アジアでのマンチェスター・ユナイテッド人気を思わぬ男が証明することになる、今世間を騒がせている北朝鮮の第一書記である金正恩だ。
「カリアゲ君」ともあだ名される北の危険な指導者と見られているが、実はバスケやサッカーが好きな普通の青年でもある。
日本で言えば嵐の二宮和也と同学年という若さであり、政治家としては日本ならばつい最近国会議員の被選挙権が与えられた若手に過ぎない。
おそらく北朝鮮がこれだけ暴走しているのは金正恩の支持ではなく、朝鮮労働党幹部が主導していることで本人も何が起きているのか把握していないのではないだろうか。
週末はプレミアリーグの試合を見て一喜一憂しているどこにでもいる青年だ。
年齢で言えば冷戦の記憶もあいまいなはずで、リアルに「冷戦、何それおいしいの?そんなものより今日は冷麺にしようぜ」とすら思っていそうだ。
同じアジアの指導者としてサッカー好きと言えば中国の習近平が知られる。クン・アグエロと写真を撮っていたためもしかしたらマンチェスター・シティが好きで中朝のトップでマンチェスターダービーを観戦すればアジアも平和になるかもしれない。
いくらこれだけ北朝鮮が暴走しても一昔前までの不気味さを感じないどころか、むしろお茶目に感じてしまうのは彼らの策略だろうか。
カリアゲ君がお茶目すぎて危機感を持てないのか、それともそんな騒ぎ立てるほどの事でもないのか。
金正日が実は日本の映画が好きだった時でもまだ不気味さはあったが、金正恩はなぜか威厳が無い。
日本で言えば、父親が急逝して「明日から社長してください」と任されるようなものであり中身はガチガチの冷戦期すら知らないお坊ちゃまなのだ。
天国の金日成(=金正恩の祖父)「ワシがそのくらいの年齢の時はバリバリ日本軍相手に武装闘争やっとったんじゃがなぁ。何がマンチェスター・ユナイテッドじゃ。」
そんなことを言っても顔は若干櫻井翔風味で、年齢はまだ二宮和也と同学年の青年なのだ。
マンチェスター・ユナイテッドのイブラヒモビッチとも同学年であり、まだ現役でサッカー選手をしていてもおかしくないような年齢なのだから驚きだ。これで一国を統率することは難しくて当たり前なのかもしれない。
そんな北朝鮮の代表とは2017年に東アジアカップで日本代表が激突する。
欧州のメディアは「あの日本と北朝鮮が本当に戦うことになった」と驚いているが、正直日本のサッカーファンの感覚としてはそこまで北朝鮮と試合することに緊張感も無いのが実態なのではないだろうか。
スペインメディアの記者に伝えるならば「クラシコのほうがよっぽど緊張感あるぞ」と言いたいぐらいに、北朝鮮との試合は今の時代そんな身構えるほどのものでもない。
ザックジャパンの無敗記録が止められたときの北朝鮮との試合は少し緊張したし、それまでの北朝鮮代表は不気味だったが、最近ではもしかしたら感覚が麻痺しているのかもしれない。
むしろ韓国代表と試合する方がよほど緊張感があるというか、サッカーに関して案外クリーンなのが北朝鮮でもある。
それで言えばそもそもミサイル問題や核兵器問題も、慣れ過ぎて言う程緊張感が無い。向こうもただアメリカに攻撃されないために核武装しているだけで本気で日本を攻撃しようとも思っていないように見える。
そもそも北朝鮮本国の人民はそこまで日本が嫌いではないというか、アメリカや韓国のほうがもっと嫌いなためそこまで日本を意識していないというのが現状だ。
「最近北朝鮮の不気味感無くなってるよなぁ」と謎の寂寥感を覚えているマニアックな人は自分以外にもいるのだろうか。
やっぱり北朝鮮の不気味感やレトロ感がなくなったのは映像がクリアになりすぎたからなのだろうか。北朝鮮がフルHDで軍事パレード撮影してたらなんか違和感あるよなぁ、と。
北朝鮮が核兵器開発に軍備を一点集中するというのはサッカーでいえばある意味「アンチフットボール」のようなものだと自分は考えている。
すなわち基本守ってカウンターでゴールさえ取れれば負けはしないという考え方だ。
アメリカ軍が正規軍をしっかり揃えて新型の通常兵器を開発し製造するというのは、いわばビッグクラブにしかできないポゼッションスタイルだ。
朝鮮人民軍の兵器があれだけ旧世代のものが多いのは、もう通常兵器での武装はあきらめているという事でもある。
頑張ればもう少し新しい物にはできるが所詮韓国軍に追い付かないレベルにしかならない。それぐらいなら核兵器とミサイルに特化したほうが効率がいいと彼らは考えている。
ある意味現実主義路線に走っているのが北朝鮮軍で、"コスパ"の良い軍事力を兼ね備えているとも見れる。
天国の金正日「息子よ、ワシが懸命に作り上げた核保有国という遺産を引き継ぐんじゃ。」
かつて毛沢東が中国を核保有国の大国として自国を躍進させたと評価されているように、金正日の歴史的評価はもう少し様子を見る必要があるだろう。
弱小チームでもアンチフットボールならビッグクラブに勝つことがある。
負けずに引き分けで追えれば上出来、そういう考えで彼らは核兵器やミサイルに全振りしているようなところがある。
ビッグクラブに負けないためのサッカーのような感覚で北朝鮮は大国に負けない弱小国ならではの戦略を確立したともいえる。
一旦核を持って粘り強く既成事実化すれば弱小国の独裁政権でもアメリカに対抗できる、少なくとも負けはしないということを示したのが北朝鮮だ。
たまに謎の地方クラブがビッグクラブに引き分け以上で終えることがあるが、まさに北朝鮮はサッカーでいうならばそんな国なのかもしれない。