UEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメントにおいて初の2戦連続ハットトリックを成し遂げたクリスティアーノ・ロナウドは「自分の実力を疑う人は誰だ?」という言葉通りロナウドに懐疑的な人々を沈黙させている。
バイエルン・ミュンヘンに続き堅守を誇るアトレティコ・マドリードにまでハットトリックを決めた今彼のことを「弱小チーム狩り」と批判することはもうできなくなっている。
そんな大活躍の直前にまたもや彼に「一言」余計なことを言っていた男が存在する。元バルセロナのシャビ・エルナンデスであり、彼がロナウドに対して何か一言多いことはもはや恒例になっている。素直に認めることはほとんどせずたいてい何かチクりと付け加えるのがシャビの特徴である。
「クリスティアーノ・ロナウドは生まれながらの点取り屋であり、スペクタクルなフットボーラーだ。しかし問題が一つだけある。それはメッシがこの世に存在するということさ。私にとってメッシは歴史上最も偉大な選手だからね。まぁ、ロナウドが抱える問題なんてそれだけだ。彼はゴールスコアラーとしての活躍を続けているし、後世に残る選手だということは確かだね」
要するに回りくどいことを言っているだけで「君は凄い、だけどメッシが1位だよ」と言いたいだけなのである。そしてこの発言すら塩らしくなっており元々は「ただのアスリート、カウンターに特化した選手」などと昔はもっと素直に認めていなかった。
しかし「おまえバロンドールとってねぇだろ」とクリスティアーノ・ロナウドに反論されたことをきっかけに態度を軟化、ここ最近大人しく認めるようになってきていたのだがやはりまだ一言多い。そしてそのあとロナウドが活躍することが多いことまで含めていつも通りのテンプレとなっている。
ペレとマラドーナは場外の舌戦が多いがメッシとロナウドはそれほど批判し合わない。その代りにシャビがメッシの肩を持ち代理として批判し合うのが恒例の光景である。
今回も「メッシがいることがロナウドにとって問題」と発言した直後、ロナウドがハットトリックをするのだから逆神的な法則がまた発動してしまっている。シャビが喋ればロナウドが活躍する、まるで風が吹けば桶屋が儲かるということわざに近い物を感じさせる。
この何とも人間らしい小者っぽさがバルサの御意見番こと「シャビ先生」の魅力であり、レアル・マドリード関連には一言多いところがいかにもバルセロナ関係者らしいところである。
実力に関してはかつてバロンドール争いでトップ3に入ったこともあり、あらゆる国際タイトルを獲得してきた真の司令塔でもある。実力的にはジダンやピルロを超えているという評価もあり、ピッチ上では非常にクリーンな選手なのだがピッチ外に出ると余計なひと言が多くなるためそのイメージを下げてしまっている。
今以上にバルサが勢いがあり本人も全盛期にあった頃は「他のチームとはバルサと別の競技をしているアンチフットボール」という趣旨に近い発言をたびたび繰り返し、完全に「口でのハードワークや余計なひと言が多い選手」として定着してしまっている。相棒のイニエスタはピッチ外でも穏やかな選手であり対極的だ。発言が小物っぽいせいで一部のバルセロニスタを除きカリスマ性が感じられない、そのため本人事態が過小評価されるというオチがついている。
本質的にシャビは単なるサッカーマニアであり美しいプレーをするものには過剰なほど賞賛し、自分の好みに合わない選手は過小評価する傾向にある。しかしシャビ先生の言葉は時に鋭く分析力に富んでおり、また人間味も感じさせむしろその発言を楽しみにするファンも多い。それゆえに将来バルセロナの監督として就任することを期待するものもいる。監督になれば更に発言をする機会が多くなり、今以上に面白くなるはずだ。
仮にその時が訪れるならばどんなチームを作り上げるかに加えて、どんな発言で物議を醸すかにも注目したいところだ。