今季のロナウドの得点数がヤバイ・・・ついにオワコンへ
2016-2017シーズンのリーガ・エスパニョーラの得点王争いは例年に比べえて落ち着いた印象を感じさせる。ここ最近インフレしすぎて40点、50点取るような争いが続いており感覚が麻痺していたため、現地点で得点王のメッシの33点ですらちょっと少ないなと思ってしまう程である。あと数試合で終わるリーグ戦終盤にしてはどこか大人しい印象がある。
メッシ、ロナウド時代以前ならばむしろそれで十分得点王狙えて大記録だと言われていたがここ最近はクレイジーだった。
そんな今季ラ・リーガ得点上位ランキング
1位:リオネル・メッシ→33ゴール
2位:ルイス・スアレス→26ゴール
3位:クリスティアーノ・ロナウド→20ゴール
4位:イアゴ・アスパス(セルタ)→17ゴール
5位:グリーズマン→16ゴール
今季のロナウドはやけに大人しい。50ゴールたたき出していた全盛期に比べてたったの20ゴールという印象を感じずにはいられない。もしかしてついにロナウドも衰えオワコンになったのか?いよいよBBC時代、メッシ、ロナウド時代の終焉か?
ここ最近のロナウドはプレースタイルを変更しボックスストライカーのようになっていたことに加え、大量得点差で勝っているときに以前ほど貪欲に追加点を狙いに行かなくなっている。
しかしリーグ戦終盤で20ゴールというのは「ロナウド基準」としては非常に少ない。
これでPKもしっかりもらっているのだからロナウド衰えたのか?という声が上がるのも仕方は無い。先日のバレンシア戦でもPKを外していたし、クラシコでは無得点に終わった。いまいちリーガではふるっていない。
その一方でレアル・マドリード自体は首位でありUEFAチャンピオンズリーグでは今期もベスト4に勝ち残り優勝候補だと目されている。ベスト4進出を決めたバイエルン・ミュンヘン戦では重要なゴールをたたき出し得点技術の高さを証明した。
これからのクリスティアーノ・ロナウドはがむしゃらに大量得点を狙う選手というよりも、休むことを覚えビッグマッチ専用の選手にプレースタイルを変更していくのだろうか。まだオワコンと言うには早すぎるどころか、着実にプレースタイルを変更し円熟味を増している。なんだかんだであと3,4年はトップレベルの選手として君臨し続けそうだ。
初期のプレースタイル:足技で魅せるポルトガルらしいウィンガー
中期のプレースタイル:ウィング要素からストライカー要素の強い選手になりゴールを量産
後期のプレースタイル:ボックスストライカーとしてペナルティエリア内に特化しつつも貪欲にゴールを量産
円熟期のプレースタイル:休むことを覚えビッグマッチに集中するストライカー
ラウル・ゴンサレスの得点記録を数百試合少ない試合数で越え、今後もその記録は50年破られることは無いという伝説を残したことは間違いない。これで生粋のレアル・マドリード育ちではなくポルトガルリーグで育ちマンチェスター・ユナイテッドから途中加入しているのだから間違いなく凄い選手である。
しかしそれでももう「個の力」で試合を決められる選手でなくなっていることは紛れもない事実である。以前のような理不尽なミドルシュートや豪快な突破はほとんど見られなくなっている。Jリーガーにもサイドの突破を封じられるのが現在のロナウドであり仮にマンチェスター・ユナイテッドに復帰した場合、今のユナイテッドを建て直し優勝に導くだけの力はないだろう。
あくまでレアル・マドリードの王様として特別待遇を受けボールが集められているからこの得点数を維持していられるだけで、他の名だたるストライカーでもロナウドと同じ特別扱いを受けるならそれ以上の得点数を記録するはずだ。
そしてマドリーがいつまでもそういったロナウドの時代を続けていけば世代交代ができない可能性もある。もしかしたらこの後にロナウド時代の代償として大きな空白期間がやってくるのではないか。
現にアルバロ・モラタは非常に効率の良いプレーをしており新たなエース格はモラタに受け継いでも十分に成功するだろう。しかしレアル・マドリードにはそれができない。怪我明けの選手でも有名ならば出場させろというブランドビジネスを得意とする上層部にその決断はできないのだ。
メッシのように中盤の選手やアシスト役、プレイメイカーとしての起用もすることができずエースとして扱わなければ不満を示す、今ロナウドはそういった扱いにくい選手になりかけてもいる。得点を決めるときはしっかりと決めるが決めない時は本当に存在感がない。その上中央でポストプレーを得意とするタイプではなくセンターフォワードとして起用することができない。
つまりロナウドをこれから活躍させようとしたら突破力のあるウィンガーと中央でポストプレー役や潰れ役をこなす利他的なセンターフォワードの存在が必要になる。
わざわざその2枚をロナウドのために「犠牲」にするほど価値があるかどうかは意見が分かれる。一人の得点力のためにチーム全体の得点力を下げる必要があるのだろうか。研ぎ澄まされたそのゴールハンターとしての能力に2人の選手を起用するべきなのか、それともより流動的なサッカーを目指すのか、エル・ブランコの指揮官としては悩ましい部分に違いない。
バイエルン戦でみせた得点能力に関しては疑いがない。いざという時の鋭いゴールゲット能力はいまだ健在である。ヘディングでみせる跳躍能力も相変わらず健在でスペースに入り込むときの動きはむしろ今最高潮に洗練されている。
その一方でコンスタントな得点量産能力はもはや失われており、チームの軸として特別待遇をするほどの選手出ないことも確かだ。実際に今季のゴール数は終盤にもかかわらず20ゴールをやっと超えたレベルであり全盛期の面影はない。仮にロナウドをかつてと同様に活躍させるならば中盤の枚数を削りウィンガーを補強して4-4-2でロナウドシステムを作り上げなければならない。中央でのポストプレーやスペース作りも免除、守備も免除、サイドの突破も免除で得点能力に全神経を注がせるのであればかつての得点能力は数字上は取り戻せるだろう。
しかしそこまでする価値があるかは疑問である。
「マドリディスモ」というイデオロギーを優先するならばこれからもCR7というスターを存続させたいだろう。依然としてCR7には世界トップクラスの人気があり、イメージ上ではメッシと同等の存在であるかのように扱われている。現状白い巨人がメッシやネイマールと同等のスター性を持つ選手をロナウド以外に保有できていないことは彼らのビジネスにとって致命的な問題である。
仮にロナウドの時代が終わればスター不在になり、いくらサッカーそのものが洗練されたとしてもロスブランコス、白い巨人の「レアル・マドリード」というブランドイメージはかつてほどのものではなくなるだろう。
確かにイスコやモラタは現地マドリディスタからは信頼が厚いが国際的なスター性では地味だと言わざるを得ない。この白いクラブはそういった堅実に勝つことを優先するチームではなく話題性やスター軍団としての価値を重視するクラブでもある。
モドリッチやクロースもいい選手ではあるが絶対的なスターではなく、故障がちのガレス・ベイルは「王」として軸にすることはできない。またハメス・ロドリゲスもワールドカップ直後の話題性は失っており10番としてスターに仕立て上げるミッションは失敗した。
それに加えて今高い得点能力を兼ね備えたエースになりうる華やかな若手選手は移籍市場に存在しない。「ロナウドの後継者としてマドリーの絶対的エースになる選手」と求人をかけてもなかなかそのスペックに当てはまる選手は現れない。
それゆえにロナウドの時代に依然としてこだわり続けなければならない事情がある。逆にそこにこだわり続けているから歪なシステムが続いているとも言える。
かつてモウリーニョは「レアル・マドリードは政治だ」と言った。政治でありビジネスであり、そしてサッカーとしても成功させなければならない。マドリディスモが支配するこのクラブの経営と指揮は複雑な事情が絡み合う。このロナウド時代と心中するのか、それとも脱却し改革し次世代につなげるのか。今レアル・マドリードは今後10年を左右する岐路に立たされている。
中島健人「歌が恋人というフレーズ素敵でした」(和田アキ子に対して)
良いアイドルタレントの条件とは何だろうか、と考えたときに一つの答えがある。その1つは「大物芸能人と絡む能力」であり、これができるアイドルはバラエティをはじめとしたバラエティ番組でも活躍することが多い。
どの番組にもたいていひとりは大物芸能人がいることが多く、大物とのコミュニケーションは芸能人として避けては通れない道である。
そんな芸能界で委縮せず、かといって失礼にもなり過ぎず程よい加減で大物芸能人と絡む能力は非常に重宝される。そしてそれができる若手アイドルはなかなかおらず、それは貴重な才能である。今アイドルと言えども一人の芸能タレントとして単独で勝負しなければならない時代であり、芸能人として高いレベルの面白さや汎用性を求められる時代である。
「アイドル番組では面白いのに一般バラエティに出演したら借りてきた猫のようになる」というアイドルは多く、アウェー環境でも借りてきた猫にならない度胸あるアイドルが今は必要とされている。
例えばジャニーズならばこの能力の高いメンバーとして代表格は嵐の二宮和也とテキトー男伊野尾慧だろう。二宮和也はあえて大物芸能人に対してもため口をつかったり逆にいじったりするほど大物と絡むのが上手く、伊野尾慧は自然体な姿で活躍の場を広げている。
また女性アイドルでいえば指原莉乃は「偉い人には礼儀が大切だけど、ものすごく偉い相手には逆にフランクにしたほうがいい」という理論で数多くの大物芸能人とバラエティ番組でも気さくに話している。今女性アイドル関連でほぼ唯一と言ってもいいほど単独で通用している指原莉乃にはそういった巧さがある。
一般のバラエティ番組にはアイドルとしての能力よりもむしろタレントとして芸能人として通用するかが求められ、そういったときに大物芸能人と上手く絡めるかが一つの重要な能力になっている。
そんな中で先週の「林先生が驚く初耳学」でみせたSexy Zoneの中島健人の活躍にはその可能性を感じさせる一つのシーンがあった。今回のゲストは和田アキ子、いわずとしれた「日本芸能界のボス」である。そんなアッコさんの50年の芸能生活を今回振り返って林先生がそれを50文字に収めるというコーナーがあり、芸能界入りたての頃の和田アキ子が「大女」と紹介されていた時代の映像が流れた。
そこで「私はよくみんなに男の子みたいって言われるんですけどここではっきり言います、和田アキ子は女の子です。でもそれでいいんです、私の恋人は歌なんですから」と自身の紹介映像のようなもので和田アキ子がかつて語っていた、という大物芸能人の昔の面白映像的な流れである。
その後も当時の紹介ナレーションで「ひとりよがりにならなければいい」とひどい紹介のしかたをされ、和田アキ子が「ヒドいよねこれ!」という笑いに変えていた。その中で中島健人は突然こう発言する。
「でも歌が恋人というフレーズが素敵でした」
このシーンを見ていた中島健人ファンは「ぶっこんできたな笑」と思ったに違いない。最近の中島健人、もうどこからでもシュートを打ついい意味での予想外さや規格外さを兼ね備えつつある。これだよ、今アイドルに求められている能力は!
今の時代アイドルは「ただ見た目がいい置物」としてバラエティ番組に呼ばれているわけではなくもはや芸能人としての戦力として今はバラエティ番組に呼ばれている。しかしそれにもかかわらず、多くのアイドルはお客さん気分でただイケメンや美女の置物と化してアウェーの中で空気になってしまう。
ここがバラエティで生き残れて世間に認識されるアイドルと、アイドルファン内からしか知られていない身内向けアイドルとの違いである。
それゆえにアイドルが一般バラエティ番組で定着しようと思えば他の芸人さんのように多くの芸能人にからみコメントをしていく必要がある。そして、もちろん空気が読めず面白くないだけのコメントではオンエアでは使われない。
そう考えたときに今回のこのシーンは中島健人がいい意味で遠慮しなくなってるなという象徴的なシーンであり、もはや和田アキ子にもガンガン絡んでいくレベルにまで達していて、しかもそれが決して失礼になっていないことがよかった。
もはや半ば都市伝説のようになりつつある中島健人ラブホリ伝説だが、その相手は和田アキ子でも一切手を抜くことがない。
本当に言ったのか定かではないが靴が脱げてしまったファンに「シンデレラ、気を付けて!」と声をかけたという伝説も伝わる中島健人、もはやその神対応は大喜利の領域に達している。
そしてその神対応は「芸能界のボス」和田アキ子も決して例外ではない。文面にするとややぶっ飛んでいるが、実際のところこのオチは非常に面白く和田アキ子も「素敵やね」とコメントしハライチ澤部も「和田アキ子を転がすな!笑」ともはやキャラが浸透し、番組内で確実に面白い存在として地位を確立している。確実にこの中島健人のコメントがいいオチになっていたし、そのキャラが決してホーム限定でなくアウェーでも通用する領域に今達してきている。
今ジャニーズは単独でキャラとして通用する能力が求められている時代でもある。そう言った時代に中島健人はもう完全に初耳学に欠かせない戦力になっている、まるで手越がイッテQに欠かせない存在になっているように。
アイドルはただのお客さんではなく、確実にその番組の戦力としてカウントされる存在にならなければならない厳しい時代になっている。
今中島健人はそういう状況でいろいろ試行錯誤をし、果敢に仕掛けてシュートを打っているように見える。
そしてSexy Zone、更に他の若手ジャニーズメンバー、ジュニアの子たちにもこうやって遠慮なく自分を出して仕掛けていってほしいなとも思う。間違いなくジャニーズにはそれだけ面白いメンバーが数多くいる。伊野尾慧や中島健人に続けと言わんばかりにギラギラした若手ジャニーズがガンガン挑戦して行けば、また若手ジャニーズ界も活性化していくだろう。今若手ジャニーズがそれぞれ個人で徐々に居場所を見つけつつある。彼らに続いて更に世間でも「あの子は面白い」と言われる若手メンバーの台頭に期待したい。
悲報:ロシアワールドカップ1年前だというのにまるで盛り上がらない
2018年6月からロシアで開催されるFIFAワールドカップ、考えても見ればもう1年後に迫っている直近のビッグイベントである。
決して日本はワールドカップに無関心な国ではなくむしろスポーツ中継史上最高視聴率を叩き出すほど人気が定着している国民的なイベントでもある。
しかし今回そのワールドカップが1年前に迫っているというのにまるで盛り上がらず、ワールドカップ1年前だという雰囲気すらもない。
もはや世間的には空気でありそもそも次のワールドカップがロシアで開催されることすら知らない人が多いのではないだろうか。典型的な「言われて気付く、始まって気付く」パターンであり2014年ブラジルワールドカップ前とは雰囲気が違う。
予選の視聴率もザックジャパン時代に比べて落ち、正直ロシアワールドカップのことはサッカーが好きな人しか話題にしていないのが現実だ。
ただそもそもブラジルワールドカップが異常過ぎたのだろう。まずブラジルといえばサッカーのイメージが強く、日本サッカー自体も右肩上がりの調子にあり歴代最強と言われていた頃だ。有名選手も続々とビッグクラブに移籍し、親善試合とはいえ強豪国を打ち破る試合も多く本戦での成績に期待がかかり派手な壮行会まで行われた。
その結果一勝もできない史上最悪の惨敗である。
コートジボワール戦の映像は未だに録画で残しているがあれから3年、たったの1度たりとも見ていない。二度と見たくもないような悪夢の映像でありドイツワールドカップと並び日本サッカーファンにとっては語りたくもない大会である。
むしろあれからまだ3年しかたっていないのかというほど、過去にしまって封印していた大会でもあり逆に遠い昔のようにも感じる。
期待して落とされることほどがっかりするものもない。
それに比べてむしろほとんど期待せず監督が途中で交代し大会1年前に急遽戦術を変えてそれまでの親善試合もパッとせずグダグダ感のあった南アフリカワールドカップは日本サッカー史上最高の成績でありベスト8寸前まで勝ち上がり順位としては実質9位という成績を残し、アウェーで初めてベスト16に到達した大会でもある。
2011年女子ドイツワールドカップや2012ロンドン五輪における関塚ジャパンを見ても分かるよう事前にあまり期待されていない方が日本のチームは活躍する傾向にある。
ハリルJAPANも現在では散々な使い方をされているがこういうチームほど本戦ではブレイクする傾向にある。
途中グダグダでも終わりよければすべてよし、「結局本戦が全て」という考えをすればむしろこのロシアワールドカップ前の盛り下がりもポジティブな兆候にすら思えてくる。
また2016年にあったリオデジャネイロオリンピックも大会前は本当にやるのかというぐらい空気でブラジル側の運営がグダグダだったもののいざ始まってみれば日本選手団が大活躍で史上最多のメダルを獲得し大盛り上がり、夏はオリンピック一色となった。
数々のスターも登場し、大会前に空気だったとは思えない程に盛り上がった。
未だに女子レスリングの選手がテレビ番組に出演し人気タレントとして定着しているのだからリオ五輪の影響力はそれだけ大きかったともいえる。南アで本田圭佑がスターとして現れたようにロシアで新しい若手がスターとして台頭するかもしれない。
むしろ大会前に盛り上がっていない方が選手も慢心せず見返してやろうという反骨心をもって大会に挑める可能性もある。決して大会前に空気であることは悪い事ではなく、自国や自国の選手が活躍すれば自然と盛り上がっていく物なのだ。
そもそも1年前から盛り上がるようなものが今の日本にあるだろうか。そして蓋を開けてみれば結局盛り上がるのである。そう考えると日本における盛り上がりの無さは決して悲観すべきものではない。
しかし問題なのは国際的な盛り上がりのなさ、特に開催国ロシアにおけるワールドカップ熱の欠如である。このワールドカップがいまいちパッとしないのはロシア側がそれほど積極的ではないことにあるのではないか。
ロシア政府やロシアサッカー協会がいまいち広報をしておらず、むしろスポンサーが足りないとか強制労働が行われているというようなネガティブな報道が目立つ。決してロシアでサッカーが人気ではないというわけではないのだがいまいちロシア人が盛り上がっていない。
それもそのはず、今ロシア人の関心事はサッカーではなくテロや経済制裁、外交問題である。
正直お祭り騒ぎをしている場合ではないほど今ロシアは危機に直面している。あまりホストとして積極的に盛り上げようという意欲は無く、事務的にやっている印象もありロシア代表やロシアのクラブチームもそれほど振るわないのが現実だ。思えばソチ五輪の時も開催期間中にもかかわらずクリミア併合を行い、どこかスポーツイベントに冷淡な印象を感じさせる。
ロシア人自体は陽気な人も多いが事務的な運営となるとどこか冷めた印象を感じさせるのがロシアなのだろうか。
個人的にも数年前はロシアで現地観戦をするつもりでいたが、経済的な理由と安全の理由から断念しスポーツバーで見れたら御の字ぐらいに思っている。日本が盛り上がらない、ロシアが盛り上がらない、ということに加えてまず自分自身がどこか盛り上がっていないのも現実だ。
いっそのことサッカー熱が熱くかなりの観客動員数が見込めそうな中国で開催したほうがよかったのではないかとさえ思う程ロシアでは盛り上がっておらず、ロシア側からもポジティブな情報が発信されていない。
大会前の盛り上がりに欠けるのは開催国側の積極的な広報の無さにも起因しているように思う。
ただサッカー好きの間ではそれなりに話題にもされており例えばブラジル代表は出場を決め、オランダ代表とアルゼンチン代表といった強豪国は出場が危ぶまれる状況にありメッシが優勝のチャンスを逃してしまうのではないかとも不安視され結局メッシはマラドーナを越えられないのかという議論も活発になっている。
またアジア予選では当初苦戦していた日本代表が巻き返し出場権をそろそろ確保しそうな勢いでありようやくハリル体制も形が見えてきたという印象だ。
今回派手さはないもののそれぞれ堅実な活躍をしておりむしろ安定感ではブラジルワールドカップを上回る戦力なのではないかとさえ感じさせられる。代表としても個人としても派手な活躍はそれほど見られないが、戦う集団としては安定しつつあり世間的には知られていないが着々と戦力も充実し始めてきている。
逆に同じアジア予選ではオーストラリア代表が苦戦し、韓国代表が中国代表に負けるというサプライズが起きている。もしかしたらオーストラリア、韓国というアジア枠の常連が本大会に行けないというサプライズも起きるかもしれない。
仮にサウジアラビア、イラン、そしてウズベキスタンが出場を決めた場合西アジア(中東)、中央アジア方面の出場が多くなりアジアのサッカーシーンにおいて今までにないトレンドが作り出される可能性もあるだろう。
また肝心の本大会では今回も新テクノロジーが導入され、ビデオ判定が物議を醸しそうである。ブラジルワールドカップと言えばゴールラインテクノロジーとバニシングスプレーが話題になったが今回はビデオ判定が大会をどのように変えるかに注目が集まる。
そして優勝国はどこになるかという話題は最大の関心事だろう。
個人的な優勝予想で言えば今度はフランス代表になるのではないかと考えている。
これまでの大会で何度もフランス代表優勝予想が識者によってされてきたもののなかなか優勝まではたどり着いていない。それゆえに今回逆に優勝しそうなのではないかとも考えられる。直近の大会であと一歩の所で優勝を逃したフランスが今回は確実に優勝を取りに来るのではないか。ユーロ2016の時に優勝しないと自分は予想していたが今回は逆に優勝するのではないかと予想したい。
実際オッズも高くドイツ代表が最有力候補で、2番手にブラジルと並んでフランスが来ている。ドイツの二連覇も考えにくく、ここ最近欧州の国が優勝を独占しており、さらに欧州の大会で南米勢が優勝するとも考えにくい。
そして同じぐらい有力候補としてあげたいのがイタリア代表である。スペインはサイクルが終わり、ポルトガルはW杯優勝には戦力が不足している感もある中で今組織として充実しているイタリア代表の可能性は高い。イタリア代表にも優勝の周期があり、今回はその周期に当てはまるとも言われている。
個人的な希望で言えばもちろん日本代表の優勝を願いたい。
もう一つはメッシのワールドカップ戴冠も見てみたい光景だ。おそらくサッカーのストーリーとしてはそれが一番盛り上がるだろう。
しかし現実的にはフランスとイタリアではないかと思われる。また歴史的な観点で見ればフランスとドイツはロシアに弱く、サッカーの話ではないもののそういうオカルトも考えられる。ナポレオンの敗走をフランスが繰り返すのならばもうこれはイタリアしかないのではないか、いやもしかしたらこの大会でまた新しい優勝国が誕生する可能性もあるかもしれない。
プレミアリーグではレスター優勝、ユーロではポルトガル優勝と最有力候補ではないチームが最近は優勝している。逆に戦力の割に大したことない、初心者が持てはやしているだけと言われてきたベルギー代表がサプライズを起こすというストーリーも起こり得るかもしれない。
ちなみに自分はユーロの優勝予想でスペイン代表、サプライズでスウェーデン代表と予想し盛大に外しているためこれらの予想は決してあてにならない。ブラジルワールドカップでもスペイン優勝予想で挑んだがこれも外している。そう考えると逆に今回スペイン代表ありえなくもないなと思い始めてくるからサッカーの予想は難しい。
とにかくこういった感じで優勝予想をしてみると一気大会が待ち遠しくなってくる。あと1年後に迫ったロシアワールドカップ、いろんな意味で予想がつかない大会になりそうだ。
本田圭佑が次の移籍先にアメリカを選ぶ理由
ワールドカップを1年後に控え本田圭佑の去就が注目を集めている。本田圭佑はこれまでのインタビューにおいて「ワールドカップの1年間が全てと言っても過言ではない」と語っており、W杯の準備期間を過ごすクラブとしてどこを選ぶかが重要な決断になっている。
本田圭佑がクラブ選びに掲げる条件として「クラブとして計画やビジョンがあるかどうか」、そして「自分が得意なポジションでプレーできるかどうか」が本人の口から語られている。
伸びしろを伸ばし限界に挑戦する移籍ではなくこれまで積み重ねてきたものを安定的に発揮できるクラブはどこなのかを本人は今探している。
主な移籍先はJリーグ、中国リーグ、そしてアメリカのメジャーリーグサッカーだと言われており、現状その中でも特にアメリカMLSのシアトル・サウンダーズが有力視されている。
まず中国リーグだが、確かに給与の面ではこの中でも屈指でありもしかしたら欧州トップリーグでプレーするよりも金銭の面では条件がいいとも考えられる。そのため引退後のビジネス資金を得ようとしている本田圭佑の移籍先として可能性が高い。
その一方で中国リーグはまだ早い、そしてワールドカップ前にプレーを洗練させ磨き上げる場としては適さないという考えもあるだろう。あくまで今回の移籍の主眼は「ワールドカップ前にどう過ごすか」であり代表選出やプレーの質を高めるという部分において中国リーグはメジャーな選択になりにくい。決して焦る必要がないのが中国移籍でもある。
またJリーグの復帰も非常にリスクが高く、本人の年俸を支払うことができるクラブは限られている。確かに本田圭佑の復帰によってリーグが盛り上がることは間違いないが、その一方でJリーグで通用しなかった場合に代表落ちの可能性もあるということが本田圭佑に二の足を踏ませているのだろう。実際の所Jリーグをスターとして活性化できる日本人選手は限られておりJリーグのためにも本田圭佑の力は必要である。
しかしそれは「今」ではないだろう。
Jリーグへの理想的な復帰パターンはワールドカップで活躍してスターとして凱旋することだ。今の状態で復帰すればどうしても欧州で通用しなくなってロートルとして戻ってきたというイメージが付きまとう。また日本サッカーファンからの評価も確実に低下しており今復帰することはベストなタイミングとは言えない。自身のJリーグ復帰の価値が最も高まるのはアメリカで最後に一花咲かせて、ワールドカップでの活躍と共に凱旋することだと考えていてもおかしくはない。
また本田圭佑自信にはアメリカへの好奇心があるだろう。Jリーグは一度経験しており、今流行りのMLSはどんなものなのかという思いもあるに違いない。二度と訪れない現役サッカーキャリアで1つでも多くのリーグを体験したいと考える心理があってもおかしくはないだろう。
これまで本田圭佑はプライベートやビジネスでも何度か渡米しておりアメリカへの憧れも語ってきていることに加え、引退後のビジネスのために人脈作りをするという側面もあるのではないか。またあくまで海外組という肩書にこだわることもワールドカップ出場を見据えたときに重要であり、実際の所一番の理由はその肩書きだ思われる。今MLSは有名な選手が多く在籍しており一人の選手としては好奇心をくすぐられるリーグでもある。
実際久保裕也のようにベルギーリーグで活躍したことで代表での地位を獲得した例もあり、今リーグのレベルは関係ないということも日本代表選手として感じているのではないか。
本田圭佑がワールドカップ前ラスト1年をどこで過ごすか、いずれにせよ今年の夏にはACミランと契約が切れ移籍の決断を下すことになる。ワールドカップの結果を左右することになるかもしれないこの決断に注目せずにはいられない。
今のACミランの場末感はイタリア経済の象徴か?
ACミラン、そのチームはかつて火星のチームよりも強いと語られた伝説的な名門である。欧州における実績や「名門としての格」ならばレアル・マドリードと双璧をなすクラブだと主張する者もいる。イタリアといえばACミラン、そうベルルスコーニは語った。
その一方でここ数年のACミランは確実に停滞しており場末感漂うクラブとなっている。もはやまともなサポーターからは見放されウルトラスという過激な集団しかスタジアムに駆けつけず粗暴なサポーターがホームでさえもブーイングを浴びせる。
先日もサイドバックを務めるデ・シリオが家族と車で移動しているところをサポーターから襲撃されたと報道されており、ここ最近ACミランに蔓延する殺伐とした雰囲気の象徴ともいえる出来事だ。
またこのクラブは日本人としても他人事ではなく本田圭佑が在籍しているクラブでもある。そのためミラノ方面の情報は日本にも伝わってきやすく、本田の話を聞く限り良くも悪くも現在のイタリアを反映しているようである。組織自体が旧体質でありサポーターが文句を言うだけで支えようとしないクラブの現状は、外見は先進国だが実質は経済停滞に見舞われているイタリアのリアルを反映している。
段階的に改革していくことができず、即効性ばかり求め結局結果につながらないシーズンが続いておりこの数シーズンで変わった監督の数は数えることに気が遠くなるほどだ。本田圭佑もまさかスクデットはおろか、チャンピオンズリーグ圏内も一度も入ることができずそれどころかヨーロッパリーグにすらいけずに退団するとは思ってもみなかっただろう。
しかし自分はそんな今のACミランが決して嫌いではない。むしろこの場末感こそACミランの魅力ではないだろうか。暗黒期特有の場末感、殺伐とした雰囲気、みすぼらしいスタジアムの寂れた雰囲気、サッカーでしか憂さを晴らすことのできない過激なサポーターだけが居座っている状況、全盛期を懐古するしか楽しみがないこの末期感がたまらなく魅力的である。
本来サッカーとはそういう粗暴さや貧困と結びついたスポーツでもある。華やかなだけがサッカーではなくそういう現実もまたこのスポーツの一面だ。なかなか改革が進まない停滞感と「また今シーズンも駄目か」という諦めにも似た感情、そして自主的な改革により成功しているユベントスやASローマを見つめる羨望のまなざしに魅力を感じずにはいられない。そういう現地サポーターの話を聞くのが面白かったり、クラブへの文句を語る殺伐とした雰囲気にリアルなサッカーの一面を感じる。
こういった「衰退」や「諸行無常」の魅力は何もサッカーに限ったことではない。全盛期を過ぎ人気に陰りが見えるコンテンツに残ったファンがネットの掲示板などで現状を嘆きつつも衰退を受け入れる話をしている雰囲気は魅力がある。衰退期特有のもの寂しげな雰囲気にどこか落ち着きを覚える。たとえばソーシャルゲームやオンラインゲームの一生というもので、人気に陰りが見え露骨にユーザーが減少してきたとき非現実的にポジティブになりだす現実逃避的な意見もこういう時期に散見される。
例えば今のACミランで言えば中国資本に買収されたことでACミランがこれから大型補強を進めパリ・サンジェルマンやマンチェスター・シティのようにリーグを席巻し欧州の舞台に華やかに参戦することを想像するものもいる。まさに今の自分がそうであり、やはりミラノ勢が頑張らなければセリエAは盛り上がらないとも考えている。
しかし現実的に言えばユベントスのように自前でスタジアムを建設し地に足の着いたサッカービジネスをやっていかなければならず、うわべだけの資金でACミランが右肩上がりに復活していくことは希望的観測に過ぎない。実際には10年単位の長期的な改革に取り掛からなければならない。本田圭佑はミラニスタには忍耐が必要と語った。欧州での地位と栄光の復権のためにミラニスタやACミランが10年後のために種をまき育てる作業を我慢強く行えるかに「名門復活」はかかっているだろう。