カツオといえばタタキと相場が決まっているがお造り用もある。
いいものだと赤みがかっていて「マグロと見分けがつかない」とまで言われる。
値段は同じ量だと半分、同じ値段だと倍ぐらい差があるので非常にコスパが良い。更にタンパク質がトップクラスで、にんにく醤油に合うので漢なら鰹というぐらいパワフルな魚だ。ちょっとしたくさみも食べごたえや男味がある。
筋トレファンはツナ缶を愛好するが、美味しいもの食べて筋トレしたいのであればカツオのタタキや造りは絶品だ。
脂質が少なくビタミン類が多く、DHAやタウリンもあるというリアルに神食品。だからこそ出来れば生でいただきたい。
ただこのカツオの致命的な弱点がある。
それは足が早いということ、つまり味が悪くなりやすい。安かろう悪かろうだ。
ある程度時間経った刺身も食べられる自分でさえ、半額で買ったカツオのブロックは流石に諦めた。一口目でこれはヤヴァイと本能が拒絶したぐらいまずかった。仕方ないので焼いてマヨネーズ醤油で食べることになった(こっちのほうが美味そうと感じる人多そう)
カツオは悪くなると赤から茶色になり、虹色の油が映る。焼いて使うのであれば半額にされたカツオのブロックは激安なので狙い目だ。ツナ缶より余程安いので、貧乏筋トレーニーにはおすすめで廃棄処分になるよりはいい。
とくに夏の今だと、すぐ刺身はぬるくなるので悪い食べ方をすると激マズだ。
そこで自分が編み出した誰でも格安でできるちょっとした工夫を紹介したい。
1.塩でぬめりを取るべし
これは自分は5ちゃんねるで知った。くだらないことしか書いていない掲示板だが時々ガチで役に立つことが書かれている。
ねらーから得た有益情報でこれはトップに入る。
どうやら古い刺身だと、塩を表面につけるとぬめりやくさみを吸い取ってくれるようだ。居酒屋でも温塩水解凍が行われていて、塩は万能。塩漬けにするだけで魚の内臓が塩辛という保存食になるくらいである。
劣化した刺身がなまぐさい要因はほとんど表面だ。当然空気に晒される。ここを取ってあげれば大部分は鮮度が回復する。ちょっと割引になっているくらいの刺身は全部これで元に戻せるという魔法だ。ただ、カツオの場合は割引もNG、これ重要
2.冷凍庫で冷やすことを心得よ
刺身は基本、冷えてコリコリ、とろとろしているのが旨い。
普通の冷蔵はもちろんパーシャルでもまだちょっと冷えが足りない。
パック刺身でも、自分で切ってでも良いのだが冷凍庫に入れておくと冷える。特に自分で捌いたときは体温に触れているのでかなりぬるいので、まずいったらありゃしない。
電子レンジの逆バージョンとして冷凍庫を使うというわけだ。忘れてても翌日食べられるし、ちょっと凍りすぎてもおいておけば解凍されるしちょっとシャリシャリぐらいでもいい。
夏だと本当にすぐぬるくなるので、自分の場合毎度2皿にわけてゆっくりちびちび食べている。
ちょうどこの皿だともう一枚ある。ダレないし、もう一枚あるという喜びがあるわけだ。
3.ワサビとにんにくを混ぜよ
カツオといえばにんにく醤油
チューブにんにくを入れまくるぐらいがいい。
とはいえ実はにんにくってそこまで味がせずに、わさびほどの刺激ではない。すりおろしにんにくであればいいけども、一般のチューブだとやや物足りない。かといってわさび醤油もカツオっぽくないしな、ということで編み出した同時起用
言ってみればトップ下の本田圭佑と香川真司を同時に使うようなものだ。
これが結構あって、わさびは控えめにちょっとアクセントとして入れれば絶妙なマリアージュだ。
コツとしてはカツオが結構な量あったとしてもまず最初醤油は少なめだ。これで十分足りる。なくなったとき足せばいいので、最初に入れすぎないこと。逆ににんにくとワサビは普通の刺身のときより多めでいい。男男した濃い味付けというイメージだ笑
これでカツオのくさみも無くなるし、わさびあることでにんにくも緩和される。にんにくがっつり食べたいけどにおいがというとき、わさびだ。ちょうど刺激にもなる。
4.焼酎はお燗で
夏こそお燗だ。
居酒屋探訪家太田和彦も夏でもお燗と言っていたがこの良さがわかるようになった。安い芋焼酎(自分の場合さつま白波)でも、電子レンジで温めると香りが花開く。水は後でも先でもいい。熱々にして後から水で調整でもいい。
焼酎の強さでカツオのくさみを相殺するというわけだ。
日本酒だとちょっと甘いので、苦くて芋や麦ががっつり来るぐらいがいい。この写真だとストゼロになっているが実際はさつま白波を飲んでいる。さつま白波と撮ったのはちょっと移りが悪かった笑
夏に涼しい夜風が入ってきて、扇風機を浴びながらお燗で飲む焼酎も真冬とは違う雰囲気の妙がある。
5.らっきょう漬けがあると良かろう
一般的にカツオの叩きはスライス玉ねぎとよく合うと言われているのだが、案外玉ねぎだけでスライスされた状態では売っていない。
パックでカツオ造りであれば、玉ねぎは付属しているが鰹だけ独自にブロックで買うとこれがない。
こういうときらっきょう漬けははかどる。しかもおまけで付いているような玉ねぎスライスと違ってガチでこれだけで酒が飲めるくらい美味い。200円程で一袋を売っている。
ちょっとくさみが強いというときは同時に食べて薬味で相殺するのもいい。とても相性がいい。
まぁカツオのブロックを切ったあとについでに玉ねぎも切ればいいだけだし、それを盛り付けたカツオの上に載せて寝かせておけば前述の塩との相乗効果で更ににおいが取れる効果もある。これは今度試してみたい。こっちのほうがらっきょう漬けより安いだろう。切りたての玉ねぎは本当に美味しい。
6.そもそもタタキ買え
そもそも論だがカツオはたたきに最適化された魚だ。
冷蔵庫ない時代に叩きを美味しく食べようと思って考案されたわけだ。
バーナー使って自分で作るでもいいし、普通にコンロでも炙れる。
炙ったあと氷水に入れるのが一般的だが、準備が面倒であれば前述の冷凍庫スタイルでいい。
ただ前も書いたように藁焼きや炭火焼きは別物ぐらいに違う。わざわざコストかかる焼き方に使うカツオ自体がいいものかもしれないが。とにかく空気に触れる表面が劣化の原因なのでここをどうにかするというのがカツオのテーマだ。
塩は他の刺身でも使える。無難に叩きがいいし表面が炙られて保護されているので中身の持ちもいい。
たたきの割引は全然食える。
それでも切られていると表面は空気に触れているので、たたきの利点を重視するのであればブロックがやはりいい。冷凍ブロックは信じられないくらい安くて量があって旨い。
ただたたきというのは元々新鮮だったものを焙って長持ちするようにしているだけで、すでに古くなったものを焙って良くなるかといえば疑問だ。マグロであればそれは通じるかもしれないが、古いカツオだと完全に焼くか煮るかしかないだろう。骨を取らなくていいというのがお造り用を調理するメリットだ。
ちなみにカツオを英語でなんというかというとbonitoというらしく、ツナは有名だけどボニートはわからなかった。動物や爬虫類の名前は有名だけど魚は全然知らないという。
ちなみに美味しんぼで有名なカツオにはマヨネーズが合うという食べ方試してみたが、普通にまずかった。マヨ醤油でもそこまでではない。
やはりにんにくわさび醤油というマイスタイル(昔からあるだろうが)が超おすすめ。醤油少なめ、薬味多めで。