elken’s blog

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雀狩りをしまくった大躍進政策がヤバすぎる

近代現代中国の歴史について調べたことがある人なら「大躍進政策」という言葉を聞いたことがあるだろう。かの有名な中華人民共和国建国の父である毛沢東が主導した政策だ。

 

毛沢東最大の黒歴史でもあり、文化大革命と共に権力を失う原因にもなった近代の歴史上稀に見る「愚策」である。

その内容はとにかく無茶なもので「ソ連アメリカを追い越そうとしているならば、我々中国はイギリスをこの5年で追い越そう」というハチャメチャな社会主義の理想を夢見た当時の風潮の政策であった。中華魂ならばなんとかなるだろう、中国8億人(当時)の力を合わせれば世界の先進国に追いつけるだろうという発想であった。

 

そもそも当時の社会主義国家の研究というのはいろいろ無茶苦茶なもので冷戦に勝つために本気で超能力や霊能力を研究していたり、メンデルの遺伝子学を否定するような学説を提唱し滅茶苦茶な農業政策を行ったりと戦後の出来事とは思えないようなことが実は数多くある。

華々しいプロパガンダ核兵器開発や宇宙開発の功績だけを誇張していたがその裏では当のソビエト連邦の実態がお粗末な実験を繰り返していた。

当然ながらその後を追いかける中華人民共和国でも実験的なことが行われ市場の構造を無視した「大躍進政策」というものが行われるにいたった。

打麻雀運動

その中でも最も有名なものは四害駆除運動というものだ。

中国8億の人口を支えるためには膨大な食糧が必要だった。農業生産増大のために毛沢東が取った行動こそまさに四害駆除運動である。

簡単に言ってしまえば「農作物を食い荒らすスズメを駆除してしまおう」という運動だ。1950年後半代に食物連鎖全否定の学説により自然に介入するというとんでもない行動である。とっくの昔に生物学の原理として食物連鎖の概念が提唱されているにもかかわらず「大躍進」「革新」を狙ってその理論を上回る政策を取ろうとしたのがこの雀駆除運動である。

赤い星は如何にして昇ったか――知られざる毛沢東の初期イメージ (京大人文研東方学叢書)

 

実際上の画像のようなプロパガンダポスターが町中に貼られ、雀を見たら悪魔のように駆逐するべきというような指令が打麻雀運動として中国全土に伝達された。

画像のように子供も投石器で雀を狙って農業に貢献したつもりになっていたのだ。

大躍進政策

更にそれらが食品として使用されることもあった。日本でも一部雀食の文化はあるが、この時に中国では雀を目の敵にしてやっつけまくって食べつくしてやろうというような運動が行われた。画像を見ても衝撃である。当時の中国人が本気で雀を目の敵にしていた様子がうかがえる。

日本でも田んぼでは雀を追い払うための案山子というものがあるが、中国の場合それを政策で駆除してしまったのだから驚きである。

その結果当然ながら雀が食べていた害虫などが増え、農作物の生産は壊滅的な打撃を受けた。最終的にソ連がら雀を輸入することになりこの問題は長い時間をかけてようやく元の状態に戻った。

当時の中国共産党食物連鎖や生態系のバランスを考えられる人はいなかったのだろうかと疑問に思う。共産党はエリートの集まりなのではないのか。

しかしながらよくよく考えれば日本も高度経済成長において四大公害を引き起こしている。様々な生物がその過程で絶滅もしている。またアメリカも超能力を本気で研究していた。

結局この近代の時代というのは戦後である程度文明があるように見えてまだ模索段階だったともいえる。そういう失敗の上に現代の豊かな生活があるという考え方もで切る。失敗は成功の母というがその後、現代中国の爆発的な発展については言うまでもない。

農作物の不作は雀が原因だと断定し駆除をしつくそうとしていた中国が今や本当に世界2位の大国に上り詰めている。数十年の時を経て中国の野望はここまで来た。毛沢東は今この現代中国をどのような目で見ているだろうか。