目前に迫るワールドカップに向けて各国がしのぎを削っているが、その中でも今最も絶好調なのがスペイン代表だ。
前回大会ではグループリーグ敗退に終わったが、そこからロペテギ新体制の下、見事に復活を果たし今大会の優勝候補と言えるチームにまで仕上がっている。
今のスペイン代表は組織力が非常に高く、世代交代にも成功し4年前を上回るチームにまで洗練されている。
そして今回行われたアルゼンチンとの親善試合では6-1と大勝を収め勢いのあるチームを印象付けている。
ただしこの試合を批評する前にまず留意しておかなければならないのは、今回リオネル・メッシという中心的選手が不在だったことである。更にメッシに次いで戦術に対する影響力の大きいディ・マリアも不在であり、ベストメンバーだったとは言い切れない。
しかしながらそれでも、6-1の大勝は見事であり、アルゼンチン視点では危うく「B7AZ1L」スコアにされかけたことは不安な要素だ。
指揮官サンパオリによってチームの現代的な改革が進んでいるが、メッシが不在ならばこれほど無力になるという事は改善しなければならないだろう。
個人的な話をするのならば、自分は今回の2018FIFAワールドカップではスペイン代表とアルゼンチン代表を応援する予定なので、この試合はその意味でも格別な意味を持つ。
ワールドカップはやはり世界的なイベントでもあるので日本代表の話しかしないのは面白みに欠けるし、そもそも今の日本代表の話をしても暗い話しか出てこない。
それではせっかくの楽しみなイベントが興ざめしてしまう。
自分はむしろ今回スペイン代表とアルゼンチン代表の観戦に情熱を燃やすことで、今から楽しみな状況を作ろうとしている。
だからこそ今これだけ好調なスペイン代表を見ると今からでも本大会が楽しみで仕方が無く、一つでもポジティブな要素を大会前に見つけておくだけでも楽しみは変わってくる。
そんなスペイン代表の中でも更に好調なのがイスコであり、今回ハットトリックを決めアシストも記録している。
レアル・マドリードでは本領を発揮できていない部分もあるが、もはやスペイン代表においては完全なるエースであり本大会でも期待がかかる。
ただひたすらに「上手い」という言葉しか出て来ず、見ているだけで楽しい選手だ。
このスペインの至宝のプレーはまさに宝石であり、充実した新世代の選手層を象徴している。
そして面白いのが今回大事を取って出場しなかったメッシがVIP席から観戦しているシーンだ。
先日の日本代表の試合でもとある背番号10番の選手が観戦に来ていたが、そういった決まりでもあるのだろうか。
メッシとしては今回がトップコンディションで迎えられる最後のワールドカップでもあるので何としてでも優勝を狙いに行くだろう。
そして日本代表がこれだけ期待できない今、いっそのこと自分が応援する強豪国の優勝を本気で期待するという楽しみ方が今大会は一番ベストな方法になるのではないか。
強豪国のサポーターは「今回は優勝してほしい」と現実的に考えることができるが、日本代表にその期待を寄せることができる機会はここ数十年では訪れないだろう。
もちろんそれは大きな夢だが、今のところは現実出来ではない。
世間的にも日本代表に対しての注目度が落ち込んでおり、サッカーファンとしては楽しみにしたいはずのW杯にいまいち乗り気になることができない。
当然日本にも期待しており、密かにグループリーグ1位突破でベスト8という奇想天外な逆張り予想もしているのだが、同時にもう一つの楽しみとして今回はスペイン代表の応援に全力を懸けたい。
もしかしたら現地スペイン人以上に情熱を燃やして応援するかもしれないし、ネガティブになるよりはそうやって前向きに応援したほうが楽しいはずだ。
今絶好調のラ・ロハには情熱の国スペインらしさが宿っている。
日本人なのに海外の代表チームを応援するのはおかしいというのは極めて偏狭な考え方であり、ワールドカップの楽しみ方はもっと多様性があっていい。
逆の立場で考えれば、外国人がサッカー日本代表を真剣に応援してくれていたら嬉しいはずだ。ワールドカップというのは国境や国籍を超えて、いつもならば関わりが無い国の人々とも盛り上がれるところに最大の魅力がある。
今の日本代表を見ていていまいち気分が晴れず、W杯が楽しみになれないという人は思い切ってお気に入りのチームを見つけてそこに情熱を傾けてみるのも面白いかもしれない。
ワクワクするようなモチベーションで4年に1度の迎えるためにも、今回は自分のお気に入りのチームを見つけてその応援に全力を懸けてみてはどうだろうか。
ワールドカップは世界的なイベントであり、大会前も様々な展望を語れる大切な期間だ。もっといろいろな世界のチームについて語る事こそW杯の何よりの楽しみ方だ。