あくまで客観的な見方ではなく、主観的な意見であるということを前提とした上で、ちょっとここ最近Red Velvetの勢いが以前ほどではないなと感じる。
K-POPの世界は、その曲がどれだけヒットするから日本以上にシビアに流行に反映されるので、どうしても短期的な見方にはなってしまうのは承知だ。
しかしほんの少し前までRed Velvetはもっと圧倒的な存在だったように感じるのだが、BLACKPINKやTWICEに肩を並べられたどころか、もはや追い抜かれたという印象すら感じる。
Red Velvetといえば韓国では圧倒的NO1のガールズグループで、非常に根強い人気があり、何よりSMエンターテイメントという超大手事務所のエリートだ。
SMエンターテイメントといえば韓国芸能界においては超正統派であり、日本でも有名な東方神起や少女時代を輩出している。
そのSM系列としてRed Velvetはデビューし、演出やパフォーマンスはまさに最先端であり正統派のK-POPを継承している。そのため韓国ではもっとも人気なガールズグループの一つであり、「ロシアンルーレット」や「Peek-A-Boo」「Red Flaver」のようなヒット曲も多い。
韓国における人気が高いからこそ、海外に進出する必要が無く国内の人気を堅実にしているため、海外から見た人気以上に現地では支持されているようだ。
音楽チャートでも上位に入り、常にTWICEやBLACKPINKの上に存在し続ける強固な存在だった。
だが、そんな順調に見えたはずのRed Velvet、非常に重要でデリケートな問題に絡んでしまう。
なんと、文在寅政権の訪朝公演に付き添う形でいわば南北融和ムードに政治利用されてしまったのだ。この韓国の大統領は世論受けするようなパフォーマンスを好むところがあり、ある意味でRed Velvetもその策に乗せられたようなところがある。
一番人気なグループであるがゆえに安易な外交政策に持ち出され、北朝鮮に講演しに行ったというのが今になって響いているのではないか。
韓国と言えば北朝鮮問題を巡って国内世論が二分されており、ここ最近は北に融和的なムードがあるが根強い反発があるのも事実だ。
いわば「北朝鮮に国を売ったアイドル」という極端な認識までされるほど、韓国世論はこの問題に関して敏感であり、見えない静かな支持層をこの公演でRed Velvetは失ってしまった。実際にこの訪朝公演でレッドベルベットを見損なったという韓国のファンも多い。
それまで平昌五輪の開幕式のおおとりに使われるほど国民的アイドルだったはずのRed Velvetが、北朝鮮に行ったというのは韓国人の心情としては刺激される物があったはずだ。
逆に昨今のTWICEの勢いを見ていると、結局のところ韓国にとって最も信頼がおけて、相性の良い友好国は、同じ自由主義陣営である日本や台湾であるような気がしてくる。
韓国というのは世論が大きく分かれている国であって、日本や台湾を快く思わず、同じ民族である北朝鮮にシンパシーを感じる人もいれば、以前ほど日本や台湾を敵視していない人も多い。
またBLACKPINKの人気も凄まじく、韓国における女性層からの憧れという意味では役割が入れ替わりつつあるように思う。
客観的に見てもBLACKPINKのほうがガールクラッシュでかっこいい。可愛さではTWICE、スタイリッシュさではブルピンに人気が集中している。
更にどちらも国際人気が高く、Red Velvetが頼るとなれば北朝鮮なのだが、この国は形式上、南からの文化を規制している。
ちなみに中国と組んだ宇宙少女というグループも存在するのだが、彼女らがブレイクしているという印象は受けない。
果たして、日本と台湾と組んだTWICEの流行を見て、韓国の人々は何を感じるのだろうか。