elken’s blog

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バルサはコウチーニョを獲得して何がしたいのか?

ブラジル代表コウチーニョのバルセロナ移籍の可能性が大きく取りざたされている。ネイマール移籍報道に加えて、次はコウチーニョ移籍騒動がバルセロナ界隈のトピックとなっている。

 

どうやら100億を上回る移籍金を投じで本気で獲得を目指しているらしく、移籍が成立する可能性は非常に高いとされている。

リヴァプール側は今やチームの象徴となりつつあるコウチーニョを留めたい意向だが、本人の意思とバルサ側の本気度によっては認めざるを得ない状況になるかもしれない。

 

この移籍には主に背景として2つの事情が存在する。

・マルコ・ヴェラッティの獲得難航

・ネイマールが退団する可能性

まずイタリア代表マルコ・ヴェラッティに関してはPSG側が非常に強硬な態度を取っており、本人の意思に反してこの移籍は難局に突入している。

正直は話で言えばバルセロナもバルセロニスタもやや諦めムードにもなっており、次なるターゲットを探しているのが現状だ。

 

次に最近非常に話題となっているネイマールjr退団の可能性であり、今回は無事残留の方向に向かっているが1,2年後同じような状況を維持できるとは限らない。バルセロナにおける不穏分子になる可能性も否定できないネイマールに今後クラブの命運を託し続ける事はリスキーな事である。

そのため多くのポジションでプレーできる上にネイマールの代役も務められるコウチーニョに白羽の矢が立ったというのが大きな流れになる。

更にネイマールとプレー面でも人間性の部分でも相性も良く、ダニエウ・アウベスが去った後のブラジル人仲間という役割も果たすことができる。

 

まずこの補強に関して自分は素直に良い補強だと感じた。

ネイマールと相性が良い事はブラジル代表においても証明されており、双方フットサル経験者でもあるため芝の上でフットサルのようなプレーをする姿が見られるかもしれない。まるでフットサルを見ているようなシーンが今後バルセロナでも見られるのではないか。

コウチーニョのプレーを見れば明らかにフットサル経験者だということがわかるほどに、そのプレースタイルには特徴がある。

 

バルセロニスタの間で人気の補強候補としてデンマーク代表エリクセンが上げられていたが、リーガ・エスパニョーラで通用するようなテクニックという意味ではコウチーニョに分がある。エリクセンはバルセロナの伝説的選手でもあるミカエル・ラウドルップを彷彿とさせ熱望する声も多かったが、バルサやスペインサッカーに合うという意味ではコウチーニョの方が適正があるかもしれない。

コウチーニョまでチームに加われば前線が南米人選手ばかりになるが、バルセロニスタは創造的でテクニカルな選手を求めるためプレーが披露されれば誰もが歓迎するだろう。また最前線MSN南米トリオと相性が良いのはむしろそのポテンシャルを最大限に引き出す可能性も秘めている。

MSNから「南米ファンタスティック4」に進化すればレアル・マドリードから覇権を取り戻すことができるかもしれない。

 

またリヴァプールからの移籍といえばそのMSNのルイス・スアレスは非常に大きな活躍をし、期待以上の選手に成長した。

ルイス・スアレス移籍当初にバルセロナファンが言っていたこととして面白い物があり「アーセナルは大したことのない選手ばかり送りつけてきて文句ばかり言うがリバプールはそんなことをしない」というのが印象に残っている。

かつて三兄弟と呼ばれた縁もあり、バルセロナとリヴァプールは友好関係を築けている。

 

仮にコウチーニョがアーセナルの選手ならば不安しかないが、リヴァプールというのは好印象でもある。

バルセロナは今回移籍金を少し下げようとしているが、今後リヴァプールとの良い関係を維持するためにも要求通り満額違約金を支払ったほうが良いのではないだろうか。

バルセロニスタはアーセナルとリヴァプールならば圧倒的に後者の方が好きな人が多い。おそらくアーセナルサポーター側もバルセロナの事を好きではないはずだ。

シャビ「アーセナルはアンチフットボール」

ベンゲル「シャビは敬意を欠いている」

 

普段バルセロナの真似ばかりしているが、直接対決の時はアンチフットボールに徹するのだから哲学や美学のカケラもないのが彼らである。

そんな万年4位のクラブとは違いリヴァプールは優雅であり品格がある。仮にリヴァプールからの移籍が実現するならばコウチーニョはスアレスのように活躍できるかもしれない。

 

しかしここまでポジティブな予測ばかりしてきたが、唯一不安なのが本当にコウチーニョとMSNは共存することができるだろうかという事だ。

仮にメッシ、スアレス、ネイマールと共にコウチーニョを起用するのであれば4-3-3のインサイドハーフに配置されるのだろうか。それができるのかという不安もあり「イニエスタのような役割ができるはずだ」という考え方をカンテラ出身選手以外に期待することは難しい。

 

似たような例で言えばアルダ・トゥランのケースを想定する必要があるかもしれない。

自分はかつてアルダ・トゥランの移籍が決まったときに非常に大きな期待を寄せていたが、現実にはそれほど大きな活躍はできず毎年退団の可能性が取りざたされている。

バルセロナのインサイドハーフは非常に特殊でそう簡単に適応できるポジションではない。現にトゥランはインサイドハーフとしては適応できず、主力選手になることはできていない。バルセロナでトゥランが最も向いているポジションは前線のフォワードだが、ここにはもちろん有力な選手がいるためどの場所でも定位置を確立することができなかった。

 

もしかしたら今や中盤の能力を覚醒させて円熟期に差し掛かりつつあるメッシが中央からこの南米3人を操るプランもあるかもしれない。

いずれにせよポジションという概念にとらわれず南米4人が自由自在にプレーすることは想像に難くない。

コウチーニョ

仮に移籍が成立した場合バルベルデ新監督は、この豪華な南米4選手をどう起用するのかは興味深い。レアル・マドリードでジダンが行ったようなスター選手のローテーション路線を選ぶのか、それともアンチェロッティのように起用できる有力選手は全員共存させるという路線で行くのかは見どころとなる。

 

バルセロナならば浪漫重視で南米選手4人の同時起用に取り組んで見てほしくはあるが、移籍すら確定していない状況ではまだ時期尚早の予想ではある。

アンチェロッティ時代のディ・マリアのような起用法はヒントになる可能性があり、FIFAのようなゲームの中でしかできないというわけではないはずだ。

 

またMSNもシーズン通して常に万全ではないため、いざという時は最前線に加われるコウチーニョの存在は心強く、レアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘンのようなメガクラブと対等に渡り合うには同様の充実した戦力が必要になる。

ネイマールの残留の可能性が高くなり、コウチーニョまで移籍するかもしれないという展開は数日前とは大きく状況が違う。

期待をして夢を見るというのはシーズン前の特権でもある。

"南米ファンタスティック4"を要した新生バルセロナが再びサッカー界を席巻することを期待したい。