elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

MOMOLANDのプムプム、無事MCムヒョン化される

今自分が一番はまっているK-POPの音楽と言えば、MOMOLANDにとってブレイクのきっかけとなった「プムプム(뿜뿜)」だ。

この曲の何が良いかと言えば、とにかく盛り上がる曲だからの一言に尽きる。

こじらせた作詞家がメッセージを込めたような曲を、本心では思ってもいないのに女性アイドルが歌わされても何も響かない、むしろシンプルな曲調の方が良いということに気付かせてくれたのがこの曲でもある。

 

歌詞に意味など必要なく、リズミカルに「プムプム」と繰り返せばそれで音楽としては成り立つ。むしろ押しつけがましい歌詞を歌われる方が説教っぽくて聞いていて疲れる、だから自分はとにかく盛り上がれる曲が好きになっている。

 

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日本人が切ない歌詞に思いを馳せることを好むのならば、韓国人はより直接的に盛り上がる曲を好む。そもそも実はこれは世界的に見れば普通のことであり、むしろゲームにストーリーの作りこみ、歌詞にメッセージ性を求める日本人の嗜好が珍しいのかもしれない。

日本人は歌詞の理解を重視しがちだが、洋楽なども実は本場のネイティブの方が意味など重視せずに聞いている。

 

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そしてそんな韓国のK-POPをある意味で最も楽しんでいるかもしれないのがイルベと言われる掲示板に潜む韓国のネットユーザー達である。

このイルベ民、ある意味でかつての日本のネット民が持っていたはずの雰囲気を残して非常に面白い。よく最近のネットは雰囲気が変わったと言われるが、韓国のネットはリア充至上主義社会だからこそ逆に、そのアンチテーゼとなるオタク文化も反発心を持ち濃密な空間になっている。

 

韓国のネット民の何が面白いかと言えば、それはとにかく「不謹慎」なことに尽きる。

MCムヒョンというのは韓国でかつて大統領を務めた盧武鉉(ノ・ムヒョン)の肉声を、ボーカロイド風に音声にし様々な有名音楽をパロディにしたシリーズになっている。

 

しかもこのノ・ムヒョン、韓国現代史に詳しい人ならばわかるかもしれないが実は故人なのだ。韓国の大統領は悲惨な末路を迎えると言われるが、盧武鉉はまさにその典型である。

ちなみに現大統領文在寅(ムン・ジェイン)の直系の師匠のような存在でもある。

 

故人の最期を壮大にネタにする韓国ネットユーザーのこの不謹慎さ極まりないノリに、かつての日本のネット民が持っていた面白さを自分は感じている。

「昔のネットってもっと世間の目を気にせず自由にできたよなぁ」という懐かしさがあるからこそ、初期ニコニコ動画や昔の2ちゃんねるの幻影を自分は韓国のネットに求めているのかもしれない。

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このMOMOLANDのMCムヒョンVerも、TWICE、BLACKPINK、Red Velvetなどの名だたるグループに続きついに登場した。

韓国K-POPの中では異色とも言える面白系アイドルグループのMOMOLANDと、こうしたネットのふざけたノリは相性がいいのかもしれない。

 

盧武鉉ネタにされるにはある程度韓国で知名度が無ければならず、その意味でMOMOLANDのプムプムはその次元に入ったとも言える。

韓国語が分かればもっと理解できるかもしれないが、とにかくサビの部分に「ウンジ」が使われている事と「キブンジョッタ」が恒例として登場している事だけは分かる。それはノ・ムヒョンの悲劇的な最期を意味した隠語であり、MCムヒョンシリーズで多用される。

 

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このMCムヒョンの何が面白いかと言えば、それは韓国ネット民の洒落たネタにある。

ノ・ムヒョンのイメージカラーは黄色であることにかけて、例えばBLACKPINKは「YELLOW PINK」になったりRed Velvetは「Yellow Velvet」と名前を変えられている。

TWICEの「KNOCK KNOCK」は「K盧ck K盧ck」NOと盧をかけて変えられるし、とにかくいろいろめちゃくちゃであり、故人を不謹慎にいつまでもネタにしている。

 

そもそもノム・ヒョンをネタにするというのは日本のネットから始まったことであり、なぜかそれが今では韓国のネットで面白がられて続いている。

「ノムたん」としてある意味日本のネット民に韓国の大統領が愛されていた時代から時代は移り変わり、あの頃とは雰囲気が違っている。

昔の韓国ネタってもっとユーモアと余裕あったよなぁと思いながらリアルタイムでノムたんネタを経験した人間としては、最近の韓国に対する余裕のなさが少しだけ寂しい。

 

むしろ今の時代韓国のネット民の方が昔ながらのノリを持っていて面白いと感じることは多く、MCムヒョンはまさにその象徴だ。

「才能の無駄遣い」という言葉がまさに韓国のネット民にはあてはまり、やたらクオリティが高いのも面白い。

 

不謹慎な替え歌が好きな自分としては、韓国語が分かればもっと面白いなと思いながらも、言葉が分からずとも謎の面白さがある。

それはきっと故ノム・ヒョンが持っていた万国共通の面白さや愛嬌が理由かもしれない。