elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

雨降って地固まったバルセロナ

喧嘩別れで終わりそうだったメッシとバルセロナの関係は再び進み始め、新たな物語の序章となるか。

 

今、新生バルサの勢いが止まらない。

クーマンがもたらした劇薬のような規律と、大胆な破壊とも言える改革

 

それはレオ・メッシの最愛の場所に対する思いさえも再び手繰り寄せつつある。

 

"If any fans were annoyed by something that I said or did, let there be no doubt that anything I did was always with the club's best interests in mind."

 

「もし自分の言動によってファンの気を害してしまったのであれば、常にクラブのことを念頭に置いていたことに疑いはないと言わさせてほしい。」

 

バルセロナと法的に争うことは望まないと言って引いたことにも彼の愛が伺える。

後のインスタグラムでのスアレスに対するメッセージでは現フロントに対して苦言を呈しているものの、それはバルサ愛の終焉を意味しているわけではない。

 

つまり、いろいろな不満もあり悔しいがぐっと堪えて引いて、更に自分の否も認めて、これから新シーズン戦っていこうという完璧な発言だ。

 

確実にバルメトウは去るだろうし(これで再任したら腐敗しすぎている)、クーマン体制による急速な改革によってチーム状況もいい。

クーマンが今シーズン限りだとしても、公認は最大の理解者であるシャビが有力だ。

f:id:elken:20200930182926p:plain



憶測ではあるが、「あと一年に限らずその後もやっぱりバルサに残ろう」と考え直しているのではないか。

若手の台頭もありどれだけ高額な人件費に耐えられるかはわからないが、彼のクラブ愛が失われていないことを考えると、来季以降もブラウグラなのシャツに腕を通していてもおかしくはない。

 

確実に言えることは今季限りで契約は満了する。そして世界最高年俸の選手が更に契約を延長する場合、多大な困難が待ち構えているということ。

フリーで獲得可能ならば、シティは大幅に年俸を更新する額を出せる。

逆にバルサにその体力はない。

 

今シーズンの戦い、結果、そしてその後進む改革がメッシを引き止めるものになり得るか。

逆にバルセロナとしても、十分に若手が台頭してきているので、今度こそ丁度いい別れ時になるのか。

 

自分はつい一ヶ月前まで「シティでの挑戦が早く見たい」と考えていたし、バルサに愛想を尽かしつつあった。

一応クーマンや複数の新加入選手には期待していたが、まさかここまで上手く行くとまでは思っていなかった。

 

今季でメッシの役割が偽9番、ゼロトップ、フォルスヌエべ、false nineといろいろ呼び方はあるが、以前から自分が10番に期待していたそのポジションで再び地位を確立するのであれば、あと数年見てみたいという思いも芽生えつつある。

 

ほとんど完璧と言っていい形で、クーマンが多くのクレが見たかった事を叶えてくれている。

デンベレの再生、コーチーニョの再利用、アンス・ファティの積極起用、その他期待の若手多数。

 

ブスケツをもっと大胆にサブにして、グリーズマンの起用法を確立すればもう言うことなしだ。

バイエルンがコウチーニョを鍛えてくれてあっさり返してくれたことは、あの大敗があったとしても思わぬラッキーであったと言える。

 

グリーズマンの起用法が確立せずとも、トリンカオがこの一年で大きく成長するのでグリーズマン、もしくはデンベレを出してメッシの新契約代にあてるという「財テク」も考えられる。

 

扱いが難しいのはウムティティの将来、そして現地での人気が高いエリックガルシアの獲得だろうか。

クーマンはある素材でなんとかしている状態なので、意外とウムティティも不良債権状態から救い出せるかもしれない。

 

ワイナルドゥムとデパイとの交渉はまだ継続中だがほとんど終わったと見ていいし、残念なことでもない。逆にアヤックスからやってくるデストはセメドの代役かそれ以上となる公算が高く、地味に期待大。

 

そう考えると、わりと的確に進んでおりまさに雨降って地固まるという状態だ。

 

半ば強制的に進めなければならなくなった改革は順調で、正直なところ過去数シーズンではもっともワクワクする。

高齢の爺さん監督に従うふりをしているだけのベテラン既得利権選手団体になっていたチームが、クーマンという軍曹により目覚めつつある。

意外なことにバルベルデと前任二人との年齢差は大きくないが、若々しさは大きく違う。

 

スアレスについては残念でもっと別の退団の仕方もあったはずだが、これもある意味運良くスムースに進んだと言える。

ラリーガの競争力を落とさず、アトレティコにとっても的確な補強が簡単に進み、スアレス個人ファンとしても楽しみというおまけがついてくる。

 

少なくともユベントスに行き、「あの男」と仲良くしているよりはジエゴ・コスタと共にシメオネの指揮下で躍動している方が面白い。

スアレスはむしろメッシとの離れた方がもう一度暴れ回れる可能性すらある。

 

進化したコウチーニョが復帰し、アンス・ファティという神童もいると考えれば、一瞬ささやかれたリーガの危機は稀有だった。

 

当然あのクラブも黙っていないだろうし、2021年の退団を表明しているエムバペもいる。ライバル関係によってデンベレが刺激を受けてくれれば化けるのではないか。そうしてチームが活気付けばラウタロやハーランドあたりがバルサを選ぶことだってありえなくはない。

 

世界的に困難な状況下に置かれているが、破壊と創造は着々と進んでいる。サッカー界もその例外ではいられないようだ。