elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

ジャニーズはMステをつまらなくさせた戦犯なのだろうか?

つい今さっきHey!Say!JUMPが出演したMステを見ていた。

そのあと最近Mステの未来がヤバいなんて話題も見た。

 

Mステを終わらせた「四天王」として我らがジャニーズ、そしてAKB系列、EXILE一族、KPOPがあげられる光景をよく見る。

ただもう思いきってはっきり言わせてもらえれば、ジャニはその枠とちょっと違うんだとやや抗議したいこともない。というか世のジャニオタの皆さんこれでいいんですか?と私は言いたい、問い詰めたい、小一時間問い詰めたい。

 

今回のジャンプの出演を自分はきっちり見て、まぁ伊野尾さんの話おもしれぇなというか実質声が面白かったと思った。その後面白かったのが、次回予告「V6出演」というところ。

共感率100%といっても言い過ぎじゃないくらいに、Mステジャニーズ出演の翌週にまたジャニーズ出るというこの光景!絶対あるあるでしょ、一度はあるでしょ!

 

なんでこんなことがあるといえば、そもそもMステとジャニーズというのは盟友関係だった歴史があるからだ。

かつて「ザベストテン」といった華やかな昭和の音楽番組が隆盛を極めた時代が終わり、元々はミュージックステーションというその後の時代にあまり振るわず上手く行かない番組だった時代がある。

そんな時代にジャニーズ事務所が光GENJIを優先的に出演させたことでMステという番組のブランドも確率され、後にいわば恩返しのような形でMステとジャニーズの蜜月関係が続いてきた。

 

いろいろな歴史はあるといえども、とにかく最初に恩を売ったというのがジャニーズであるという話は歴史の裏側として知っておくべきかもしれない。

ジャニーズをゴリ押ししたのもMステであるが、Mステを現代にまで生き延びる大型歌番組に育て上げたのもジャニーズだ。

実際、歴代Mステで最も披露された曲が嵐として更新されたがその前の記録保持者は光GENJIだった。実はこの番組、初期の頃ジャニーズに救ってもらって以降、実質「ジャニーズ忖度番組」であって今さらそのことを批判するのはちょっと違うように思う。

いや、Mステって元々歴史的にジャニ忖度番組でしょと笑

 

むしろジャニーズの貢献も凄く何だかかんだで華やかなな邦楽のシーンを作ってきたと自分は評価しているので、「ジャニのせいでMステが駄目になった」というのはちょっと違う気がする。

 

ただ「AKBや秋元軍団が駄目にした」という単純な論調も疑問で、実際にリアルタイムタイムを経験した身としては十分神7時代は華やかだったと思う。

実際マエアツ全盛期の頃のAKBは十分華やかだったぞ!と言いたい。

 

真の「戦犯」って別に最近のジャニーズでもなけりゃ、AKBとか秋元でもなくて単に「時代」なんだよ。戦後の資本主義における最高の恩恵を受けた日本が、過去の絶頂期と比べて見劣りするのは当然だったのかもしれない。

 

あまりにも華やかな事をやっていた日本社会が、はい少子化高齢化と新興国の台頭と震災ドーン!って同時にやられたらそりゃ日本人皆元気がなくなっちゃて当然。

真の戦犯はアップルのジョブズが夢見てたネットの普及と、それによる震災後の日本社会の風潮の変化と新興国に追い越されるという自尊心の崩壊だ。

 

今回のMステで過去のスーパーライブ特集が取り上げられていた。その特集はジャニーズだと本当にキラキラしていた時代のNEWSが登場して手越もまだ黒髪だったし嵐もまだデビュー5周年で色々と初々しくも皆派手だった。

さいたまスーパーアリーナが出来た頃ぐらいで、この頃の社会情景も出演者も派手だし希望が社会全体にありふれていたなという雰囲気が伝わってきた。

ORANGE RANGEが派手に水着の女子と一緒に歌い、最後は浜崎あゆみが華やかに閉めていた。

この映像というのは2004年のMステスーパーライブで、この頃って余裕で日本はアジア唯一の先進国、経済大国、文化大国ネットもそれほど普及していなくて皆自信に満ちていた。

韓国もまだヨン様くらいでおばちゃん向けだったし、中国なんてオリンピックも開催したことがない古くて貧しい国だった。日本が最先端でかっこよくて経済的にも圧倒していて、漠然とアジアは全部遅れていると信じていたのは2010年代の前半までだった。自分がそう信じていたのは20代の初期の頃までだけれども、これからは生まれた時からもう韓国はかっこいいし中国は強力で数だけじゃなく質も凄いという現実を正確に認識するようになってくる。

 

昔懐かしの日本の「浮かれムード」みたいなの物が震災で終わって、社会全体が自粛ムードになり、段々と新興国にも追い抜かれてスマホやネットの普及で日本人の民度も腐敗していった。

ジョブズ傑作のスマホ普及後、ネットという幻想郷がオタクのマニアックな趣味の博覧会から、現実社会の怒りの共有ツールや、リアルステータスの延長になっていった側面は否定できない。

Mステもスタイリッシュなカルチャーを発信する時代から、ネットを意識し皆で懐かしの過去映像を見てかつての日本に安心する番組になった。

 

新興国のように社会が発展するタイミングでネットが普及するならまだしも、衰退するタイミングで後ろ向きなツールとして「ネット」が使われてしまっていったのは不幸だったように思う。そして疲れきり現代に諦めきった日本人の気質や体質自身がそこに染まろうと、身を委ねて肩からその衰退にもたれかかろうとしている。

 

そもそもMステの衰退というのは単に番組ひとつの問題ではなくて、まず「民放キー局でゴールデンに音楽番組を放送するという構造自体が成り立たなくなった」という構造に焦点を当てるべきではないでしょうか、という話になるわけですよ。

音楽番組で世間が盛り上がろうとする構造上の問題の終焉というか・・・その終わりがいいことなのか、そうでもないのかというのがこれまでの思索ではあるけれども。ただこういう華やかな音楽番組が無くなるというのはやはり寂しいとは思う。

 

「昨日Mステ見た?」という会話が成り立つわけではないし、「コマーシャルはもちろん、今は中身の本編でもMステが見せたい内容が出されるようになった」と批判されている。例えば俳優コラボとかyoutubeでプロモとして見せたい映像とか。まあ昔からそういうのはあったかもしれないけど、まだオリコンとかもっと言えば「世間」みたいなのに力があった。

 

いや、ここで話していくと自分は「流行が正義」みたいな立場ではないしむしろかつては流行に逆らい「Mステとかウゼェな」ぐらいに思っていた。

でもこうやって大きな歌番組が無くなってしまうとそれはそれで寂しいと感じてしまう複雑な心理だ。

 

実は高校のダンス部見せたり素人の感想聞かせたりというのは減ってきて、例えば今回みたいに「過去のスーパーライブ見せます」みたいになってきている兆候はある。

今回でも2004年時代の高画質な嵐とNEWSの貴重な映像が見れた!

更に言えば出演者も豪華で、むしろ邦楽や洋楽全盛期を知る世代にとっても見ごたえがあり、あとから「この出演陣なら見てみたかった」という声も多い。

 

それでも過去のイメージで「素人にVTR見せて感想聞く仕込み企画やらせるな」なんて批判されることはあるので、中々一度失った評価は戻りにくい。

ただそれでも自分はこういった、良くも悪くも「世の中心」だと偉そぶっている存在に、抗いつつも惹かれていたいので「楽番組の最後の砦」としてMステ様には生き残ってもらいたいと思っている。世の中の流行として逆らう宿敵にはいつまでもいてほしい。

いくら時代が変化しても音楽番組はアーカイブとしての文化的価値があるし、後からみれば懐かしの光景という意味でも貴重だと思う日がやってくる。

何だかかんだで毎週金曜日にある安心感だ。

 

欲を言えばもうちょっとネット時代に適応してほしいかな。

韓国の音楽番組ってもはやネットで公開するのが当たり前になっていて、例えば今回のHey!Say!JUMPの出演に例えてもyoutubeで高画質で見れるようになっているし、更に「伊野尾慧専用カメラ」みたいな独自コンテンツを用意して、海外ユーザーや若年層を意識してスマートフォンのサイズに合わせて公開している。

テレビ局自体が自主的に公式で公開してそこで世界中のファンがリアルタイムで盛り上がっているから面白いというのは羨ましい。

ただ公式から提供が少ないどころか、厳しい弾圧や圧政にも関わらず盛り上がる我らがジャニオタの精鋭意識やエリート修練度も、ある種のアングラ地下文化として存続し続けるだろうしいざという時は底力を発揮する。

まあいろいろ長々こうして無駄話が弾むくらいにジャニーズという存在はそういった戦後日本大衆文化の中で、繁栄を続けてきた闇のような光のような文化史として語られそうだ。