elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

本当にロシアでFIFAワールドカップをやるの?

これほど来年ワールドカップだという実感がない年も珍しいほどに来年のロシアワールドカップへの実感がわかない。ワールドカップ前年はたいていもうすぐワールドカップという雰囲気になるが、今回に関しては「ほぼ空気」という状況だ。

 

世間的な扱いはもちろんのことサッカーファンの間でも「ロシアでワールドカップが開かれる」という雰囲気は漂っておらず「言われてみれば来年ワールドップだな」という印象しかなく、ロシアという国で開かれる事に対してはもはや何のイメージも無いという状況に近い。

サッカーファンのブログやサイト、掲示板などでもサッカー自体への展望はあるのだが「ロシアでの大会」という事に関して語っている人はほとんどおらず改めて日本人のロシアへの関心の無さが浮き彫りになっている。

領土問題のこともありほとんどん日本人はロシアに好意的なイメージを持っておらず、冷戦も長く続いたため隣国にもかかわらず交流がそれほど活発化してこなかったという歴史的背景が存在する。

 

それでも一部ロシア好きは存在するが、ほとんどが軍事や兵器、社会主義ソ連時代への関心、もしくはフィギュアスケートなどのウィンタースポーツへの興味に限られる。音楽や芸術、文学に関しても一定の関心を集めているがそれほど人気な国ではなく、その一部のロシアファンは今度は逆にサッカーへの関心がないことが多い。

自分のようにロシアもサッカーも好きという人は少数派であり、サッカーに興味はあるけどロシアには興味ない、ロシアには興味あるけどサッカーには興味ない、そもそもどちらも興味がないという人の方が多数派である。

ブラジルの時は「ブラジル=サッカー」というぐらいサッカーのイメージが強い国での開催であり、「カーニバルやお祭り好きのラテン気質の国」という国のイメージもあり本大会へのポジティブなイメージをしやすかった。

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しかし日本人のロシアへのイメージといえばたいてい冷たく暗いネガティブなもので、どうしてもロシアでのFIFAワールドカップという事に前向きなイメージを持ちにくい。それに加えて現在経済制裁中の国であることも盛り下がる要因になっている。

実はロシアのGDPは韓国よりも低く、国民一人あたりのGDPとなると世界で70位ぐらいに今経済が落ち込んでいる。

ロシアでのワールドカップ開催が決まったときはまだ経済制裁も行われておらず経済も上り調子でBRICSとして次世代の大国のように扱われていたが、今のロシアは経済成長も鈍化しもはや大国とは言えない状況になっている。

それゆえに大会期間中にロシア人が自国の大会を盛り上げることは想像しがたい。ロシアに決まったときは「2018年のロシアは凄いことになってて派手な大会になるだろうな」と想像していたが、今現在「過去最高に地味な大会になりそうだな」という展望を持たずにはいられない。これでドイツ代表が優勝すれば新鮮味にも盛り上がりにも欠け、誰もが白ける大会になりそうである。

 

ロシア人は今ソ連時代末期のように日々の生活のことが大事であり、悠長にサッカーを楽しんでいる場合でもないのだろう。南米人の場合は貧困の時もサッカーは生活の一部であるが、ロシア人の場合貧困の時共にあるのはアルコールである。

大会期間中の民間の消費にも期待できそうになく、マイナーな組み合わせの試合をチケットを購入してまで観戦しに行くこともそれほど盛んには行われないだろう。今ロシア人自体がそもそも来年のワールドカップに盛り上がっておらず、ロシア側も積極的な広報を行っていない。「毎日忙しくて貧しいのにワールドカップどころではない」というのが彼らの本音かもしれない。

 

それに輪をかけて今ロシアを恐怖に沈めているのがテロである。最近サンクトペテルブルク中央アジア出身者が地下鉄でテロを行い世界に衝撃が走った。このことから「テロで危ないロシア」というイメージも出来上がってしまい、積極的な海外からの観戦者も多くはないだろう。

とはいえここ最近ワールドカップは南アフリカ、ブラジルと安全とは言い難い国での開催が続いており世界のサッカーファンはもはやこのような状態になれているかもしれない。南アフリカの時もブラジルの時もなんだかんだで盛り上がり、世界中から観光客が訪れた。むしろロシアの方が過去二大会と比べると環境の面では整っているとすら言えるほどだ。南アフリカやブラジルは民間人に銃が出回っているが、少なくともロシアで銃の所持はそこまでメジャーではない。

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しかしそもそもロシア自体があまり観光に向いた国ではなく自由な観光や安全な観光はまだ完全に保証されているとは言い難い。公権力は腐敗しており、役人は親切ではない。タクシーなどは不当な金銭を要求してくる上に、観光は計画的な日程を報告しなければならない。また日本では考えられないような不良も多く、暴力に巻き込まれないとは言い切れない。海外旅行初心者にとっては厳しい国であるのがロシア連邦の実態である。

自分自身はそういったレアな国やマニアックな国が好きであるためロシアのこういった文化や風土も好きなのだが、様々な要因によってメジャーな観光先にはならないのが実情だろう。美しい物はとても多い国であり一度はいってみたい国だがカジュアルさはなく敷居が高い。

ただヨーロッパからは近いため、南アフリカやブラジルの時に比べるとヨーロッパからの観戦者は多く見込めるかもしれない。試合が行われる地域が欧州方面に集中しているのも移動距離の負担を軽減することに加えて観光客の増加を意識しているからだろう。またロシアは西に行けばサッカーが人気になり、東に行くほどアイスホッケーが人気になるという文化事情もある。もしかしたらロシア東部と西部では盛り上がりに顕著な差が現れる可能性もあるのではないだろうか。

 

しかしこういった開催前に盛り上がらない大会は往々にして始まってみれば予想外に盛り上がることが多い。サッカーでは何が起こるかわからない、ファンタスティックなプレーの見られる試合が行われれば劇的に展開は変わるだろう。すべてはピッチ上でボールを操る選手たちにかかっている。

サッカーには奇跡を起こす力もある、熱狂を呼び起こす力もある。

ロシア代表の活躍に加えて各大陸の予選を勝ち抜いた精鋭のチーム同士がぶつかり合えば必ず熱狂は訪れるだろう。サッカーとはそういうスポーツだ、世界に熱狂をもたらす魔力がある。いよいよ1年後に迫ったワールドカップ、どうなるか様子を見てみよう。

佐藤勝利は実は通好みのメンバーである

Sexy Zone佐藤勝利といえば顔面国宝と言われるほどの超絶イケメンであり、ジャニーズ史上最高レベルといっても過言ではない程の美男子である。あのジャニー社長が「ユーは特別かっこいいね」と認めたほどの逸材であり音楽番組に出演したときは「すごいイケメンがいた」とSexy Zoneファンやジャニーズファン以外の人からも褒められることが多い。

 

そんな佐藤勝利、さぞかしイケメンキャラで特別人気なのだろうと思いきや実はSexy Zoneファン内での認識はもっぱら「地味キャラ」「ツッコミ職人」という扱い。一見すると高い顔面偏差値でセンターのため一番人気で普段からイケメンキャラなのかと思いきや、実はキャラクターはそこまで派手ではない。顔はこれぞジャニーズ顔の王道という程の超絶イケメンだが、内面は車オタクであり周りの活躍を優先する利他的な性格をしている。

 

むしろある意味「Sexy Zone唯一の常識人」という扱いに近い。他の4人がぶっ飛んだキャラ過ぎて、むしろ佐藤勝利が一番普通の常識人になっているのがこのグループの特徴だ。これはガンダムWの5人のキャラでデュオ・マックスウェルが唯一の常識人キャラになっている構図と似ているかもしれない。

ガンダムWには5人の主要キャラクターがいるのだが、その内4人がヤバイ奴で唯一デュオというキャラクターがその世界では常識人のように見えるというガンダムファン恒例のネタがある。いわば佐藤勝利はそういったデュオの立ち位置に近い。

 

ぶっ飛んだ他のメンバーにたいしてはツッコミキャラや場をなだめる役目が多く、自分が目立って面白いことをやるというよりもきわめて地味な仕事、誰かがやらないといけない仕事に徹することが多い。

バラエティ番組では仲間のメンバーが滑った雰囲気にならないように絶対にボケを見逃さずさりげなくツッコミを入れており、このコメントがあるのとないのとではまるでやりやすさが違ってくるという安心感や安定感をもたらしている。

「勝利が拾ってくれるから安心してネタをやれる」という独特な関係性がそこにはある。

 

メンバーの関係が上手くいかなかったときも勝利がいたことで会話が成り立っていたことがあり、メンバーの間を取り持つ役目も担っていた。それゆえに「Sexy Zoneは5人」という事に人一倍思い入れが強く、5人のSexy Zoneということに拘りが一番強いのはもしかしたら勝利かもしれない。

 

サッカーでいえば派手なゴールやドリブル、トリッキーなプレーではなく極めてシンプルにパスをだしたり地味な守備をやるバランサーという印象を感じる。

例えばレアル・マドリードロナウド、ベイルの両翼に加えてセンターのベンゼマまでゴールを狙いにいく派手なプレーをしたらチームとして成り立たないだろう。センターフォワードベンゼマが地味な役割に徹しているから、両サイドのロナウドとベイルが思う存分活躍できる。それはまさに中島健人菊池風磨というゴールを狙いに行く派手な両サイドを支えるセンター佐藤勝利「通好み」の役目である。

 

こういった佐藤勝利の役目はセクゾに欠かすことができない重要な役割であり、勝利が場を回しているからメンバーが自由にやれて個性を発揮することができている。こういった地味だけど必要な役割に徹するメンバーがいることでグループの雰囲気は格段に良くなっている側面がある。

実はSexy Zoneの面白さを最大限に引き出しているのは佐藤勝利であり、メンバーの個性が無駄にならないようにしていることが多い。非常に利他的な役目をこなし、自分が活躍することよりもさりげなく気を使い仲間が活躍することを後ろから眺めて楽しんでいるタイプだ。

「健人君、風磨君、松島、マリウスが楽しそうにしている、その姿を見るのが俺の幸せなんだよなぁ byしょうり」と心の声が聞こえてきそうな程とにかく周りのために頑張ったり気をつかったりする。

クリアファイル ★ 佐藤勝利 「Sexy Zone JAPAN TOUR 」

 

いい意味で周りがぶっ飛んでいるため、逆に唯一の常識人としての個性も同時に際立っている、そういったバランスの良さがSexy Zoneにはある。

逆に佐藤勝利がそういったトークや番組内でも中心になっていたらSexy Zoneは上手くいっていなかったかもしれない。自由なふまけん、聡マリをサポートして個性や創造性を引き出す、そういった意味で実は影の司令塔であり、勝利がいなければSexy Zoneは成り立たないかもしれない。もし今度Sexy Zoneがバラエティ番組に出る機会があれば、そういった佐藤勝利の「地味だけど必要な役割」に注目してみると面白いかもしれない。

ジエゴ・コスタさん、金に釣られて案の定中国リーグに移籍

ジエゴ・コスタ中国スーパーリーグ天津権健への移籍が決まった。ここ最近中国リーグへの移籍が相次ぎ、欧州トップリーグでも通用する選手が高額なサラリーを求めて中国へと旅立っている。

その中でも今回のジエゴ・コスタは過去最高レベルで大物選手の移籍と言っても過言ではない。テベスの時は既にアルゼンチンリーグに帰国していたしジャクソン・マルティネスはやや落ち目という印象があった。

しかしジエゴ・コスタプレミアリーグチェルシーに所属しまだ20代でありこれから円熟期を迎え、いくらでもビッグクラブからのオファーがあるワールドクラスのフォワードである。少なくともフォワードやストライカー、点取り屋としてはチャンピオンズリーグ上位を争うチームの中核に据えてもおかしくないレベルでありこのポジションに置いては世界のトップ10を争う選手だ。

もうジエゴ・コスタのような選手までが欧州ではなく中国スーパーリーグを選ぶ時代になっているのかということに中国リーグの驚異的な成長を感じずにはいられない。

また天津権健というクラブにはヴィツェルやパトも既に所属しておりラーメンや中華料理のイメージしかなかった「天津」というワードにジエゴ・コスタヴィツェル、パトのイメージが付加されたことに意味はあるだろう。

 

それにしてもこの天津権健、典型的な金満補強クラブである。

加えてまるでクラブの体質に比例するかのようにそこにやってくる選手も典型的なお金目的のサッカー選手だ。

ベルギー代表のヴィツェルユベントスからオファーがあったものの、「家族を支えるために移籍した」と語り、ヴィツェルの家族を支えるための募金をしよう」という皮肉めいたプロジェクトまで立ち上げられた。

更にパトも「今はお金のために移籍する時代」と率直に語り仕事としてサッカーをするために中国に転勤している。また同郷のオスカルも「正直に言ってお金の為じゃなかったらそもそもブラジルから移籍してないよ」と語り欧州トップレベルで才能をさらに開花できたであろう選手が早々と中国スーパーリーグへと旅立っている。

ジエゴ・コスタ

そして今回移籍したジエゴ・コスタだが、彼に関してはもう案の定としかいいようがない。よくアイドルグループで「次に脱退しそうなメンバー」という予想があるのだが、ジエゴ・コスタはいわば「次に中国に移籍しそうな大物選手」の筆頭候補として以前から囁かれており、案の定金に釣られて移籍したという格好になる。

元々ブラジル出身であり二重国籍としてスペイン国籍も選べたためブラジル代表とスペイン代表の選択が可能だったが、ワールドカップで優勝できそうという誘惑につられてスペイン代表を選んだのがコスタである。なおスペイン代表はグループリーグ敗退、ブラジル代表はベスト4という結果になり、その後スペイン代表からもほとんど招集されなくなっている。

 

ブラジル人選手はお金にシビアでお金さえあればどこのリーグにも行くという選手が多く、近年はそう言ったブラジル人選手の金満リーグへの移籍が相次いでいる。いや、もはやこれはJリーグ創設当初にも見られた伝統であろう。彼らはお金のためにやるから高いクオリティのプレーを発揮することができる。

 

そういった典型的ブラジル人サッカー選手がまさにジエゴ・コスタであり勝利のためにはラフなプレーやずる賢いプレーもいとわず、貧困から成り上がり勝つためにはあらゆる手段を尽くすタイプの選手だ。

生業としてサッカーを行い、ストリートから這い上がった一昔前のブラジル人サッカー選手のイメージがコスタにはある。そういったリアリストがジエゴ・コスタであり自分自身そういったジエゴ・コスタに惹かれていた。良くも悪くも利益にシビアであり、ストリートの香りを感じさせるゴールハンターという事に生命力の高さを感じアトレティコ・マドリード時代から「こういう生命力の高いセンターフォワードはかっこいい」とむしろ尊敬さえしていた。生きるためには手段を選ばず度胆を抜くようなことをする、サッカーがなければ今頃懲役30年ぐらいの刑を受けていただろうというようなところが魅力なのである。

サッカーというのはそういった無茶苦茶なわけわからない選手が現れるから面白く、そういう人間にも居場所があるのがこの世界だ。底辺の生活や貧困から成り上がり勝つためには時にずる賢い小細工もする、そういった綺麗ごとでは語れないところに面白さがある。ダイブ行為、トラッシュトークマリーシア、それもまたサッカーなのだ。平和が保障され、先進国の生活に恵まれた立場からするとそれらは恥ずべき汚いプレーに見えるが、銃撃戦が起こっていることを知らせるアプリが大量にダウンロードされるブラジルという国では綺麗ごとで語れない現実がある。

ブラジル 巨大経済の真実

池上彰が注目するこれからの大都市・経済大国 リオデジャネイロ・ブラジル

そう言った国で生き延びて成り上がり欧州でプレーするようになった人間は、元から恵まれた環境にある選手と違いサラリーにシビアだ。「お金に釣られる」ということを蔑んで生き恥のように語る人もいるが、むしろこういったリアリスティックな考え方に尊敬の念を抱かずにはいられない。 

 

そういった「お金のためにやることの何が悪い?」と開き直るぐらいのメンタルの強さはむしろ日本のサッカー選手に欠けているかもしれない。お金のためにやるからクオリティやレベルは高くなり、お金が絡まなければクオリティは下がる。お金のためにやるから素晴らしいプレーが提供できるし、それでファンが喜ぶ。そして経済も活性化し、世の中が盛り上がる、恥じるべきことではなくむしろ素晴らしいことだ。

 

単に美しい夢としてサッカーを考える選手と、お金や自分の人生、そして家族のためとして過酷な現実を背負いサッカーを生業ととらええる選手ではモチベーションが決定的に異なる。日本だけでなく欧州の国もまた「決定力のあるストライカーが現れない」と嘆いているが、南米人のこういったリアリスティックな側面にもしかしたらヒントがあるのではないだろうか。

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浦和レッズさん、無事失速し2位に転落

風物詩、恒例行事、おなじみの光景、このような言葉はサッカーにおいても存在する。どのリーグや大会にも毎度見かけるような光景が存在することがサッカーには多い。浦和レッズが序盤勢いよく勝ち上がり優勝を囁かれるも失速し優勝を逃す光景もまたJリーグにおける風物詩だろう。

 

「今季の浦和レッズは違う」と何度となく聞いたが毎度おなじみのパターンで失速し優勝を逃す、ここ最近の浦和はシルバーコレクターという言葉が似合うだろう。ある意味Jリーグにおけるエンターティナーであり、ネタ要素満載のクラブだ。「Jリーグの盟主」「ビッグクラブ」を標榜しておきながら小物っぽく負けていく、そして次の年には「今年は違う」「今年は本当に強い」と願望にも似たような事を主張し始める。彼らが本当はビッグクラブでもなんでもなく実際はネタクラブであることは浦和サポの前では絶対に口にしてはならない禁句である。

 

しかし今季の浦和レッズに関してはそんな光景に見慣れた者でさえ「ちょっと今年は違うのではないか?」と感じさせるような片鱗があった。直近のアジアチャンピオンズリーグではオーストラリアのクラブに大勝し国際レベルでも強さを発揮、Jリーグでも首位を独走し今季は浦和優勝濃厚であったことは間違いない。

 

昨シーズン、2シーズン制のシステムによって土壇場で優勝を逃しクラブワールドカップに出場できなかった悔しさを晴らすため今季は本気で勝ちに来る、そういった雰囲気が今年の浦和レッズには感じられた。

中には10年前にJリーグを制覇したチームを超えたという意見を持つ者さえ現れるほど今季は紛れもなく強かった。しかし「赤い風物詩」は裏切らない。先日の大宮アルディージャとの埼玉ダービーに負け勝ち点を取りこぼし、まさかの最下位チームに敗北という屈辱を味わう。

さらに立て続けに首位争いを演じる鹿島アントラーズとの対決にも0-1のスコアで負け、得られるはずだった勝ち点6ポイントを失い首位陥落。あっという間に「いつもの光景」に転落、無事失速し2位という定位置に返り咲いた。

 

サッカーというのは一度サイクルを失い流れを悪くしてしまうとそこからその状況を打開することは難しい。泥沼にはまったときその流れを断ち切れないことが多い。勝者のメンタリティや王者の風格があるチームはこういう状況に強く巻き返しが図れる。

しかし浦和レッズというのはもはや「負け癖」がついてしまっているチームであり、「今年も駄目か」という雰囲気がさっそく漂い始めた今のチームが巻き返せるかは疑問だ。仮にここから逆転し優勝したら「今年は本物」という評価、そしてJ1優勝というタイトルを得られるが絶望的に大舞台に弱いレッズがここから大失速を演じることのほうが可能性は高いだろう。

 

浦和レッズさん、今年もおなじみの光景を見せてくれてありがとう。

そうJリーグサポーターは思っていることだろう、やはり強いが最後は負けるのが浦和だ。今年は少し早いけどまたあの浦和が失速する季節がやってきた、1年はこうやって繰り返される。そんなことに幸せを感じるのが日本のサッカーファンであり四季折々の日本の風景がここにもまたあるのだ。

 

熱心な浦和サポーターとして知られ、来年三十路を迎える小嶋陽菜もまさか最後に優勝したときが自身が10代の時であり20代のうちに一度も優勝せずに終わるとは思ってもみなかっただろう。来年三十路を迎えるAKBを卒業する小嶋陽菜さんの為にも何とか今季は優勝してもらいたいものである。

さすがにビッグクラブを名乗っておきながら「結局優勝しない芸」を10年以上も続けていればサポーターからは愛想をつかされるのではないだろうか。もっとも、そういったファンを見るのが浦和サポーターでない立場からすると面白いのだが。

 

少々歪んだ考えかもしれないが、Jリーグというのはある意味自分のお気に入りのクラブを応援するよりも強豪チームが負けることを楽しんだほうが面白いともいえる。また降格争いも見どころだ。

いまいちお気に入りのチームを見つけられない人はそういったリーグ全体の楽しみ方をしても良いし、自分自身そういった楽しみ方をしている一人だ。

Jリーグにはサプライズがつきもので毎年強豪チームがやらかす、それがこのリーグの面白さであり、やらかしチームを見つけることがこのリーグを楽しむ方法だ。

 

上位争いで優勝目前まで勝ち進んだチームが失速し寸前でタイトルを逃す、昨シーズンは強かったチームが大スランプに陥り降格の危機にまで陥る。それどころか実際に降格してしまう。戦力が均衡しているから波乱が起き、何が起きるかわからない楽しさがある。

例えば浦和以外にも、近年無類の強さを誇ってきたサンフレッチェ広島が苦戦しており今季の降格枠はもしかしたら広島になるかもしれない。浦和が結局優勝できないことに加え広島が来季J2に飛ばされるかどうかも見どころだ。

海外サッカーならばレベルの高さが主要な目的になるが、Jリーグは実際に見に行ける事や波乱のリーグ展開が魅力であり観戦目的は異なる。

良い意味で海外サッカーと差別化ができているともいえるし、近年クラブワールドカップなどをみても実力は海外チームに接近しつつある。新興リーグゆえのカオス状態がJリーグには存在し、その黎明期を楽しむこともまたサッカーなのである。

 

今すぐどこかのサポーターにならずとも長い視野で楽しみ、そしていつの間にかどこかの熱心なサポーターになるというのがサッカー文化ともいえる。自分自身お気に入りのチームを見つける事を焦ってはおらず今は客観的な視点でリーグ全体を楽しんでいる。

どこかが負けることを楽しむのもサッカー文化であり、楽しみ方は多様だ。そういう意味でまさに浦和レッズはわかりやすい楽しみ方をサッカーファンに提供してくれており、Jリーグの盛り上がりに一役買っている。

浦和レッズさんありがとう、そう言いながら今年のJリーグも楽しませてもらおう。

シャビが喋るとロナウドが活躍する法則がまた発動

UEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメントにおいて初の2戦連続ハットトリックを成し遂げたクリスティアーノ・ロナウドは「自分の実力を疑う人は誰だ?」という言葉通りロナウドに懐疑的な人々を沈黙させている。

バイエルン・ミュンヘンに続き堅守を誇るアトレティコ・マドリードにまでハットトリックを決めた今彼のことを「弱小チーム狩り」と批判することはもうできなくなっている。

 

そんな大活躍の直前にまたもや彼に「一言」余計なことを言っていた男が存在する。元バルセロナのシャビ・エルナンデスであり、彼がロナウドに対して何か一言多いことはもはや恒例になっている。素直に認めることはほとんどせずたいてい何かチクりと付け加えるのがシャビの特徴である。


クリスティアーノ・ロナウドは生まれながらの点取り屋であり、スペクタクルなフットボーラーだ。しかし問題が一つだけある。それはメッシがこの世に存在するということさ。私にとってメッシは歴史上最も偉大な選手だからね。まぁ、ロナウドが抱える問題なんてそれだけだ。彼はゴールスコアラーとしての活躍を続けているし、後世に残る選手だということは確かだね」

要するに回りくどいことを言っているだけで「君は凄い、だけどメッシが1位だよ」と言いたいだけなのである。そしてこの発言すら塩らしくなっており元々は「ただのアスリート、カウンターに特化した選手」などと昔はもっと素直に認めていなかった。

しかし「おまえバロンドールとってねぇだろ」クリスティアーノ・ロナウドに反論されたことをきっかけに態度を軟化、ここ最近大人しく認めるようになってきていたのだがやはりまだ一言多い。そしてそのあとロナウドが活躍することが多いことまで含めていつも通りのテンプレとなっている。

ペレとマラドーナは場外の舌戦が多いがメッシとロナウドはそれほど批判し合わない。その代りにシャビがメッシの肩を持ち代理として批判し合うのが恒例の光景である。

 

今回も「メッシがいることがロナウドにとって問題」と発言した直後、ロナウドハットトリックをするのだから逆神的な法則がまた発動してしまっている。シャビが喋ればロナウドが活躍する、まるで風が吹けば桶屋が儲かるということわざに近い物を感じさせる。

シャビ

この何とも人間らしい小者っぽさがバルサの御意見番こと「シャビ先生」の魅力であり、レアル・マドリード関連には一言多いところがいかにもバルセロナ関係者らしいところである。

実力に関してはかつてバロンドール争いでトップ3に入ったこともあり、あらゆる国際タイトルを獲得してきた真の司令塔でもある。実力的にはジダンピルロを超えているという評価もあり、ピッチ上では非常にクリーンな選手なのだがピッチ外に出ると余計なひと言が多くなるためそのイメージを下げてしまっている。

今以上にバルサが勢いがあり本人も全盛期にあった頃は「他のチームとはバルサと別の競技をしているアンチフットボールという趣旨に近い発言をたびたび繰り返し、完全に「口でのハードワークや余計なひと言が多い選手」として定着してしまっている。相棒のイニエスタはピッチ外でも穏やかな選手であり対極的だ。発言が小物っぽいせいで一部のバルセロニスタを除きカリスマ性が感じられない、そのため本人事態が過小評価されるというオチがついている。

 

本質的にシャビは単なるサッカーマニアであり美しいプレーをするものには過剰なほど賞賛し、自分の好みに合わない選手は過小評価する傾向にある。しかしシャビ先生の言葉は時に鋭く分析力に富んでおり、また人間味も感じさせむしろその発言を楽しみにするファンも多い。それゆえに将来バルセロナの監督として就任することを期待するものもいる。監督になれば更に発言をする機会が多くなり、今以上に面白くなるはずだ。

仮にその時が訪れるならばどんなチームを作り上げるかに加えて、どんな発言で物議を醸すかにも注目したいところだ。

シャビ バルサに生きる

FCバルセロナの人材獲得術と育成メソッドのすべて チャビのクローンを生み出すことは可能なのか