「北の将軍金正日が勝負を仕掛けてきた」
この画像に見覚えがある人は昔のインターネットを知っているに違いない。
最近話題の北朝鮮だけども、2代目将軍の金正日はポケモントレーナーでもあったのだ。自分はこの画像を小学校のパソコンで見たとき爆笑した。
インターネットっておもしれえって思ったきっかけのような画像がこの金正日の画像かもしれない。
ポケモン金銀のトレーナーとして金正日が出てくるコラ画像として非常に懐かしい。懐古になってしまうけどあの頃の北朝鮮ネタとか韓国ネタは面白かったなぁと懐かしまずにはいられない。
金正日の手持ちはなんだろう。
ピョンヤンジムで勝てば金日成バッジをもらえるぞ!
それにしてもこの頃の北朝鮮って今以上にヤバかったよなぁ。当時の北朝鮮はもっと怖かったしヤバかった。今は何やってもコメディに見えるし、もう世界もやるやる詐欺に飽き飽きして狼少年みたいになってる部分がある。
2006年ぐらいにテポドンとノドン発射しまくったあたりがピーク。
古い映像とかで北朝鮮軍特殊部隊のヤバイ軍事訓練の映像が連日報道されてたり、脱北寸前で失敗した親子の映像とかそういうドキュメンタリーや報道が数多くあった時代。あの頃は本当に北朝鮮って怖い国だなぁと思ったし、サッカーとかでも北朝鮮代表が出てきたときはヤバイ感があった。
そしてそれはテレビだけでなくインターネットでも同じだった。
あの頃のネットの南北朝鮮ネタはワクワク感あった。北朝鮮フラッシュとか本当に面白かったし、韓国情報を取り扱ったサイトも今とは雰囲気が違ってた。エンジョイコリアがあった時代なんだよなぁ。韓国側からだとエンジョイジャパンで、エンコリが閉鎖したときは日本人と韓国人がお互いネットで喧嘩してたけど最後は戦友だったと認め合ったという面白いエピソードもあったりする。
そういうの見て近くて遠い国でエキゾチック感があって多少誇張された表現があったけども北朝鮮と韓国ってとんでもない国だな、と思った時代。
当時は今と違ってまだ韓国情報や北朝鮮情報が正確に入りにくい時代だったから良くも悪くも不思議で面白かったとは思う。
時代も金正日政権時代で今以上にトガってたというか過激でしかもレトロな雰囲気が今以上にあった。今の北朝鮮ってわりと最先端技術が一部ではあるけど入っていて写真とかは本当に鮮明になった。それゆえに抱いていた幻想というかイメージが崩れた感はある。思い出補正になってしまうけど、一昔前の古い画質の映像で一部の情報しか伝わってこない時代はワクワクした。
もう今は北朝鮮がHD映像を使う時代だよ。驚かずにはいられない。
ちょっと前までは韓国ですら画質はかなり悪かったけどもうすっかり韓国は液晶レベルや映像技術とかで日本と同レベルになった。日本企業が技術者を大事にしないからヘッドハンティングでサムスンとかLG電子に持っていかれるというもあるけどもとにかく当時の南北朝鮮はまだ今よりエキゾチックで、日本もまだGDP2位で世界最先端の国だった時代。
そういう時代背景に見た朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮は今よりも不気味だった。
そういう不気味さがワクワクしたんだろうね多分。金正日だったというのも大きい。やっぱり金正恩はまだ若くてどうしてもコミカル感がある。ジョンイルのほうはガチでヤバイ独裁者感があった。カダフィもまだ生きてた時代だし、フセインもいたし、トルクメニスタンのニヤゾフもいた。あの頃はまだ面白い独裁者が世界中にいっぱいいた。そいつらと並んで近い国に金正日がいた時代は独裁国家マニア的には面白い時代だった。
ただその金正日も初代の金日成に比べれば小物。
金日成時代体験したかったというのはある。
金日成時代の北朝鮮を見て見たかったし、キムイルソンのほうはガチ感ある。当時の日本じゃまだ「きんにっせい」と言われてた時代らしくて朝鮮語読みが日本ではまだ普及していなかった時代。毛沢東とか中国人の名前のように朝鮮人の名前も日本語読みだった時代。そういうエキゾチックな時代。
また東西冷戦真っただ中で南の大韓民国(韓国)との熾烈な対立を繰り広げていた時期でもある。現在の韓国は民主化後のイメージがあるが、当時は日本にとって近くて遠い国であり朴正煕(パク・チョンヒ)という満州軍出身の軍人がクーデターを起こし軍事独裁政権を敷いていた時期でもある。
金日成と朴正煕というガチガチの独裁者同士が対立していた時期というのは様々な衝突が起こり、良くも悪くも緊張のある時代だった。
そんな北朝鮮としてはこの南北対立において負けないためにプロパガンダや工作はあたりめで「柳京ホテル」という"世界最大の廃墟"と言われる世界一を目指したホテルがある。
そういうのを作ろうとしてた時代だったし、経済制裁以降で万景峰号 (マンギョンボン号)みたいな連絡船があった。2006年ぐらいの経済制裁でこのマンギョンボン号が禁止にされたときは「それくらいやって当然」という感情もあったと同時に、ちょっともの悲しさもあった。
あれ以来、北朝鮮産のマツタケとか、北朝鮮産のアサリとかもスーパーで見かけなくなった。小学校の時に北朝鮮産松茸をスーパーで見たとき「まずそうだなぁ」と思ったのがちょっとした思い出。
なんだかんだであの頃の朝鮮民主主義人民共和国ってノスタルジーみたいなものがあったよなぁと思わずにはいられない。
ヤバい雰囲気と同時に、どこか旅情を誘うようなノスタルジックな雰囲気があった。怪しい国家に憧れがちな年頃だったというか、今もそうではあるんだけど今の北朝鮮を見て当時とだいぶ雰囲気変わったなぁと思わなくもない。日本の北朝鮮報道のトーンも結構変わったし日本人の北朝鮮への印象も微妙にだけど変化している。
自分がこうやって朝鮮について語るのは思想的に共感してるわけではまるでなくてむしろマニア的趣味や「共産趣味」的な部分がある。
趣味と政治的な考えは分けて考えてるけど、それゆえに思い出補正みたいなものもあるかもしれないし、もはや体験してない時代にノスタルジーを感じていたりする。
もしかしたら本当のピークは1970年代ぐらいかもしれない。
当時はソ連もまだあってガチガチの冷戦時代でまだ韓国との軍事力や経済力の差が開ききってなくて、前述のように北には金日成がいて南には朴正煕がいた時代。
キム・イルソンVSパク・チョンヒというキャラ濃い南北どっちも独裁者が日本のすぐ近くの場所で争いを繰り広げていた。
この頃の時代体験して見たかったなぁというのはある、半島問題がどうなるかというのは今以上に緊張しており本当に戦争が始まってもおかしくない雰囲気があったのではないかと推測する。
確かに今現在でも南北朝鮮半島問題は緊張しているが本当に統一のために戦争が起こることは現実的には考えにくい時代になっている。
ソ連がなくなってから北朝鮮は社会主義の御本尊を無くしてしまって本気で南北統一を目指さなくなった。南北統一ガチで目指してた頃の朝鮮人民軍の方がかっこよかったんだよなぁと思うのである。
体験してないから勝手に美化してる部分もあるけど、「当時の冷戦面白そうだなぁ」と思わなくもない。ソウルオリンピックもまだだし、よど号事件で犯行グループが北朝鮮目指せとか言ってた時代。韓国大統領府にあたる青瓦台を北のグループが襲撃してたり、ラングーン事件みたいなものもあって朝鮮戦争再開の危険性がまだ現実味を持っていた頃だし赤軍もいたし左翼がちゃんとした極左だったころ。左翼がちゃんとエリートだった時代。憲法もろくにわかってないお祭りはしゃぎしたいだけのシールズ(笑)の時代と違って本当に頭のいい人たちが左翼をやってた時代。偏差値28じゃなくてガチで大学生がまだエリートだった時代。法政大学ですら雲の上の高学歴だった時代とは聞いている。
そうやって今みたいに馬鹿が左翼やりはじめてから左翼サイドも面白くなくなったよなぁ。自分は左翼じゃないけど昔の左翼は思想的には共感しないけどまだちゃんと頭がよかったしインテリがやってた。
当時の左翼はガチでヤバイやつら感あったけど、今のなんちゃって左翼は全てにおいてしょぼい。東大安田講堂を占拠した極左学生に比べると何がシールズだよって思うし、解散して当然の結果。お花畑感ありすぎて、ガチ感がない。
それに比べると連合赤軍とか、革マル派とかすごかったんだなぁと思う。右翼の方も三島由紀夫が自衛隊駐屯地にクーデーターしにかかったし、左右共に尖ってて元気だった時代。今はどっちもネットでやりあって満足だし近隣諸国の事ばかりでスケールが小さくなってる。左右どっちもしょぼくなった。
とにかくその頃はソ連もあったし中国も毛沢東がいた時代とか、何かワクワク感を感じる。ソ連や金日成を知らないから美化してる部分ももしかしたらあるのかもしれないけどそういう時代背景の北朝鮮って今以上に秘密のベールに包まれててヤバい感があったし、それゆえに怪しい国家マニア的には体験してない時代ではあるけどどこかワクワクする。今の時代はグローバル化の時代でそういう個性がなくなってきてるんじゃないかなと思わずにはいられない。
もう今後こういった過激な国は出てこないかもしれないしこういった国家は近代の遺物でしかない時代になるだろう。
でもそういう古い物も心のよりどころにする人は多くいる。
日本というのはどうしてもアメリカの影響下にある西側だから、東側諸国に対しては負の側面しか報道されないけど、そこにもやはり人々がいて文化がある。
そういう部分ももしかしたら注目されなおしてもいいのかもしれない。