オリジナル小説を書く時の考え方
自分は小説で何も成し遂げたことが無いしSSレベルでしかなく本当に自分が趣味でやってる時の経験に過ぎないけど自分の中で上手く楽しくかけたなと思う時には共通してる部分がある。
それは何よりも自分がその作品に没頭しているかどうか。
その世界の中に本当に入り込むことができれば自然に話が進んでいく、ゲームの主人公になったようにどんどん物語が進んでいく。最近流行の異世界転生物のよな厨二病的発想だけど自分が主人公や登場人物になるという事は大事だと思うし、そもそも小説や創作というジャンルは歴史的にそういうものだった。紫式部が源氏物語を書いたのも今でいえば腐女子の妄想であり昔から小説というのは作者の痛い妄想によって成り立ってる。
そういう厨二病的エネルギーが原動力であり、作品内に潜り込める妄想力こそがまさに小説の面白さを左右する。
そして小説を書くときいくつかの段階に分けて考えることができる。
たとえば話数方式ならば25話ぐらいで終わらせよう、アニメの1クール、2クール方式のような感じでアニメ的な物をイメージして描こうというのが最近は多い。それがわかりやすいしアニメ的にやるとイメージがしやすい。また自分もそういう感じで執筆することが多い。
そしてその時に陥りがちなことがある。
それは面白い展開はまだこの先にある、20話過ぎたごろにとっておきのシーンがあるというようにこの先にもっと面白いことが待っているという発想。
そしてその先に行きたくて早くそれを描きたいけど、今仕方なくその前の準備段階を書いているという発想。1冊形式でも終盤がめちゃくちゃおもしろくてそこを早く書きたいという風に焦ってしまったり、序盤がとにかく進まなかったりする。
そういう時に大事なのが、とにかく今を一番楽しく、今を一番盛り上げようとする事。今この時が一番大事で、ここがクライマックスだというぐらいに気合を入れて今を本気で書く。ラストを書くぐらいのエネルギーで今を一番大事に描く。そうやれは毎話すべてが面白くなる。
結局その作品を全部見て最後までたどり着く読者というのは一部なわけで、思い入れがある作者自身は全部当然読むけど大部分の人はそこまで熱心に読んでくれることはない。
自分はこんなにも面白いと思ってるしこの話が大切なのにと思いつつも、それを思ってるのは本人だけ。
呼んでる人はとにかくてっとり早い面白さを求めてるし、サクサク読めることを求めてる。重厚なものをしっかり時間をかけて読みたいという人はそもそも最初から純文学を読むわけでありわざわざネットの素人の小説に時間を費やそうとしない。
ネットの素人の小説を読む理由はてっとり早い面白さや無料で読める事、そして自分にちょうどいい作品を見つける事にもある。
そのためには作品の概要をはっきりさせるとか、普段からどんな活動をしてるかとか、わかりやすい切っ掛けみたいなものが大事になる。あとはその人が誰なのかということももちろん大事。
実際ハリー・ポッターの作者が名前を隠して小説を発表したらまったく売れずにあわてて名前を公開したというエピソードがある。世界的なベストセラー作家でも名前が無ければ売れない。誰が書くかということは大事だし、その概要がわかることも大事。
「それが流行ってるから」「有名だから」というのも立派な魅力の1つ。流行ってるから流行る、誰かの評判があるから見てみるというのは誰しもがする事だ。
そして面白いと宣伝してもらうためにはやはり毎回面白くないといけない。
アニメですら1話で切った、3話までしか見なかったというぐらいファンは厳しい。本当に毎回1話1話大切に面白く書く、これがとにかく大事。その1話ですら開始10分程度で読める範囲内や、そもそもその読んでもらうに至るまでのタイトルの面白さ、さらにその前段階として見つけてもらうことができるかどうか。
その見つけてもらうためには誰が書いてるかとか、普段その人がどういう人なのか、人脈はあるのか、マーケティングが上手いかどうか、など色んなことが求められる。
この場合例えばイラストを作品のイメージとして使うこともできる。イラストがあってこういうキャラみたいなものが出てくるんだとイメージをすぐにできればその作品にもしかしたら興味を持ってくれるかもしれない。10人中1人が興味を持ってくれれば上出来な世界でそういった工夫はそのわずかなことを左右するかもしれない。
自分の書いてるオリジナル小説にこんなものが出てきますよとわかりやすく示す方法は1つのアプローチとして有効。実際世の中の小説のほとんどがタイトルや表紙で売り上げが左右されているし、宣伝方法なども売り上げの重要な部分になる。ブックショップでも置き方や展示方法、その小説の概要などをわかりやすく書店側が示すことも大事になる。
特にネットでは小説だけじゃなかなか人の目にはつかない。イスラストのほうが見つけてもらいやすいし、イラストというのは重要な武器になる。小説しか書けないよりはイラストも書けるという人が宣伝に置いては有利。
例えば文章力では圧倒的に上手い人でもイラストを描けなければ宣伝の方法がない、しかし文章力が無くてもイラストが少し書ければ知ってもらうきっかけは増える。実際自分が今ここに載せているイラストは自分が普段描いてる小説に登場するメカの1つでもある。そういう戦争物、ロボット物なんだなというのが一目でわかるし、それで興味を持ってくれる人がもしかしたらいるかもしれない。ネットだったら画像検索で見つけてくれる人もいる。
文章上手いだけではこの世界では戦っていけないし文章上手いだけの人ならそれを本業にしてる人がいくらでもいる。有名大学の文学部を卒業した人や子供のころから小説を読みまくったり書いたりしてると言う人は多い。そういうライバルに勝とうと思ったら他のイロモノ要素や補助要素が必要になる。
これは例えるならばアイドルの世界ではいくらでも容姿に優れたメンバーがいて、ただかわいいだけやかっこいいだけでは売れないことに似ている。そのときまさにイロモノ要素や他にはない技能が必要になってくる。
自分の場合はまさにイラストを描くことやブログで創作論を語ることもである。それで自分の創作活動に興味をもってくれたらそれだけでありがたいし、興味を持っもらうきっかけは多い方が良い。アイドルでもいろんな技能を最近では兼ね備えていたり趣味を売りにするメンバーも多い。
さらにそのアイドルが小説を書くというパターンもある。
例えばジャニーズでもNEWSの加藤シゲアキが小説を書いて新しい地位を気づき始めている。ただ加藤シゲアキが名前を隠して普通に小説を書いたら全く同じ内容でもほとんど売れないに違いない。あくまで本業ではないからだ。
しかし「誰が書くか」というによって加藤シゲアキ著というブランドが保障されればそれで興味を持ってくれる人も出てくる。たとえばいくら有名大学の文学部卒業の人が無名の段階から小説を書いたのとネットの有名人が初めて書いたようなオリジナル小説、どちらが売れるか、広まっていくかと言ったらネットの有名人が書いたような適当小説の方になる。創作というのは人気商売でもある。スポーツのように明確な実力世界ではなく、人気になってみてもらえれば勝ちという世界。
ただそれゆえに実力差がある相手にも逆転ができるという世界でもある。
ちゃんと小説を真面目に書いてる人からすると遊びで適当にやった有名人になんで負けるんだと思うかもしれないけど、逆に言えば別の方面で有名になってその名前を使うことができれば有名な小説家や実力や文章力のある人にも勝てる。
実力世界に見えて実力世界じゃない要素もあるというのがこの世界の特徴でもある。創作は優れた物が勝つとは限らない世界であり人気というものが左右する。素晴らしい純文学よりもなろう小説やラノベの方が売れることもあるし、売れたらそれで勝ち。
文章力が一番大事ではない、というのは文学への冒涜かもしれないがそういう現実もまたある。
小説に大事だと思われるクライマックスの描写力や文章力、自分が書きたいシーンのイメージというのはほんの一部の一部であり、そこまでたどり着く他の要素のほうが実は大事合ったりする。いきなりゴールが手に入るわけではなく、そこに至るまでのいろんな過程や準備がなければゴールにはたどり着けない。むしろそこに至るまでの準備のほうが小説を書く上では大事なのかもしれない。
書きたいところだけや、この先にある展開にばかり気を取られるのではなく今を全力でやることや補助的な要素を軽視しないことが良い小説を書くコツなのではないだろうかと思うし、そもそもそれは自分に言い聞かせるためでもある。自分がその部分を軽視しているからこの文章を書こうとも思った。これからはそこに気を付けていきたいなと思う。