TWICEとMOMOLANDの友情がほっこりする件
普段はグループとして違うアイドル同士の絡みがあったとき、特に同性アイドル同士の場合、最高だよなぁ~と思う。
この違うグループ同士の交流文化がファンにまで浸透しているのが、まさに韓流アイドルで、詳細な「グループ同士の絡み」みたいな動画がうpされることが多い、というかそれが恒例になっている。
いろんなグループ同士の絡みが、熱心なファンによって詳しく取り上げられていて、中には音楽番組で実際にカバーし合う事もある。
韓流アイドル界の人脈交流というのも、華やかな交遊録としてみると面白く、特にアイドル同士の関係は多岐にわたっている。
その中でも自分が特に好きなTWICEとMOMOLANDの関係は面白く、お互い流行曲を自分たちの好きな場所で歌ったり踊ったりして取り上げているからファンにはたまらない!
TWICEとMOMOLANDといえば今やK-POPシーンを時めくアイドルグループであり、お互いに流行を敏感に察知し、影響し合っている。例えば何気ない休憩時間にも、その時の流行曲を流すのがトレンドになり、こういったところからアイドル界で流行っているポーズなどが普及していく。
こういった社交界的な横の繋がりとしての流行りがK-POPの一つのコンテンツ要素なのかもしれない。
それは双方向的なものであり、どちらかが一方的に受け入れるというわけではなく、流行が瞬時に行き渡るからこそ活気づく。
例えばMOMOLANDのメンバーがバラエティ番組で「LIKE-OOH-AHH」を歌ったり、TWICEのメンバーが楽屋で「BboomBboom」をダンスで再現したりと、自由であり臨機応変だ。こういった横の繋がりが実に多様多種で、枠にとらわれない面白さがある。
あくまでアイドル個人として、アイドル文化が好きな人が集まっていて、自由に再現していいという気風の土壌や風土がそこには存在する。
優れた物はお互いに取り入れ合うという流動的な文化が業界全体を活気づかせている好例だ。
それにしてもTWICEのナヨンさん、BboomBboomの時ノリノリである笑
もちろん、MOMOLANDもWhat is Love?の時には負けておられずハイテンションだ。
違うグループ同士であっても、その時はやっている曲はいろんな場所で歌って盛り上がる、それが韓流文化の神髄なのかもしれない。
TWICEとMOMOLANDの関係を語る上で、もう一つ絶対に欠かせないのがモモとデイジーの関係で、既にファンの間では有名な話になっている。
デイジーは今でこそMOMOLANDの半ばエースとして、重要なダンスパートで起用されているが元々は後発のメンバーだ。カナダ育ちとしてほとんど異国の韓国の文化に飛び込み、自分の努力でダンスを磨き今ではモモランドに欠かせないメンバーになっている。
そんな努力家のダンサーとして相通じるところがあるのか、同じくTWICEの「ダンシグマシーン」ことモモとも交流がある。元々同じ練習生だったこともあり、モモとデイジーは先輩後輩の関係として国籍を超えて深い友情で結ばれている。
その頃の友情が今でも続き、TWICEとMOMOLANDの関係が今では不思議な縁となっている。
モモも日本から韓国芸能界に飛び込み、自分で磨き上げてきたダンススキルで進路を切り開いてきた。デイジーも最初はMOMOLANDの中で特別なポジションではなかったが、徐々にダンスという誰にも負けない特技で頭角を現し、今ではメインのポジションを務めている。
モモとデイジーにはそういった、アウトサイダーからの挑戦という意味で共通する何かがあったのかもしれない。
だからこそデイジーは「モモオンニ(モモ姉さん)」としてモモを慕っていて、モモはそんなデイジーを可愛がっている。
TWICEとMOMOLANDのダンス担当であるモモとデイジーにはそんな不思議な縁のような背景があり、両グループはダンスパートの魅力によって躍進してきた、どちらの二方も異国の地から新しい世界に飛び込み才能を発揮して今日まで通じている。
TWICEとMOMOLANDに通じるちょっと不思議な縁、そんな観点で見てみるとアイドルの世界がまた違った人間味のような魅力を感じられるだろう。
Red Velvetの勢いが最近落ちてきてる単純な要因とは
あくまで客観的な見方ではなく、主観的な意見であるということを前提とした上で、ちょっとここ最近Red Velvetの勢いが以前ほどではないなと感じる。
K-POPの世界は、その曲がどれだけヒットするから日本以上にシビアに流行に反映されるので、どうしても短期的な見方にはなってしまうのは承知だ。
しかしほんの少し前までRed Velvetはもっと圧倒的な存在だったように感じるのだが、BLACKPINKやTWICEに肩を並べられたどころか、もはや追い抜かれたという印象すら感じる。
Red Velvetといえば韓国では圧倒的NO1のガールズグループで、非常に根強い人気があり、何よりSMエンターテイメントという超大手事務所のエリートだ。
SMエンターテイメントといえば韓国芸能界においては超正統派であり、日本でも有名な東方神起や少女時代を輩出している。
そのSM系列としてRed Velvetはデビューし、演出やパフォーマンスはまさに最先端であり正統派のK-POPを継承している。そのため韓国ではもっとも人気なガールズグループの一つであり、「ロシアンルーレット」や「Peek-A-Boo」「Red Flaver」のようなヒット曲も多い。
韓国における人気が高いからこそ、海外に進出する必要が無く国内の人気を堅実にしているため、海外から見た人気以上に現地では支持されているようだ。
音楽チャートでも上位に入り、常にTWICEやBLACKPINKの上に存在し続ける強固な存在だった。
だが、そんな順調に見えたはずのRed Velvet、非常に重要でデリケートな問題に絡んでしまう。
なんと、文在寅政権の訪朝公演に付き添う形でいわば南北融和ムードに政治利用されてしまったのだ。この韓国の大統領は世論受けするようなパフォーマンスを好むところがあり、ある意味でRed Velvetもその策に乗せられたようなところがある。
一番人気なグループであるがゆえに安易な外交政策に持ち出され、北朝鮮に講演しに行ったというのが今になって響いているのではないか。
韓国と言えば北朝鮮問題を巡って国内世論が二分されており、ここ最近は北に融和的なムードがあるが根強い反発があるのも事実だ。
いわば「北朝鮮に国を売ったアイドル」という極端な認識までされるほど、韓国世論はこの問題に関して敏感であり、見えない静かな支持層をこの公演でRed Velvetは失ってしまった。実際にこの訪朝公演でレッドベルベットを見損なったという韓国のファンも多い。
それまで平昌五輪の開幕式のおおとりに使われるほど国民的アイドルだったはずのRed Velvetが、北朝鮮に行ったというのは韓国人の心情としては刺激される物があったはずだ。
逆に昨今のTWICEの勢いを見ていると、結局のところ韓国にとって最も信頼がおけて、相性の良い友好国は、同じ自由主義陣営である日本や台湾であるような気がしてくる。
韓国というのは世論が大きく分かれている国であって、日本や台湾を快く思わず、同じ民族である北朝鮮にシンパシーを感じる人もいれば、以前ほど日本や台湾を敵視していない人も多い。
またBLACKPINKの人気も凄まじく、韓国における女性層からの憧れという意味では役割が入れ替わりつつあるように思う。
客観的に見てもBLACKPINKのほうがガールクラッシュでかっこいい。可愛さではTWICE、スタイリッシュさではブルピンに人気が集中している。
更にどちらも国際人気が高く、Red Velvetが頼るとなれば北朝鮮なのだが、この国は形式上、南からの文化を規制している。
ちなみに中国と組んだ宇宙少女というグループも存在するのだが、彼女らがブレイクしているという印象は受けない。
果たして、日本と台湾と組んだTWICEの流行を見て、韓国の人々は何を感じるのだろうか。
GENERATIONSの皆さん、なぜかK-POP番組に出演していた模様
韓国の歌番組といえば、もはや公式でユーチューブに動画を上げておりそれで世界に広まるという構図がある。つまりMステやCDTVのような番組が韓国での放送後すぐにyoutubeに上げてくれるので、海外のファンもほぼ時差なく見れるのだ。
過去に放送された物も高画質で簡単に好きなアーティストの分だけ見れるので、こういった動画を見ているだけでも時間が過ぎてしまう。
カムバック後は毎晩のようにいろんな歌番組に出演する、つまり新曲が毎日のように海外ファンにも届けられるので国境を感じない。
だから自分は普段そういった動画巡りをしているのだが、なんとなくどこかで見たことがあるアーティストが関連動画に表示されていた。
「あれ、もしかしてGENERATIONSじゃね?」
一瞬我を疑ったが、何度見てもジェネレーションズだ。
K-POPを見ていたら急に顔馴染みというか、セクゾの盟友として自分が好きなジェネレーションズが映っていた。自分自身そこまでLDH系列のファンというわけではないけれども、なぜかSexy Zoneとの共演が恒例になって以降自分の中でGENERATIONSは気になる存在だ。
そんな自分にとって特別なGENERATIONSが今回、なんと韓国の歌番組に出演していたのだ。
これがその出演の回で、日本の歌番組で聞いたことがある曲をそのまま日本語で歌っている。例えるならば韓国のアイドルが普通に日本の歌番組に出演するような感覚で、日本語で歌っていて、そこに韓国語の字幕も付いている。
正直言えば、自分はこういう時代を待っていた!
韓国出身のアーティストが一方通行的に日本に来るのではなく、むしろ日本のアーティストが韓国の歌番組に出てほしいと。昔はSMAPや嵐が韓国でコンサートを開催していた時代もあったが、最近の日本のアーティストはずっと国内向けにやっている。
その意味で今回GENERATIONSが韓国の歌謡番組、しかもShow Championなのでかなりの大手に出演したというのは風穴を開けたと言っても過言ではない。
途中韓国語で「アニョハセヨ チェネレーションズ イミダ」と現地の言葉であいさつをしているが、実はここに彼らの気遣いがある。
普通ならば「ジェネレーションズ」なのだが、韓国語の場合、名詞の最初の音を濁音で発音しないので「チェネレーションズ」となる。こういったローカライズをさりげなく行っているのは好印象に映るだろう。
ただ、現地の韓国人は球に登場したGENERATIONSを見てきっと戸惑ったのではないか笑
確かにLDHは最近K-POPっぽくはなっているが、あまりアイドルっぽくないグループはジャンルとして確立されていない。
例えるならばジャニーズ的なグループが韓国では全盛期で、GENERATIONSのようなファッションスタイルは珍しい。BTSに続き、SEVENTEENやWanna Oneが人気なのでLDHのようなグループは韓国人にとって異色な存在として映る。
GENERATIONSがなぜ、どういったルートで出演することになったのかという経緯が気になる。
ただ前述のように、こうして日本のアーティストも韓国の歌番組に出演するという相互通行的な時代になれば日本のコンテンツも世界に開かれてより盛り上がっていくのではないかという期待の方が大きい。
GENERATIONSと関係がある意味と言えば、セクシーゾーンもいずれこうして韓国の歌番組に出演してくれたらと願わずにはいられない。実際中島健人は韓流の影響を受けているし、Hey! Say! JUMPの山田涼介が韓流に刺激を受けているというのは有名な話だ。
日本のアイドル界の中でも、世界との差を感じ意識している個人は増えてきている。
今の時代もはや若い男性層が韓流の演出に惹かれる時代になっており、自分自身最近は防弾少年団の先を行ってSEVENTEENとWanna Oneばかり見ている。
GENERATIONSが韓国の歌番組に出演して、日本的アーティストと韓国風のスタジオ演出の異色の組み合わせが新鮮だったので、是非ともこれをジャニーズでも見てみたい。
例えるならば日本のスポーツチームがヨーロッパのスタジアムで試合をするようなもので、とにかく韓国の歌番組はセットが華やかで派手だ。
ある意味海外挑戦の第一歩として、目先に韓国のK-POPという最先端の世界がある。
韓国の歌謡番組は昭和の歌番組並に予算をかけて作られていて、カメラワークも流動的で面白い。だからこそそこに日本のアーティストが出演したとき、どうなるかというのがGENERATIONSの出演でイメージがついた。
かつてSMAPや嵐が韓国でコンサートを開催したことがある上に、現在も実はHey! Say! JUMPやSexy Zoneは韓国のSNSで隠れファンが多い。
気になる人は「헤세점」(Hey! Say! JUMP)と「섹시존」(Sexy Zone)とツイッターで調べ見たら面白いはずだ。中でも「아라시」(嵐)は非常に人気が高く意外なほど知られていて、もはやファンの間で浸透していニックネームですら知られている。
例えば二宮和也なら「ニノ」、中島健人なら「ケンティー」であってもハングル化されて普通に使われているのだから驚きだ。
韓国のジャニオタは予想以上に練度が高い。
こうしてGENERATIONSが韓国の歌番組に出演して普段と変わらずパフォーマンスできたり、逆に韓流アイドルが日本の歌番組に出演することが普通の光景になっているように、実はとても相性がいい。
こういった流動的な相互通行の時代に、いよいよなってきているなとジェネレーションズの活躍を見て非常に大きな可能性を感じた。
本田圭佑「プログラミングは伸びしろですねぇ!」
本田圭佑ってやっぱやる事予想つかねぇなぁと毎度驚かされる。
ワールドカップから帰って来て以降、1日9時間プログラミングの勉強をしているらしく、とにかくこの人は様々な分野への関心が高い。
ここ最近の日本人のプログラミング熱を感じ取ったのだろうか、この時流に本田は乗ろうとしているのかもしれない。
子供の習い事にプログラミング教室が増えているのはもちろんのこと、SNSなどでもプログラミングを勉強したいと語っている人はよく見かけるし、何かやる事ないかと探している人にはとりあえずプログラミングがすすめられることが多い。
自分の意見としては、プログラミングよりもコンテンツで何を作れるかのほうが大事だと思っていて、いずれAIに代用されるだろうし出来る人に頼んだほうが早いと考えている。
本田圭佑の場合9時間も勉強するほどモチベーションが高いが、何か漠然と勉強していたら役に立つのではないかと考えている人が多い印象を受ける。そしてそういう人は結局勉強せずに終わる。
更にプログラミングは今後専攻する人が増えるのでコモディティ化が進み、特別なスキルとしての希少性は上昇していかないのではないかと自分は予想している。
要するに皆ができるようになると、普通の実力では特に必要とされないということだ。
一昔前にとりあえずTOEICで高得点取るために英語勉強するみたいな風潮があったのが、今はプログラミングになっただけなのではないかという印象を受けないことも無い。
もちろん本田圭佑の場合、何らかのビジョンがあって高いモチベーションもそこにはあるので、こういった行動の場合非常に効率が良い。ただ好きでもなく目標も無い人がやるのはどうなのかなというのも正直な本音で、結局使えるツールがいくらでも多い時代にはコンテンツの中身作れる人になったほうが得な気はする。
逆に言えばコンテンツや価値を創造できない状態で、プログラミングだけできたとしてもその内AIや安価な手段に代替されるだろう。
例えばプログラミングは一切できなくても、インスタグラムを上手く使いこなせるという人の方がこれからの時代は重宝される。
先日落合陽一とホリエモンが対談するという著書を読んだのだが、まさにこのことが書かれていた。基本的に2人とも「一つの事を続ける事が美徳だった時代は終わった、むしろそういう考えの人は時代に取り残される」という論調で、「いろんなことをに興味があり、積極的にチャレンジする人が生き残る」という趣旨のことを語っていた。
その一方でAIに代替される仕事としてプログラミングは入っていて、スキルとしてのコモディティ化は進む時代における差別化が問われている。
更に言えばホリエモンの話に本田圭佑のエピソードも登場しており、現役時代に様々なビジネスをすることに対する批判についても語られていた。
自分が本田圭佑を好意的に見ているのは「現代的な人材」だからだと言えるかもしれない。
これから必要とされていくのは本田圭佑的な人材であり、ホリエモンや落合陽一とも近い部分がある。それを怪しいと取るか、新時代的な感覚と受け止められるかというのはセンスの違いだなと思う。
ちなみに自分は最近、新しい時代のツールとしてドローンに非常に関心が高まってきており、時代の流れを予想するというのは楽しい事でもある。
その意味で本田圭佑がプログラミングを覚えた先に、何を思い描いているのかというのにはとても興味がある。
この話題の本質は別に本田がプログラミングを始めたことや、今後のプログラミングの重要性についてではない。
何に"伸びしろ"を感じるかがセンスであって、そこから何をしていくかというビジョンが必要な事であったり、そもそもいろんなことに関心を持って、その積み重ねを複合的に組み合わせていくかということが本質なのではないかと。
別にプログラミングじゃなくとも、個々人が自分なりにいろいろな興味関心を増やしていくことが生存戦略として問われている時代になっているというのが本質だ。
いつも同じ習慣で終わっていると脳が硬直するというのはよく言われていることで、新しい刺激が人生を面白くする。
現役時代だからこそいろんなことをするという今までのアスリートにはない先進的なモデルとして本田圭佑は10年後評価されているだろうし、それが普通のことになっていると思う。
つまり色んなことをする人をケイスケホンダにしてしまえばいいんです、それが人生100年時代の普通の考え方になっていくんじゃないかなと、それが個人だけでなく社会の伸びしろですねぇ!
ワールドカップ制覇のフランス代表は欧州版アメリカのようなもの
今年のワールドカップもついに終わってしまった。
W杯の無い日常の虚無感は大きく、決勝と内容と結果にも落胆している人は多いのではないだろうか。
ワールドカップの決勝といえば延長線までもつれてわずか1点やPKで決まるギリギリの攻防が見ごたえだったが、ここまで大量得点のワンサイドゲームになるとは予想していなかった。
「ワールドカップの決勝を見た」という感覚は前回以前に比べて希薄だったと言わざるを得ない。
別の言い方をすればそれほどフランスが圧倒的であったし、クロアチアは選手の疲弊と選手層の薄さで差が出てしまった。持つ者と持たざる者との戦いとしては、クロアチアは決勝までこれたこと自体が見事だった。本来ならば120分のゲームで疲れ切っているところをイングランドが仕留めるかと思いきや、そうならなかっただけでも偉大だ。
ただ決してフランスを批判したいわけではなく、彼らもまた良いチームだった。
いわゆるアフリカ系の選手が多いことに対して、日本人の感覚として違和感を抱くことは不自然なことではない。
パリ症候群という言葉があるように、フランスに対する印象が日本人の場合『ベルサイユのばら』で止まっているし、創作物や演劇でも「花の都パリ」が舞台にされることが多い。
これからの感覚としては「ヨーロッパのアメリカ」という考え方の方が、フランスを的確に認識できるかもしれない。
例えばアメリカのバスケットボール代表やボクシング選手、陸上選手などをイメージしてもらえばわかるようにアフリカ系の選手の活躍によって米国のスポーツ競争力は支えられている。
フランスはもう20世紀の段階でアメリカのような国になることを選択しており、「自由・平等・博愛」という理念さえ理解すればフランス人だという社会通念のようなものがある。現実にはそれは浸透しきっているとはいえないが、アメリカ人が「USA!USA!USA!」といえばアメリカ人という感覚に近い時代になっている。
フランスというのは日本以上に階級社会であり、大学受験の制度などを見ても正式には公開されていないような審査基準があり身分が分かれていると言っても過言ではない。
また「昔からヨーロッパに暮らしている人の方が裕福なのは仕方ない」という認識があり、人種や身分の違いというのが肌感覚で理解されているような国でもある。
だからこそアメリカンドリームならぬ「フレンチドリーム」として、移民系の選手にとってサッカーは成り上がるための限られた手段であり彼らは懸命に上を目指す。
そして今回、遂にワールドカップのトロフィーに到達した。
トレンドの移り変わりが激しいサッカーの場合、一つの国が長期にわたって勢力を維持することは稀ではあるが、今後バスケットボール界におけるアメリカのような存在としてフランスはサッカー界に君臨する可能性がある。
どちらとも歴史的背景が根深く、アフリカから綿花栽培のために奴隷を連れてきたからアメリカには黒人が多く、彼らが後のアメリカ文化の礎を築いた。
フランスの場合かつてアフリカ横断政策として、イギリスとアフリカの支配領域を競った。そのフランスの野心はカリブ海やアジア諸国にまで迫ったほどであり、それほど昔のフランスは強大な国だった。
特に西アフリカ系の選手はフランス代表だけでなく、リーグ・アンを支えている。
ブンデスリーガとセリエAの隆盛が終わりを告げれば、リーグ・アンはスペインとイングランドに並び三大リーグと称される日が来るかもしれない。
今大会目覚ましい活躍をしたエデン・アザールがリーグ・アン出身であり、日本代表の酒井宏樹もまたフランスで急成長した。
プレミアリーグとのパイプも太いので、今後リーグ・アンはますます成長していくのではないか。かつてティエリ・アンリなどの時代にフランスのアカデミー教育が評価されたが、時を経てまたフランスの育成力が再評価され直そうとしている。
プレミアリーグに行けるという付加価値が高まれば、より「フレンチドリーム」という言葉は現実味を増すことになる。
もはやアフリカ系や旧領土に出自を持つ人々がフランス社会の構成員とみなされてから久しい。そしてその最高当到達点が世界に冠たるフランス代表であり、その夢を多くの選手が目指す。
そもそもミシェル・プラティニやジネディーヌ・ジダンの頃から、外からの血を受け入れることで隆盛を極めてきた。前者の場合ユーロを制覇し、後者の場合ワールドカップを制した。
フランス料理やブレンドワインがそうであるように、フランスサッカーというものは様々な要素を織り交ぜたとき深みのある味わいを出すのかもしれない。