州でプレーするようになった人間は、元から恵まれた環境にある選手と違いサラリーにシビアだ。「お金に釣られる」ということを蔑んで生き恥のように語る人もいるが、むしろこういったリアリスティックな考え方に尊敬の念を抱かずにはいられない。 

 

そういった「お金のためにやることの何が悪い?」と開き直るぐらいのメンタルの強さはむしろ日本のサッカー選手に欠けているかもしれない。お金のためにやるからクオリティやレベルは高くなり、お金が絡まなければクオリティは下がる。お金のためにやるから素晴らしいプレーが提供できるし、それでファンが喜ぶ。そして経済も活性化し、世の中が盛り上がる、恥じるべきことではなくむしろ素晴らしいことだ。

 

単に美しい夢としてサッカーを考える選手と、お金や自分の人生、そして家族のためとして過酷な現実を背負いサッカーを生業ととらええる選手ではモチベーションが決定的に異なる。日本だけでなく欧州の国もまた「決定力のあるストライカーが現れない」と嘆いているが、南米人のこういったリアリスティックな側面にもしかしたらヒントがあるのではないだろうか。

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