何気なくおすすめ記事を見ていてBLACKPINKのリサのファッション記事があるなと思っていたら、二度見するとそれがあのヴォーグに掲載されているものだったから更に驚いた。
さすがにファッションに疎い自分でもVOGUEは知ってるわよ。
あの、アンミカ先生のパリコレ学で出てきたアメリカの雑誌でしょ、知ってるわよ。
それで凄いじゃんと思って見たのは実は日本語記事で元をたどればちゃんとUK版記事があった。
今回そのUK版記事を自分の英語勉強も兼ねながら、「KPOPやファッションに興味はあるけど英語は大の苦手」という方向けに、教えることも勉強になるので解説していきたい。
難易度的には普通に大学受験で役に立つレベルどころかネイティブの表現も兼ね備えている。もうこれがわかれば中学高校は普通の授業なら余裕レベルだ。
更に本当にファッション好きの人にはたまらない記事なので、是非この記事読み終わったあとでも、UK版のVOGUEを英語の教材としても読んでいただきたいほどおすすめだ。
翻訳ソフトを使ったり、一つずつわからない単語を調べたりしながら勉強するのが大事だし慣れれば楽しい。
自分の場合、普段、歴史や世界情勢、軍事の記事ばかり読んでいるのでそういった方面の単語は強いが、こういったファッション記事は未知数でとても有意義だった。慣れない単語が出てくるし、特にフランス語由来の単語が多い。英語はレベルが上がれば上がるほどフランス語がマジで出てくる笑
そもそもドイツ語とフランス語がなければ英語なんて地方の訛り言葉でしかないのによく世界最強言語まで上り詰めたものだ。
では前置きは終わりにして、まずこの記事のタイトルから。
Whether You’re Into K-Pop Or Not, Blackpink’s Lisa Has A Style Lesson For You
あなたがKPOP好きかそうでないかに関わらず、ブラックピンクのリサは(ファッション)スタイルのお手本を持っています
この文は非常にシンプルになるべく直訳するとこういった意味になる。
簡単すぎる文章なのだが、以外に日本人が重要さに気づかない単語がある。
これすなわち「into」だ。
近頃は小学校で習ってもおかしくはない前置詞だが、日本の英語教育ではこのintoの大事さをほとんど教えていない!
you're into kpopでもう、けーぽにハマってる、みたいな意味なのにbe動詞+interested inみたいなことしか教えない。
自分は「ネイティブの英語表現」みたいな本を読んだことがあるのだが、ここでもintoは意外なところで出て来る。こんな簡単に言い表せるんだなと。
この超基本の前置詞をうまく使えるかどうかが英語力の差になる。
この先はちょっと長文になるので、気をつけて読んだほうがいい主語のまとまりは太字で強調して、あまり読む必要はない固有名詞の部分はカッコ書きでカットしている。
While all four members of the girl group Blackpink have dabbled in the world of haute fashion, it’s Lisa whose presence is the most notable.
はい、出てきましたさっそくフランス語!
いちいちそんな気取った書き方すんなよと思うかもしれませんが、これ天下ファッション雑誌であるのヴォーグです。こういう表現は世界共通でそういう文化らしいですよ。
よくフランス語で高級な一点物という意味で使われる「オートクチュール」のオートがまさにhauteで英語ではホートと読む。
Whileは超ネイティブ大好き表現で「〜している間」みたいな意味だけど「ですが」みたいな文にもなる。
つまり「ブルピンの4人は全員、高級ブランドの世界に関わっていますが、リサの存在は特別です」という意味合いになる。
whoseは名詞とセットでよく使う。
It is Lisaと強調して、「そのリサの」と二重で書くのはダルいからwhoseで代用しプレゼンス(存在感)はノータブルですよと。
Take for instance her traffic-stopping appearance at the Prada show in February, where she sat front row in a metallic gold skirt suit (from Mrs Prada’s spring/summer 2020 offering,) basking in the knowledge that it was the key look of the collection, and that all eyes were on her.
For instanceはFor example並に使われる「例えば」という意味で、「traffic stopping appearence」というのはおそらく「渋滞、すなわち人混みを一瞬にして彼女にだけ注目させることで止めてしまうほどの登場」みたいな感じのニュアンスだ。
フロントローは前列、basking in the knowledgeは誰もが知っている知識を浴びて、と直訳できる。
その知識とは何かというと「そのコレクションのキー」でそれは「プラダのショーでの2020年春夏モデル」で、誰もがリサに目を留めていたという内容だ。
単純に省略して書くと「例を上げれば、新しい季節のトレンドカラーを、2月のプラダのショーでの前列で見せたゴールデンな衣装を身にまとったリサは聴衆を釘付けにしました」みたいな意訳になる。
It wasn’t a one-off(一回限り) – the Thai K-Pop star elicits a similarly frenzied reaction whenever she attends a show.
チャンネルをオフにすると言うように、ワンでオフするということは一回で終わりという意味で「one off」だ。
elicitはなんと英検一級レベルの単語で、引き出す、誘発する、という意味
frenzyも一心不乱のという感じで、相当ハイレベルな単語だ。
ようするに「リサがショーに参加して今回と同じように熱狂を巻き起こすのは一回限りではありません」「リサはこれまで何度も今回のようにファッションショーで衝撃を与えてきました」となる。
The 23-year-old musician(=リサ) is fast becoming one of the world’s most-watched style mavens.
この文が一番自分が翻訳したかったフレーズだ。
英語はとにかく、主語を書かなければいけない言語だからこそ、同じ主語を使いたがらず、なるべく言い換える。
この場合「23歳のミュージシャン」と表現されていて、大げさでもなければSheとかここで使うのも素人っぽすぎるのでいいバランスだ。まあ普通のテクニックというかよく見る表現。
fast becoming、何かに凄い勢いでなっている
ではそれが何かというと「世界で最も注目されるオシャレ番長」であると。
この文章のポイントは「style mavens」なのだがメイブンは達人とか通、専門家、物知りという意味合いでこれまた気取った用語だ。
これは完全に意訳だがオシャレ番長だとしてみた。
実は最初のタイトルでもファッションレッスンと言わずにスタイルレッスンと書いてある。つまりネイティブ間ではもうスタイルで通じるのだ。
よってスタイルメイブンという表現が成立する。
つまり現在進行形で、「彼女は世界で注目されるファッションアイコンの一人になっています」という意味合いになる。
Her personal taste is intriguing(インチュリギン、面白い): while her stage looks are packed with look-at-me glitz, her day-to-day ensembles(組合せ) are distinguished by a primness(控えめな美しさ) that manifests(表れる) in tweed cropped jackets (by Celine )or ladylike prints (by Mulberry or Michael Kors. )
これは対比の表現で、「私を見てというきらびやかな雰囲気のステージ上での姿」に対して、日常のコーデに垣間見えるさりげないツイードのジャケットや女子っぽい柄を区別している。
Then there’s her love of logos – witness a particularly outré Louis Vuitton monogrammed fleece that made for inspiring airport attire.
ロゴスというのは古代ギリシャ語まで含んでいるので、意味を定義する事は難しいが詩的な表現で「そして、そこには彼女の愛の真理や哲学がある」みたいなことをヴォーグは表現したいのだろう。
outréという再びフランス語登場、ユトレイと読んで突拍子なという意味だ。
そしてファッションに詳しくない自分はfleeceが羊毛だと調べて知った。
正直、この文章の意味は自分ではわからなかった。
奇抜なデザインのルイ・ヴィトンの刺繍の、空港での衣装のために作られている、という意味がわからない。
おそらく推測ではあるが、韓流アイドルの場合、いわゆる空港ファッションショーというのがあって世界で活躍するからこそ行き来が多く、そこで私服が披露されるからmade for inspiring airport attireと表現したのではないかと考えている。
こういう高級な文体ではわかりにくい表現を使うから意図を汲み取ることが難しい。
Here, Miss Vogue presents nine style takeaways to note from Blackpink’s Lisa Manoban’s wardrobe.
テイクアウェイというのはお持ち帰りの料理、つまりこれだけ持って帰ればいい要点、重要点という意味だ。
to+動詞はしておくべき、という役割も果たす。
wardrobeはクローゼット、衣装コレクション
「以下がヴォーグがプレゼンするリサから学びたいコーデ9選だ」
以上で前置きの翻訳が終わりだ。
原文は短いのだが、とても長くなってしまった笑
ちなみにこのヴォーグ選出のリサコーデで、10点満点中10点がつけられたのこのスタイルらしい。
こう書いてある。
Lisa frequently errs on the preppy side, but never more so than with this Prada look. From the subtle floral shirt — collar and cuffs exposed — to the lattice-like detail on both her bag and her loafers, this outfit earns her a 10 out of 10 from us.
ヴォーグ評論家曰く、さりげない花柄の襟と袖の出し方がいいのと、ローファーとバッグの統一がいいらしい。
collar(襟) and cuffs(袖) exposed
普段自分が読んでいる記事ではジャンルが限られているので、こういう何気ないネイティブなら誰もが知っていそうな単語を意外と知らない。だからこそ自分が詳しくない分野も学ぶ必要がある。
違う興味の事を読む事で、ローファーは意外と英語でも使うんだとかそういう意外な驚きもある。
いや、本当に疲れた笑
この例以外にもコーデの実例がいくつも乗っているし、興味があれば最初にも書いたように、あのVOGUEさんで是非ファッションのついでに英語の勉強をするのも面白いんじゃないかと思いますよ。