elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

猟師不足の今狩猟を若者に流行らせる方法

最近地方における若者の猟師不足が問題になっている。50代ですら若手の主力であると言われるほどに今猟師不足が問題になっている。

そもそもなぜ猟師不足が問題なのかというと現在ニホンオオカミが絶滅し猟師が高齢化し天敵のいなくなったシカやサルが農村を荒らし放題になっており、農作物を食い荒らしてその被害がものすごいことになっている。

更にシカは新芽を食いつくし、森林の生態系も崩壊し昆虫や鳥類などのバンランスも崩れかけている。森林が育たなければ土壌も脆くなり土砂崩れのような被害も想定される。

そのシカをいわば人間やオオカミが食べていたからちょうどいいようなバンランスになっていた。

しかし現在その2つが減ってしまい今問題が深刻になっている。

 

この問題にはいくつかの背景が存在する

・狩猟が儲からない

・狩猟に対して野蛮なイメージがあり趣味として根付いていない

・ライフル銃の所持までの道のりが険しく、銃規制が厳しい

・若者がなりたいとも思っていないし、若者を育てる場所がない

近頃ジビエ料理という言葉を見かけるようになってきている。

鹿肉、イノシシ肉などを使用した料理が増えたり、シカやイノシシを食べてみたいという人も多い。しかし現状まだ流通する経路が整備されておらずコストがかかるのが実情であり産業としてはまだ完成していない。猟師で生きていこうと思うと非常に厳しい。

駆除活動に対して報償や補助制度が整備されていないというのも現実的な問題であり「やるメリットがない」というリアルな実情が存在する。

危ない上に敷居が高く、そして若者のスタイリッシュなイメージが無い高齢者だらけの猟友会の面倒な先輩と付き合わなければならず、その上稼げない、これでは新世代の参入が期待できないことも必然と言える。

実際自分自身ゆとり世代ではあるが、身の回りに狩猟に興味を持っている人は存在せず同世代が不在で「若者に厳しい面倒な高齢者しかいないんだろうな」という不安がある。

 

更に狩猟が産業だけでなく趣味としても根付いていない。

欧米では狩猟というのはメジャーな趣味でマンチェスター・ユナイテッドに所属するズラタン・イブラヒモビッチは狩猟の大ファンであり無人島を購入して狩猟を楽しむほどである。巨大なヘラジカをハンティングしたというニュースも数年前にあった。

北欧と言えばそもそも伝説的スナイパーのシモ・ヘイヘがフィンランド時代にウサギ狩りを行い、その技術が応用されソ連兵を撃退した。

 

しかし日本では文化や趣味として根付いていない。江戸時代には肉食が禁止されていたが実は鉄砲で狩猟をする文化があり、それらを持ち寄って調理してもらう料理屋が存在した。

その一方で現在は銃規制が厳しくそもそも「日本で実銃使っていいの?」という認識からスタートしなければならない。

許可を取れば所有できるという曖昧なイメージをもっててもそれが現実的ではなく、遠い存在であり具体的には考えもしないような一部の人だけがやる文化という感覚に近い。

そもそも狩猟をやろうという発想がないうえに、仮に狩猟を趣味にしたいというと「野蛮だ」というイメージが先行する。

 

銃に偏見がある層がいるのも事実であり、そのためにスポーツハンティングという文化が根付かない。

本質的には釣りと変わらないが、シカやサルを撃って解体して食べようなどとなんと残酷であり野蛮な!というイメージになってしまう。どうしても人間の心理として哺乳類を狩ることには心理面の抵抗がある。

自分自身やはり少し怖いというイメージがあり、興味はあるができるかなという不安もあるし、慣れるのには時間がかかるだろうとも思っている。

実際は鳥獣被害を考えたときに狩猟は必要な事と、牛や豚などの家畜を屠殺している事実が存在するわけであり野蛮だと批判する人も実はその野蛮な行為の末に肉を食べている。

人工的に牛や豚を育てるより、猟師の人たちが狩ってきた鹿肉などを購入して食べることの方が自然保護の観点からも良いし家畜産業も実際は土壌汚染を引き起こしたり、莫大な穀物を消費している効率が悪い産業ともいえる。

先進国の人間が肉を食べるコストで、開発途上国の人に大量の食物を出回らせることできる。

 

現代人は目を背けている日々食べている肉を生産する畜産にはいろいろな問題が存在することも事実だ。

そんな中で江戸時代のように自分たちで肉を取ってきて流通させるという文化が合ってもいいのかもしれない。

最近では魚の量も減ってきている。

考えても見れば減りまくっている魚を無理にとって、飼料のために大量の穀物を消費して肉を育てているのが現代であり、その一方で増えていて減らさなければならないシカやイノシシなどの肉は消費していないという歪な構造になっているのが現代だ。

 

減っている物を獲ったり莫大なコストをかけて生産し、増えている物は放置して食べない、端的に言えばそういう構造になっている。

数が減っている魚を獲り続け牛や豚がわざわざ労力やコストをかけて飼育されている一方で、食べられもしないシカやイノシシが無数に駆除されていたり野放しにされている。北海道では大量のエゾジカが駆除され焼却処分されている。市場に流通させても需要がない上に高額なため莫大な赤字になるのだ。

そして野放しにされた動物が農村や森林に被害をもたらしている。

狩猟

しかしいざ狩猟を始めようにも敷居が高く、規制も多い。イメージも悪く労力や経験が必要。モンハンのように一狩り行こうぜ!というほど単純ではない。

 

ただ人間には狩猟本能の血が流れているため本当は狩猟という行為は楽しいからスポーツとして根付く可能性はある。釣りがあれだけスポーツや趣味として発達していて道具も豊富で最近ではオシャレなイメージもある。それに比べると狩猟はまだ若者向けでもないしかっこよくもない。

理想はまさにイブラヒモビッチのようなイメージであり、イブラ自体は日本のサッカー少年にも人気があり若者からの求心力も高い。

ただこういうかっこよさはまだ日本の狩猟にはない。

やはりオレンジのベストを着た猟友会のおじさんたちが猟犬とやっているイメージで、それはスタイリッシュではない。

はっきり言えばかっこよくないし、面倒な雰囲気のあるお爺ちゃんと一緒にやっていかなければならずこき使われそうな雰囲気がありここが若者に受けない弱点なのかなと個人的には思う。

イブラみたいなイメージだったら絶対興味を持つ若者はいるはずだ。

実際オレンジベストは義務ではなく推奨であり、誤射防止や遭難時に発見のされやすくするためである。また鳥獣から発見されやすくなるという事はないと言われている。

 

どうしても若者はかっこよさや気分にこだわりたいわけで、猟友会のおじさんたちとオレンジベストつけてて「最近の若者はこれだから」と言われながらやるのは少し億劫だというのが本音だ。

 

そうなると好きな服を着れてかっこいい銃も使えて気分も盛り上がって若者の多いサバゲーの方がかっこよくなってしまうかなというのはある。

サバゲーはスポーティな若者のイメージを作ることで競技人口を増やすことに成功した。今やジャニーズもサバゲーを趣味と公言してメンバー同士でやる時代であり、10年前では考えられない。

それに加えて狩猟はまだそういうイメージ戦略が上手くできておらずどうしても50歳がまだ若手という閉鎖業界になっている。

かといって猟友会も悪い人たちではなく、ほぼボランティアで駆除活動をやっているのが現実だ。実際市役所から駆除してくれと言われて出される費用は雀の涙。そして土に埋めるための労力もかかり、これを放置したら違反になる。

ただでさえ高齢化している中で、お爺ちゃんたちが汗を流しながら懸命にほぼ利益にならず実質ボランティアのようなハードワークを強いられている。

 

わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─

 

それゆえに今若者の猟師が必要になっている。

そのためにはやはり解決しなければならない課題がいくつか存在する。

・参入への敷居を低くする

・ジビエ肉の需要を増やしたり、新しい使い道を開発する

・かっこいいというイメージを作り趣味として定着させる

・狩猟=野蛮だという誤解を解く

・そもそも狩猟についての知識や実態について広めていく活動をする

 

まず大事なのはやはり狩猟が抱える現状や農村や自然の問題点について語ることが必要だし、なりたいという若者を増やすための魅力づくりもしていかなければならない。

狩猟自体はモンスターハンターというゲームが流行ってポジティブなイメージはいくつかあるし、サバゲーやFPSが流行って銃への偏見も少しずつ軽減されてきている。

そういう新世代の若者に受ける狩猟文化をどれだけ形成できるか。

今後10年の間にその文化を作ることができるかどうか。もし10年でできなければ行き着くところまで高齢化してしまい完全に日本の農村や森林は崩壊してしまうかもしれない。この10年がまさに狩猟文化の今後を左右するラストチャンスともいえる。