いわば嵐ファンにとって最後の砦ともいえる相葉雅紀にトイプー事変が発覚し、ついに嵐もスキャンダルをコンプリートする事態となっている。
嵐ファンにとっての相葉雅紀ははまさに絶対国防圏だった。
どれだけ櫻井翔や二宮和也が女子アナに翻弄されようとも、相葉雅紀はせめてファンのために幻想を見せてくれるという存在だった。
歴戦の嵐ファンも、唯一嵐を今も追い続けているのはかろうじて相葉雅紀が存在するから、そのはずだった。
「嵐には相葉さんがいる」と誰もが信じていた。
しかしそんな相葉雅紀にも5年越しの相手がおり、高級マンションで彼女とトイプードルと共に生活し結婚を見据えているということが明らかになる。
それはまるで旧日本軍最後の砦、サイパン島が陥落しついに本土空襲が可能になったようなものだ。
相葉雅紀という絶対の砦が陥落し、ついに嵐の本土へスキャンダルの空襲が可能になったのだ。
ちなみに「嵐」という駆逐艦はかつて実在した。
ついに相葉さんも終わりか・・・とアラシアンは儚い夢の日々に思いを馳せる。
アイドルの私生活には裏があるというのは誰もが分かり切っていることで、それをどうファンに悟られないようにするかというのもその仕事なのである。
嵐はSMAP解散後、自分たちが実質ジャニーズのトップになりその"業務"を怠ってきたと言われても仕方ないだろう。
アイドルは幻想を見せてナンボの世界なので、5人とも同じような結末を迎えるというのは残念な話でもある。
そもそも嵐と言えばブレイク前にもスキャンダルがあるグループだけれども、ファンの心理としては当時の若かりし頃と今とでは意味合いが違うはずだ。
ずっと応援してる人にとっては裏切りと捉えられてもおかしくは無い。
一般の人々から見れば「晩婚化の世の中とは言えども結婚適齢期なんだから、もうジャニーズも結婚していいでしょ」という思いは確かにあるかもしれない。
しかしそれはあくまで部外者の考えで、実際何度も苦労してコンサートに行った人にとっては他人だからそう言えるとしか感じない。
自分もアイドルにちょうど自分の恋愛対象のようなイメージで幻想を持つ感情はわからないでもないので、このショックには共感できる部分がある。
本気で付き合えると信じてるのはおかしいとか、そういう話じゃなくて、時としてアイドルには幻想のようなものが必要になる。それがアイドルのプロとしての仕事だし「偶像」という意味では幻想を見せること自体が存在価値でもある。
今の世の中「リアルなアイドル」「一人の人間として私生活感や親近感があるアイドル」のような存在が持てはやされている中で、それでも最後の部分では幻想でなければならないのではないかと自分は思う。
ジャニーズとしてはそろそろ嵐にも既婚メンバーが必要で、年相応のグループにイメージチェンジを図りたいという思惑もあるかもしれない。
かつてSMAPが大人のグループとして世間に定着していたのは木村拓哉が既婚者だったからでもあり、世間は今も「既婚者=立派な大人」という価値観が根強い。
2020年の東京五輪の後に1人結婚を認めるという計画、もしくは東京五輪に相応しいグループとして先に結婚を認めるという計画だったのかもしれない。
その急先鋒として予定していたのがまさに相葉雅紀だったのではないか。
全盛期のSMAPで木村拓哉が結婚したときの衝撃は今では考えられない程大きかったと聞く。今の時代に嵐の誰かが結婚するというのはその衝撃を上回るのだろうか、少なくとも相葉雅紀の結婚は世間には庶民的な事として迎えられる気はする。
ちょうどいいといえば失礼かもしれないが、相葉さんならみんな祝福するという風潮は確かにある。
ジャニーズ事務所としては嵐ファンの反発と、世間の印象のどちらかを天秤に懸けなければならない時期に来ている。
いっそのことスキャンダルが続出したならばきっぱりと結婚を認めて、「年相応の嵐になりました」と世代交代とイメージチェンジを同時に図るという選択肢も確かにある。
その一方で「アイドルとしての嵐」の人気もまだ健在で、どちらを選ぶかというのは難しい。しかしこれだけスキャンダルがコンプリートすると、ファンのムードも変わってきていつまでもアイドルの嵐を演じ続けることは難しくなる。
今、嵐はジレンマの真っただ中に存在する。
今後どのような展開を迎えるか、激動の時代がやってきそうである。