elken’s blog

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柴崎岳、ついにスペインの地でゴールを決める!

情熱の国スペイン、その地で戦い続ける柴崎岳がついにゴールを決めた。リーガ・エスパニョーラ2部とはいえまだ1部昇格の可能性もあり、チーム自体の昇格が不可能だとしても契約の関係上個人昇格もありうる、その状況でこの1ゴールの持つ意味は大きいだろう。

サッカーは一度ゴールを決めるとメンタルの流れが大きく変わる、このゴールがこれから浮上するきっかけになるかもしれない。

 

しかし柴崎岳のスペイン挑戦におけるこれまでの道は決して楽な道ではなかった。

クラブワールドカップレアル・マドリートと激闘を戦った柴崎は以前から憧れだったスペインに旅立つが契約は順調には進まず2部チームとの契約を結ぶことになる。それもスペイン本土ではなく実質地理上ではアフリカに近いカナリア諸島に本拠地を置くテネリフェであり、当初は食事や水と相性が合わず胃腸炎にも苦しみ実質的な引きこもり状態が続きネット上では散々ネタにされていた。

外出しただけで「クララが立った」並の扱いであり、もはや日本のサッカーファンは柴崎を引きこもりの青年のようにさえ見ていたのだ。「世界一サッカーの上手い引きこもり」とさえ揶揄され、練習に参加したときはまるで数か月学校に行っていなかった人が久しぶりに学校に登校したような騒ぎであった。一人で外食している姿を撮られ、チームにも馴染めていないのではないかとさえ心配されていた。

元々日本でもクールなキャラだった柴崎が陽気なスペイン人の集団に混ざることなどそもそも無理だったのではないかと多くの人が諦めかけていた。

 

しかし柴崎岳はその遅れたスタートダッシュをものともせずに復活を遂げる。途中出場、スタメン出場、不動のスタメンと徐々にグレードアップしていきもはや今では「ひいき目なしでチームで一番上手い選手」との評価をされるようになっている。

そして今回自身の誕生日の日にスペイン初ゴールを決めいよいよ反撃の狼煙を上げた格好だ。

ワイは信じ取ったで柴崎はん!と思わず言いたくなるほどこのゴールは自分にとってもうれしい物であり、これまでの過程を知っているだけのこのゴールの意味合いの大きさがわかる。

 

ある意味柴崎岳という人間は自分にとって常に先を行く人間であり、目標とする人間にはかっこよくあってほしいという思いもあった。青森山田時代の高校サッカー選手権の選手紹介の映像で「将来の夢はJリーガー」と言っている姿を見てとてつもないコンプレックスを抱いたのが最初の印象だ。

 

ライバルというととてつもなく差があるし比較対象にさえならないが、そこから「これくらい進んでいる奴がいる、いつか追いつかないといけない」という思いは持ち始めた。

その後も鹿島アントラーズで新人賞を受賞したり更にクラブワールドカップレアル・マドリード相手に劇的な2ゴールを決めて「やっぱり柴崎すげぇ!」と常に思い続けてきた。そしてその後自分もサッカー選手としてではないがいずれは行きたいと思っているスペインに移籍するものだから、差が縮まるどころかさらに差を広げられて格の違いを見せられ続けてきた。

常に自分の何百歩も先を歩み続けてきたのが柴崎岳という存在である。

高校サッカー選手権の時にテレビで見た柴崎岳の大きさは、今も自分にとって変わらないどころかむしろその差は更に大きくなっている。

 

ただそれはうれしい思いでもあり、柴崎が活躍することがうれしいし自分がその姿に刺激を受けているし自分の中だけの隠れたライバルみたいに思ってもいる。向こうは自分のことを知らないだろうし、一方的にライバル視しているだけだが「その内スペインに行くから待ってろよ、ちゃんと俺が行く時にもスペインにいてくれよ」ぐらいの思いで密かにスペイン語を勉強していたりもする。

 

そして今回ゴールを決めて、次にチームとしてもしくは個人として憧れのリーガ・エスパニョーラ1部への移籍へとまた一歩近づいたことになる。一時は「最速Jリーグ復帰記録を作るのではないか」「もう鹿島にはポジションないから浦和行きだろうな」「Jリーグで王様になる方がよかった」と言われていたが、そこから復活しこの情熱の地にしがみつきスペインで着実に新しい道を歩み始めている。

それは非常に感動的な姿であり、やはり柴崎岳はこれぐらいかっこいい存在でなければならない。

「スペインで柴崎岳は通用しない」と言われていて、実際そうなりかけたのも事実だ。Jリーグ復帰は既定路線であり、やっぱりだめだったと帰ってくるのではないかと多くの人が思っていた。「柴崎岳はスペインで通用する」と思っていた自分でさえ徐々に不安になっていたが、その不安を振り払うのが今回のゴールだ。

生ハムカットで素晴らしいスキルを見せたが、それに続き今回はシュートでも素晴らしいスキルを見せた。

しかしまだこのストーリーは序章に過ぎないだろう。

柴崎岳はここで終わるような人間ではない。

まだスペインでキャリアは始まったばかりであり、カナリアの太陽にように明るい未来がこれから待っているだろう。