elken’s blog

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レアル・マドリードがCL史上初の連覇を達成

2016-2017シーズンのチャピオンズリーグはレアル・マドリードが大会史上初の二連覇を成し遂げ幕を閉じた。

今現在最高の攻撃力を兼ね備えるレアル・マドリードとこれまでこの大会すべて合わせてたった3失点しかしていなかった鉄壁の守備を兼ね備えるユベントスが激突したときにどのような結果になるかはまさに「矛と盾」として興味深い対決だった。

おそらく拮抗したい試合になり両者の攻防が続きスコアレスドローで延長戦になるのではないかとさえ自分は予想していた。

 

しかしその予想とは全く正反対の結果となり、レアル・マドリードの圧倒的な攻撃力によって試合は4-1という結果になり、レアル・マドリードによるどのチームも成し遂げたことがない史上初の大会二連覇が決定した。

 

正直な感想を述べるのであればこんな不愉快な朝もないだろうという程の朝を迎えなければならないことに残念な思いがある。ここ数年でレアル・マドリードがCL決勝で勝つ姿を3回も見せられていることはバルセロナファンとして非常に不愉快極まりない。

毎度のことながら負けを祈って観戦するが必ず彼らはUEFAチャンピオンズリーグのビッグイヤーを勝ち取ってしまう。

彼らはあまりにも決勝に強すぎる。

途中から試合を見る気もなくした程に彼らは圧倒的だった。

 

その一方でユベントスがあまりにも期待外れ過ぎた。

サッカー界で有名なフレーズを応用するのであれば「ユベントスに期待した僕が馬鹿でした」となるだろう。レアル・マドリードの二連覇を阻止できるのは最後の砦ユベントスなのではないかと期待していたがまさか4-1になるとは思いもしなかった。

マンジュキッチのスペシャルなオーバーヘッドゴールで試合を振り出しに戻し前半を終えたときは「これがユーベの堅実なプランだ」と思ったが、マドリーは彼らを上回っていた。

 

カゼミロのミドルシュートでコースが変わりブッフォンが止められなかったときにまさに命運は決まったのだろう。それまでのユベントスの守備も攻撃も良く同点で延長戦やPK戦に備える長期戦のプランも考えることができた。

しかし不思議なことに、いくら良い守備をしてもボールが相手に渡ってしまいそのボールを相手選手がシュートできてしまうことがある。カゼミロはそのチャンスを逃さずミドルシュートを打ち、ユベントスの選手に当たりコースが変わりさすがのブッフォンで求められなかった。

打てば何かが起こる、それがまさに起きた。

こういった何気ないプレーや細部に運命を変える魔物が潜む。元々1点目のゴールの時もボヌッチがわずかな差でボールをクリアできず得点を許していた。

改めてサッカーとはこういった細部に大きな差が潜むということを感じさせられた。ユベントスが戦力で上回るレアル・マドリードに勝利するならばこういった細部を突き詰めて完璧な試合運びをするしかなかったが、試合運びの面で上回っていたのはむしろレアル・マドリードの方だった。

 

結局のところユベントスに自身と本気で競い合うライバルチームが国内リーグに存在しなかったことが、本当に拮抗した試合での差になったのだろう。この決勝戦を見て率直に思ったことが「このようなクラブが6連覇もできるリーグが本当にトップリーグとして扱われているのか?」という事であり、正直セリエAのレベルについては疑問符のつく試合であった。

むしろこのレアル・マドリードに直接対決で勝利したバルセロナが真の王者なのではないか、そしてやはりリーガ・エスパニョーラは世界最強リーグだと言えるだろう。

 

ユベントスはここ数年で二度もスペイン勢に決勝で圧倒されており、今回「20年に1度の大チャンス」として挑んだがこれもスペイン勢に阻まれた。一度1-1に持ち込むが結局差を見せつけられて敗戦するさまは数シーズン前のバルセロナ戦と酷似する。

ここで逃せばもう20年はチャンスがやってこないだろうという重要な試合でユベントスは勝ちきることができなかった。やはり守備から入り守ることしか考えていないチームはその守備を上回る攻撃力を持つチームに敗れ去るのだろう。今回客観的に見たとしても明らかにレベルの差は感じた。

レアル・マドリードに対して批判的な目線で見る者ですら今回は彼らの勝利に納得せざるをえなかった。

そして言うまでもないことだがこのチームに今シーズン直接対決で勝っているのはバルセロナであり、今シーズンの「実質優勝チーム」はFCバルセロナであることだけははっきりとしておきたい。

 

また今回「真の主人公が誰なのか」ということも明らかになった。

クリスティアーノ・ロナウドとイグアイン、一体何が違うのだろうか。

1ゴール目のロナウドの小学生男子のようなパフォーマンスは「これはカマセ役になるフラグだろう」と思ったらそのまま主人公になるのだから凄い。そのあとマンジュキッチに同点ゴールを決められて少し余計なパフォーマンスをしたロナウドが痛い目にあうだろうと思っていたら勝ち越しゴールを決めてしまうのだから彼の主人公補正はもはや別格だと言わざるを得ない。

 

クリスティアーノ・ロナウドはそれまでほとんどの局面で消え、ただひたすらゴール前に張り付きオフサイドラインと駆け引きしているだけで何もしていないと思っていたがなぜかゴール前に現れて重要なゴールを決めてしまう。

一方ゴンサロ・イグアインはこれまで何度も指摘されていたように案の定決勝戦での弱さを発揮してしまった。普段は厳しい試合でも重要なゴールを決めるストライカーなのに決勝戦だけは絶望的に弱い。

相変わらずいつものロナウドであり、いつものイグアインだった。主人公になり結局得するタイプと、結局負けて損をするタイプ、その明暗がくっきりと分かれた試合でもあった。

個人的にはそんな哀愁漂うイグアインのほうに共感できるのだが、サッカーの世界とは光の当たる者と光の当たらない者が存在し、これもまた勝負の世界だと言える。

笑う者あらば泣く者あり、これもまた勝負。

いずれにせよ長期戦を戦い抜いた末、最後の一試合まで高いインテンシティの中で互いに真剣に競い合ったこの試合はサッカー史の一つとして刻まれるだろう。

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