オリキャラ、すなわちオリジナルキャラクターは人気が高いコンテンツだ。
キャラクター絵を描くことが趣味の人ならば誰もが一度はオリキャラを描いたことがあるだろう。そのためイラストサイトでもオリキャラの投稿数は膨大だ。
その一方でその供給に需要が追い付いていないのも現状だ。
供給は多すぎる一方で需要は少ない
正直に言えばオリキャラのほとんどが自己満足で、人は他人のオリキャラにあまり興味がない。そのためネット経由で人気が出たオリキャラというのはほとんどおらず東方ぐらいしかないというのが現実だ。
実際自分もイラストサイトにオリキャラを投稿したり、人のオリキャラを見たりすることがあるが正直自己満足だなと感じることがある。自分がオリキャラを投稿してもあまり閲覧数が無かったりそのキャラが人気になっていくことはないし、人のオリキャラでもほとんどが誰からも見向きもされずにいる。
オリキャラで成功している人はごく一部であるしそのオリキャラもキャラデザや設定で人気が出ているというよりも単に上手い人が上手い絵を描いているからであってオリキャラそのものの魅力ではなかったりする。
つまりオリキャラは需要がないのだ。
人のオリキャラを見るのが好きという自分のようなマニアックな人もいるが、実際は少数。そして見たとしてもそこまで好きにならないのが現状だ。ただ参考にしたりするだけで心の底から気に入るようなオリキャラというのはあまりない。
逆に自分のオリキャラはどれだけクオリティが低くても愛着がわく。
自分のオリキャラは可愛くて他人のオリキャラは可愛くない、これが大多数のオリキャラ描きの本音かもしれない。
「うちの子が一番」という親ばかにもにた感情があるのだ。
逆に「よその子」は血の繋がっていないよその子でしかない。
しかしそのよその子でも、うちの子と仲良くしていたり家族ぐるみで仲が良かったらどうだろうか?人の家の子供でも家族ぐるみの関係があればどこか親近感がわく。
それと同じでオリキャラもオリキャラを描いている人同士で交流したりオリキャラ同士が作品内で関わり合いが合ったりコラボがあれば一気に親近感がわく。
つまりオリキャラというのはコミュニケーションで広まっていくのだ。
それまでどうでもよかった人のオリキャラも自分のオリキャラと絡んだり、その描いている人と仲良くなれば一気に「身内」になってくる。そうすると「○○さん家の子」という感覚で近い存在になるのだ。
そういったコミュニケーション能力によっていろんな人と絡んでオリキャラの描きあいをしていたり、自分のキャラクターを広めていくプレゼンテーション能力がある人は自分のキャラを人気にすることができる。
逆に言えば上手くてもコミュ力がなく、他者と関わらず一人でやっていたらそのオリキャラは広まっていかない。そもそもイラストサイトというものの実態は絵師同士の交流である。見ている人、いわゆるROM専の人はほとんど反応をくれないが絵師同士だとコメントし合ったりしてそれがモチベーションになる。いってみれば馴れ合いのようなものだが、その馴れ合いも楽しいは楽しい。何の反応がない事よりも馴れ合ってでも交流したほうが楽しいことに変わりはない。
逆にそういうコミュ力がないと、よっぽど上手かったり需要にマッチしたいわゆる閲覧者に媚びたものを描かない限り反応をしてくれない。
通常の画力、通常以下の画力で普通にやってても驚くほど誰も反応をしてくれないのが現実だ。イラストサイトを見ている人は動画サイトを見ている人に比べて反応をしない傾向にある。これはやはり絵師の親近感がイラストでは伝わりにくいという側面もあるのかもしれない。
また親近感を感じさせるように投稿者コメントやタイトルでやっても、なかなか反応してくれないことがある。見てる方としては「コメントしていいのかな?」という雰囲気がやはりどうしてもまだイラストサイトにはあると言わざるを得ない。
実際かなり上手い絵でも無反応でコメントが一切ない絵がイラストサイトにはかなり多い。
とくにROM専で自分は投稿していないユーザーは、なおさらコメントしにくい雰囲気があるのも現実だ。それは投稿している側がもしかしたら「投稿してない人からのコメントはいらない」という雰囲気を出しているせいなのかもしれない。本当はほとんどの投稿者がROM専の人からのコメントを欲しがっているので気に入った絵を見つけた人はがんがんコメントするのがその絵師を育てることにもなるのではないかと思う。
少し話が飛んだがROM専ユーザーであっても、投稿者ユーザーであっても自分からコメントしにくかったり他者に絡んでいきにくい雰囲気がやはりどうしてもイラストサイト全体にはあるのかもしれない。
そういう意味で実際他ユーザーと絡んでいくには「自分から話しかける」という事がどうしても必要になる。基本ほとんどのユーザーが「待ちの姿勢」であって交流がなかなか進んでいかないという現実もある。
そういったコミュ力がない限り、自分のオリキャラを広めていくという事はできないのが現状だ。ただオリキャラを描いて待っているだけでは誰も描いてくれないし、誰も好きになってくれない。
その結果「うちの子」はいつまでも誰かにとっては「よその子」でしかない。
待ってるだけでは結局自己満足の有象無象のオリキャラになってしまい、よほど親切な人が登場して描いてくれるまでは誰も描いてくれない。「描いてもいいのよ」というタグがあるが、そのほとんどが無反応だ。
誰もが自分が書いてもらうことを待っているが、自分から描くことをしない。
よその子を描くからうちの子も書いてね、というような暗黙の了解がまだ普及しておらずオリキャラ描きのほとんどが「描いてもいいのよ」と待ち状態。
要するにオリキャラ描きというのは自分のキャラを過大評価しているのだ。うちの子は誰よりも可愛いと思っていても誰も興味がないのが現実だ。その現実を知らずに待ってるだけの受け身の姿勢では自分のオリキャラは広まっていかないし人気も出ない。
つまりオリキャラ描きの仲間を見つけるのがオリキャラを広める最大の手段なのである。自分が相手のキャラを描くことによって向こうも自分のキャラを描いてくれる、そういう利害の一致する関係は実は強力。今の時代投稿者が多すぎて弱小絵師は這い上がっていけない。その時にそういった弱小絵師同士で交流することは大事になる。
いつまでも一人で書いていても未来が見えてこない。
そのことを理解してお互い協力することが近道だということを理解してる賢い関係を構築することが大事になってくる。「こっちが助けるのも自分のためになるし、助けてもらうのも向こうの為にもなる」という利害関係を上手く理解し合える関係は強い。
ただ難しい物で、お互いちょうどいいレベルでなおかつコミュ力がある関係というのは難しかったりする。上手い人のほとんどが自分より下の画力の絵をわざわざ描かないし興味も持たない。上手い人はせっかく自分が培ってきた画力を、わざわざ自分よりレベルが劣る人間のために使いたくないのだ。
上手い人に言わせれば「自分で画力を上げる気もないのに、描いてもらう事だけを待っている人のために描いてやる必要はない」という考え方なのが正直な部分だ。
自分より下の人と絡む親切な人はなかなかいない。
やっぱり自分より上手い人と絡んでレベルを上げていきたい、自分のキャラを広めてもらいたいというのが正直な心理だ。
かといって同レベルの絵師同士はそういった協力し合う事の重要性を認識していない人が多い。ずっと個人でやり続けても先が見えない現実を理解していない人や、人と絡むことに抵抗がある人が多い。
それゆえにちょうど良い協力関係や仲間を見つけることはかなり難しいのが現状だ。
だからコミュ力が必要になってくる。少なくとも待っているだけではそういった関係は自動的に築かれない。投稿してるだけではほとんどの人が見ているだけで、よっぽど上手くない限り人は寄ってきてくれない。
そのためには自分から絡んでいくコミュ力が必要。
オリキャラ、オリジナル作品、個人創作、そういったものに必要なのは何よりもコミュニケーション能力なのだ。逆にそれができている人は実力以上に評価を集めたりコメントやお気に入りを集めたりすることができる。イラストサイトというのはまさにコミュ力が試される世界なのだ。