elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

ルイス・スアレスはなぜいちいち動きが面白いのか

ルイス・スアレスほど動きがコミカルで見ていて楽しいサッカー選手はいない。動きが野性的、動物的で人間がしないような動きをする。

とにかく野生の本能でサッカーをしている。動物が狩りをするような本能の発露があるし、狩猟に必要な狡猾さも兼ね備えている。

 

・痛がってたのにボールが来たら一目散に走りだす

・大げさにリアクション

・ゴールを決めたら子供がおもちゃを買ってもらったように大喜び

・噛みついたのに、まるで自分が被害者であるように歯を押さえる

・それなのにゴールを決めるセンスは抜群。かっこいいときはマジでかっこいい

スアレス

スアレスのピッチ上での面白行動を集めたらキリがないというぐらいに多いし、見慣れてくるとすげぇ可愛く見えてくる。スアレスが可愛いと思い始めたら立派なスアレス中毒者。勝ち取るハンターってこういう姿なんだなということを体現している。

 

ダイブ行為もスアレスは独特。

ネイマールはすげぇ派手に転びまくるけど、スアレスの場合コミカルなリアクションをする。コメディ番組のやり方に近い。

ネイマール→強キャラに吹っ飛ばされた雑魚キャラ

スアレス→コメディ番組の面白リアクションキャラ

この2人のダイブ行為はもはや芸術。しかもスアレスはその自覚があって、モイーズマンチェスター・ユナイテッドを率いてた時代にわざわざモイーズの前に行ってダイブパフォーマンスをしにいくレベル。

こういう畜生感いいよなぁ。サッカーはエンターテイメントであるべきということを体現している。問題行動はとにかく多い。ただ人を怪我させるような事じゃない。

スアレス理論でいえば「噛みつきは無害に等しい行為」

スアレスをみれば笑顔になる。とにかく愛嬌があるイイ奴。バルセロナじゃ本当に頼もしいし同時にすげぇ面白い。メッシとロナウドが独占してたスペインリーグ得点王を獲得したのもスアレス

しかもしゃべり方も可愛い。インタビューとか見てるとピッチ上の野生の牙むき出しの姿が嘘であるかのように大人しい好青年。急に人間に戻る。ただピッチ上に入れば完全にハンティングモードに覚醒する。狙うところは目ざとく狡猾に狙ってる。

 

日本人ってちょっと卑怯な行為やズルいことをあまりにも悪い物だと思い過ぎてる。サボることや手を抜くことは美徳に反する行為。常に真面目に苦労し続けることが美徳であり美しい生き方。

その考えを変えてくれるのが南米人サッカー選手。

日本のスポーツばかり見てると過剰な美徳重視の発想に染まってしまう。

あそこまでズルをしろというわけじゃないけど多少狡猾さも必要。サボることや手を抜くことも必要だし図太くならないといけない。「皆が見てるから有給取れない、定時に帰れない、残業しないといけない」みたいに人の目を気にしてる。

いい奴が利用されるということの典型例だし、同調圧力に屈する傾向にある。自分も苦労してるから、それを誰かにもさせたがる。

「皆で一緒の苦しみたい」というか、「一人で苦しむのが嫌だから君も一緒に苦しもうよ」って言う発想。農耕民族だから、農作物が育たず凶作で辛いときも皆で乗り切ろうという生き方をしてきた。

そういう文化には当然美しい部分もあるけど、逆にちょっとまじめすぎるのかなとも思う。真面目過ぎるところが日本が国際社会で狡猾な国に利用されてる弱さにもなってる。美徳や苦労を重視することは素晴らしいけど、それを同調圧力として誰かにもやらせるという側面も同時にある。

「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論

 

だからこういう南米人サッカー選手の世界を見て、違った考えを取り入れることも必要になってくる。真面目に考えすぎてノイローゼになってる人にはぜひスアレスの姿を見てもらいたい。こんな奴がいるんだから自分もちょっと真面目すぎることを変えいてみようっていう発想も大事。

綺麗ごとだけじゃ勝てないし、堂々とやることはやるぐらいの発想が大事。一方的に利用されるだけの人間にならないためにもこういう硬骨さは大事。少なくともサッカーの育成においては真面目一辺倒では通用しない。

 

日本のスポーツ文化はあまりにも美徳や礼儀作法重視になりすぎてる。

少しでも枠から飛び出たりとか、作法がなってない選手を寄ってたかって叩く。「善人」の強制をスポーツ界に求めてる。こういう文化ではスアレスは育たない。

浅田真央みたいなお爺ちゃんお婆ちゃんが好きそうな理想の孫という姿を求めるし、甲子園の坊主のように美しい青春を求める。自分たちが苦労してきたような姿を求める。

噛みつく奴なんて日本文化では論外。噛みつきに関してはFIFAも怒って制裁したけど、紳士や善人が求められすぎてると思わなくもない。

ルイス・スアレス

昔はそれが国際社会やスポーツの舞台でも通用したけど、最近がそれが効率の悪さにもなってるように見える。サボるところはサボるとか、手を抜く時は手を抜く。そういう事の大事さを海外サッカーは教えてくれる。

真面目一辺倒な人間ばかり出てきても、スポーツ、学術、いろんな分野で限界に直面する。そういう時に世界最高のストライカーがどういう事をしてるかちょっとしたヒントになるかもしれない。もちろん噛みつくことが素晴らしいというわけじゃないし噛みつくべきとも思ってないけど、それくらい無茶苦茶な奴が出てこないと閉塞した今の社会を打破できないしブレイクスルーも引き起こせないのかなと思う。ぶち破る奴や打開する奴はちょっとぐらいぶっ飛んだ奴じゃないと駄目。

いい意味で無茶苦茶な奴が海外サッカーにはいっぱいいる。そういう姿はもしかしたら今の日本人のヒントになるのではないだろうか。

elken.hatenablog.com