中島健人は自分のような面倒なファンがいることをどう思っているだろうか、まさか自身が出演する地上波向けバラエティでの活躍を綿密に採点しているマニアがいるとは思いもしないだろう。
Sexy Zoneの中島健人と言えば「林先生が驚く初耳学」に出演しており、自分自身中島健人きっかけでこの番組をここ最近は毎週欠かさず見ている。
「自分の好きなジャニーズがどれほど活躍できるか」という目線で見ており、まるでACミランの試合を本田圭佑がどれだけ活躍できるかという感覚でこの番組を見ている。
本田がACミランで出場していた時は毎週の週末にその試合を楽しみにしていたが、今自分の週末の楽しみと言えば「初耳学でケンティがどれだけ活躍できるか」となっている。
まさか中島健人本人はこんな面倒なファンがいることなど想像してもいないだろう。しかし、ジャニオタというのは傍から見ればよくわからない部分に着目してそこを熱心に見ている物なのである。
逆に言えばそういった部分にも注目しているファンがおり、頑張ったことは決して無駄ではない、どんな挑戦も見ている人はいる。ジャニーズファンは後ろで懸命にバックでダンスをしているジャニーズjrのパフォーマンスすら熱心に見ている。
そう考えたときむしろ地上波の有名番組にレギュラー出演できていること自体がありがたい事であり、活躍できなくてもまずこのレベルの番組で出演できていること自体が素晴らしいことは間違いない。
本田圭佑がACミランの試合で活躍できなくても、まずACミランで出場できていたことが素晴らしいのと同じであり中島健人が地上波の有名番組に出演できていることはそれだけでまず素晴らしいのである。
そういった視点で見た場合、先日6月11日に放送された初耳学は中島健人のポテンシャルを十分に発揮できていなかったオンエアとなった。やや厳しめな採点だが今回の日曜日の中島健人は100点満点中60点と言ったところだろうか。
「中島健人はもっと活躍できる」と思っているがゆえのやや厳しめな採点である。
今回のオンエアの見どころと言えば唯一中島健人が林先生に対して初耳学のチャレンジをしたことであり、「山手線が元々は平仮名の"の"に近い形をしていたかを知っていますか」という挑戦だった。
しかし今回の林先生はまさに得意分野の「山手線」について話しており、この分野ではほぼ勝ち目がない。
「出題範囲を決めた問題にはめっぽう強い」、そう豪語する林修は今回も圧倒的な強さを見せつけロンブー淳が「かなりエグい出題」と評する問題にも楽々答えていた。
Q:東京山手線には唐辛子を使った直火鍋のお店があるが、哺乳類で唐辛子を積極的に食べるのは人間だけである。しかし動物界には唐辛子を良く食べる生物がいる、それは何か。
A:それは鳥類であり、鳥類は辛み成分を感知せず歯もないためほぼ飲み込む、これは唐辛子サイドとすればありがたい。
文体に少し変更はあるが基本的にこのような問題が繰り返され、意表を突いたような問題が提出される。
そしてそれにもかかわらず林修という「強敵」はそれをなんなくクリアする。基本的に林修をインテリジェンスで上回り打倒しようとすればそのジャンルの専門家でなければ分からないような問題でしか不可能であり、常識的な問題では打ち勝つことができない。
要約:お林がめちゃくちゃ強い
実際今回のオンエアでも唯一林修に打ち勝った問題は「踏切の音と光のタイミングが違うのはなぜなのか」という問題であり、「山手線唯一の踏切がある場所」という問題から大政絢が無理やり関連付けて出題してきた難問だった。
ちなみにこれの答えは「回線が違う事でいざという時にトラブルが起きても対応できる」という事情があるかららしく、音が停止しても光では電車が来ていることを伝えられ、逆に光が停止しているときは音で伝えられるからという事情が存在する為だと解説されていた。
この問題に勝った時の大政絢の畜生スマイルもまた見どころである。
林先生の初耳学の見どころ=林先生が間違った解説をして大政絢が畜生スマイルをするシーン
お林が解説間違えたときの大政絢の心の底から嬉しそうな顔は一見して損はない。
あとはやはりロンブー淳は流れの中で発言する能力がめちゃくちゃ高い。この能力をジャニーズに求めるのは酷だけども実際一般バラエティで生き残ろうと思ったらこれぐらいのタレント能力がなければ厳しい。
ジャニーズに限らずアイドル共通の問題として自分たちのホーム番組以外に出演したときのおもしろさというのは課題になることが多い。
しかし今回の中島健人は決して消極的だったわけではない。
ワイプを見たときむしろ積極的に発言しており、単にその発言が使われていないだけという状況に近かった。良い発言は間違いなくしているのにその発言が使われない。
何かを言っているのはわかるが、読唇術の専門家でもない自分にはその発言がわからない。
「林先生が驚く初耳学」はSexy Zone中島健人を大事にしてくれており、前回、前々回の放送でもロケ映像を放送してくれていた。決してこの番組が中島健人をジャニタレだからと冷遇しているようには思えないどころかむしろレギュラーメンバーとして大切にしてくれている。
なぜ中島健人の発言がオンエアで使われないのか。
今回ワイプ音声でもほとんど使われておらず、相性のいい比嘉龍二(りゅうちぇる)との絡みも特にオンエアされなかった。
もしかしたらその発言の質がわざわざオンエアする必要がない領域のものなのだろうか。出演者を平等に扱わなければならない地上波番組で一人の出演者を露骨に優遇してしまえばそれは不自然になる。
つまり発言機会が少ない中、わずかなチャンスで面白いことを言わなければオンエアでは使われない。積極的に話してもそれが番組の流れ上面白い発言でなければオンエアされずその発言は埋もれる。
少ないチャンスでなおかつ面白い発言をしなければならない。
まるでボールがやってくるチャンスが少なく、限られたボールタッチの中で輝きを見せなければならなかった本田圭佑と同じように、今中島健人は数少ないチャンスの中で存在感を見せなければいけなくなっている。
発言すればすべてがオンエアで使われるわけではない、そういった難しさがある。
これが地上波一般番組の"アウェー"の環境である。
そしてこれはジャニーズ、そしてジャニーズファン共通の問題でもある。
自分の担当ともいえるメンバーが出演している番組で、どれだけその本人が活躍できるかということには常に興味が行く。
傍から見ればわけのわからない部分に注目しているように見えるが、これは結構ファンとしては重要な問題でもある。
シュートを果敢に打つだけではなかなか入らない、しかしシュートを打たなければそれは消極的だということになる。積極性と質の領域を高い次元で両立できなければ地上波番組では活躍できない。
ジャニーズに限らず芸能人は皆この問題と戦っている。
いずれにせよ中島健人がこの番組でいい経験を詰めていることは間違いない。まだ中島健人のキャリアはこれから長い。この番組でのさまざまなチャレンジをしたことは後々に何かの局面で役に立つ時がやってくるはずだ。
一般地上波番組というアイドルにとっても最も難しい環境で試行錯誤したことは後々に必ず反映される伏線となる。
「どういったコメントが使われるのか、使われないのか」ということを学べばその発言はさらに洗練されるようになる。そしてそのことはわざわざ自分のような面倒なマニアが言うまでもなく本人が一番理解しているだろう。その試行錯誤を自分だけでなく、多くの中島健人ファンやセクシーゾーンファンが見ているしオンエアで使われないことは決して無駄ではない。
中島健人がその優れた発言センスをさらに洗練させれば誰も想像がつかないような"ヤバスティックパイナポー"な領域に差し掛かるかもしれない。