MOMOLANDのBAAMといえば、このグループの存在を世に知らしめたプムプムの次に登場した曲である。ダンスがハイスピードであることと、扇子を使った演出が斬新で、そして世界中を旅する内容が面白い曲だ。
正直自分は「MOMOLANDはBBoomBBoomの一発屋な存在になって、その後消えていくのかな」と思っていたらそのBAAMがかなりクオリティが高くて驚いた経緯がある。
そしてまさかそのBAAMまで日本語版がリリースされるとは思っていなかったのと、その内容がかなり面白いことにもう一度驚かずにはいられない!
BAAMの特徴として、韓国からスタートしてベトナムやフィリピンのような東南アジア、そしてアフリカのエジプト、ヨーロッパはベルサイユ宮殿時代のフランスを旅していくストーリーがある。
これが結構面白いというか、かなり凝っていてMOMOLANDのMVは毎回見る作品としても楽しい。
ただ舞台として日本は登場しなくて、日本のメリー(=モモランドファンの愛称)としてはちょっと寂しかったというのも本音だった。
しかし今回、なんとMVが丸々日本が舞台になっていて、単なる日本語吹き替え版以上のクオリティになっている。
プムプムの日本語版は夏をイメージして南の島のサイパンで撮影されている内容で、そこまで日本的な特色は無く、日本語版になったんだという印象だった。
単なるよくK-POPにある吹き替えといえばそれまでで、元々の韓国語版に比べればリズム感や韻の違いがちょっとあるという変化にすぎなかった。
ただ今回のBAAM日本語版は、日本語であることに意味があるというか翻訳してることの特色を上手く使っていると思う。元々世界を旅するというストーリーの設定と、日本語版のリリースというのをこうして組み合わせるというのは面白い手法で、こういうやり方もあったのかと感心する。
ミュージックビデオの映像もいい意味で外国人がイメージする日本を再現していて、渋谷のスクランブル交差点や銭湯、たこやき、日本風の制服と日本的なものを上手く取り入れていて、本当に日本のメリーとしては嬉しい限りだ。
ヘビンがショートカットを生かして男子高校生役で、ジュイが熱烈に恋をしているという設定も面白いし、自転車で追いかけるシーンも面白い!
韓国の制服は基本的にブレザーか、韓国独自の伝統的なスタイルかに分かれていてセーラー服は日本にしかないというか、制服で典型的な日本のイメージを再現しようとすればブレザーよりもセーラー服になる。
その意味でセーラー服姿のメンバーは貴重で、更に言えば韓国は坂道が多いので自転車があまり普及しておらず、自転車も日本っぽい演出の一つになっている。
デイジーのセーラー服版が見られただけでこのMVを見た甲斐があった!
更に面白いのがジェインがたこやきの職人風になっているのも面白くて、これまたファンにはたまらないシーンかもしれない。韓国にもたこやきはそのまま「たこやき」として普及していているし中には平仮名を使った看板もあって日本のイメージになっている。
ちなみにこのたこ焼き屋コスプレをしているジェインは、MOMOLANDの中で最も日本語が堪能なメンバーで、更に日本食にも詳しかったりする。
親子丼の語源の意味を理解している日本通な韓国人がジェインというメンバーである。
そういった事情もあってもしかしたらこの大役に選ばれたんじゃないかと、勝手に推測せずにはいられない。
もしかしたら「日本を舞台にした設定だから日本に詳しいジェインを主役に抜擢しよう」なんて会話もあったのかも!?
もうこれからジェインは日本では「あのタコ焼きやコスプレしてた子」みたいな認識になっていく可能性もありそうだ笑
あとは何よりナユンが療養から復帰したことが朗報で、9人の完全版MOMOLANDが遂に帰ってきた!ナユンは声が綺麗なので絶対にこのグループには欠かせないし、もちろん誰一人として欠けてはならない程に全員が個性が強いのがグループの特色だ。
そしてもう一つ面白いのが、元々モモランドの演出に多用される合成で人が増える手法に加えて日本語の文字が映像として使われていることにある。
ここ最近のK-POP界隈で、文字を映像に使うというのは流行っていて例えば防弾少年団はハングルや漢字をスタイリッシュなデザインとして取り入れているし、洋楽のアーティストともコラボして英語をハングルで表記するという試みもしている。
最近外国人の間でカタカナのデザインが面白いとうけているのはよく見かけるけども、こうしてMVで海外アーティストが使ってみると中々面白いなと。
実際MOMOLANDは日本人にとって韓流の海外アーティストといえば海外アーティストなので、デザインとして日本語表記を使うという発想はそういうところから生まれたのかもしれない。
それにしても正式名称は分からないけども、人が増える映像演出はもはやモモランドの十八番というか、これがあるからこそモモランドという感じがする。もちろん他のアーティストやグループも使っているけれども、ここまでこの手法を使ってグループの特色にしているのはMOMOLAND以外にそう多くは無いのでこのグループのアンデンティティにさえなっている。
そもそもMOMOLANDのMV自体どれも面白いというか、韓流の中でもかなり異色なほど笑いに振り切ったノリは楽しくて自分自身ここ最近はまりまくっている。
グイグイ来る感というか、テンション高い謎集団なところが好きで、日本のアイドルで言えば関ジャニやジャニーズWESTのような立ち位置に近いかもしれない。
正統派や王道からははずれるけども、勢いで成り上がって行こうとするグイグイ行く感ははまればたまらない!
MステでDA PUMPのUSAが若者にうけて再ブームになっているという話がとりあげられていて、その理由が「ダサかっこいいから」と最近の10代がインタビューに答えていたシーンをつい最近見た。
その意味で、ダサかっこいいというのは最近のトレンドの一つかもしれないし、実際このBAAMもちょっとダサかっこいいところがある。
今の時代は見ていて面白い作りのMVや、ダンスパフォーマンスを見て楽しんでいくうちに音楽も好きになっているという時代になっているように思うし、ダサかっこいいダンスというのは一つの流行という領域に達している。
このBAAMも元々ダサかっこいい感じの振り付けが多くて、そのトレンドを上手く反映しているしノリノリにハイテンションになれる良さがある。
ただ問題なのが、このダンス相当難易度が高い!
文化祭でK-POPのダンスミュージックを披露するというのが巷で流行っているらしいけれども、BAAMを再現出来たら尊敬するというぐらい早いし難しい。
高いダンス能力で選抜されたプロのK-POPアイドルだから出来るというか、MOMOLAND史上最高難易度といっても過言ではない。急増しているダンス部でも、この曲は相当難しいんじゃないだろうかと、ダンスが授業になかった時代の人間としては思わずにはいられない。
いくらダンスが流行っていると言ってもこのスピードでこの振り付けをして揃えるのは傍から見れば簡単には見えないし、実際モモランドのメンバーも扇子を着脱する時に落としたことが何回かある。
MOMOLANDメンバーのダンススキルを限界まで出し切った最高傑作とも言えるし、当の本人たちもミスをするぐらいなので、それだけに完成したときは本当に見ごたえがある。
このようにBAAMについて語れば時間がいくらあっても足りない程それぐらい自分はこのこの曲が好きなので、日本語版がまたもやリリースされたことにとにかく喜んでいる!