もうFIFAシリーズの次回作の話が出始める季節かという事に時の流れの速さを実感せずにはいられない。毎年のことながら「もう1年経ったのか」ということをFIFAの新作で実感する。9月29日に発売が決まったFIFA18はそのイメージキャラクターにクリスティアーノ・ロナウドを選んだ。
しばらくの間リオネル・メッシが続き、前回はユーザー投票の結果マルコ・ロイスに決まった。そして今回は前人未到のCL2連覇を成し遂げ今話題のクリスティアーノ・ロナウドがそのパッケージイメージキャラクターになることが発表された。
FIFAの歴史を調べたところロナウドがFIFAシリーズのパッケージになったことは初めてであり、FIFA09の時に少しあったものの正式に一番メジャーなパッケージを務める事はFIFA18が最初となる。意外なことにFIFAシリーズがこれだけC.ロナウドを前面に出すことは今回が最初である。
そしてそのパッケージがこちら。
見ての通り歴代屈指のスタイリッシュなデザインになっており「やはりロナウドはかっこいいな」と思わずにはいられない。正直今までと比べて最もかっこいいデザインであり、サッカーゲームをそれほどやったことがに人でも買ってみたいと購買意欲を掻き立てられるほどのかっこよさやスタイリッシュさがある。ゲームパッケージとしても非常にかっこよくやはりロナウドは見栄えがいい。
FIFAシリーズ自体既に世界的人気を誇るゲームだが今回は歴代最高の売り上げを叩きだしそうな程秀逸な仕上がりになっている。ゲームの売り上げはパッケージが左右する側面もありEAはこういったスタイリッシュなパッケージを作ることが非常に上手い。
プレースタイルの面では自分は圧倒的にメッシを推しているが正直な話こういったイメージのかっこよさではCR7のほうに分があるだろう。
なんだかんだでロナウドがいることはサッカー界の盛り上がりに貢献していると認めざるを得ない。むしろロナウドが他のスポーツをやっていたら人気がそちらのほうに集中していた可能性もあり、サッカー全体の利益を考えたときこれほどスタイリッシュなアスリートが存在することは競技の普及において大きな意味を持つ。
現にアメリカフォーブス誌の発表した「アスリート長者番付」では2年連続C.ロナウドが1位であり世界で最も稼ぐアスリートがサッカー選手であるということを支えているのはこのポルトガル人である。
何よりロナウドはセルフプロデュースやブランドイメージ作りが非常に上手く、「CR7」というブランドまで立ち上げて引退後は世界的なホテル経営を目論んでいるとも言われている。確実にアスリートを超えたアイコンであり、世界の流行の最先端を行く存在でもある。
残念ながらメッシはピッチ外でその領域にはなく、良くも悪くも永遠のサッカー少年なのだろう。プレースタイルの面ならばメッシの方が見ていて面白いプレーをするが、エンターティナーとしてはファッション、発言、事業、行動において話題性のあるロナウドが上回る。
そしてこれが公開されたFIFA18のトレーラー映像であり、もはやこれは現実のサッカーそのものという程のクオリティがある。こういったPV動画と実際のゲームの質は少し違う部分もあるが、それでも最近のFIFAシリーズのクオリティは素晴らしい。
ちなみにロナウドがFIFAシリーズに初登場したときはFIFA2000らしく、当時はまだこのようなグラフィックだった。
こんな誰かもわからないような無名のところから、単独イメージキャラクターにまで上り詰めたことだからロナウドの成り上がり方は別格である。
FIFAの進化もあるがロナウド自体の進化もこのグラフィックの変化の要因であり、現在もマイナーな選手はグラフィックが固有でないことが多い。今では有名な選手も数年前まで誰かよくわからないようなグラフィックになっているのがFIFAシリーズの恒例である。
ただやればやるほどグラフィック自体の見栄えはどうでもよくなってくるのもまた恒例であり、本当にEAが改善しなければならないのはその試合の質だろう。
「クロスを上げられたら終わるゲーム」
「意味不明なミドルシュートがなぜか突き刺さるゲーム」
「サイドの選手を走らせるゲーム」
「なぜか有名選手の足元にボールが吸い付くゲーム」
毎度のことながらこの繰り返しでしかない。
レアル・マドリードがCLを席巻した現在ではむしろそのスタイルがトレンドであり、FIFA18ではその傾向が強化される可能性さえある。
現実のサッカーがそうなっているのだからある意味FIFAはリアルなサッカーを再現しているともいえる。
そしてそんな文句を言い続けながらも結局やってしまうのがFIFAシリーズでもある。現実のサッカーと同じだ、醜い部分や嫌になる部分も多いが最高の喜びがある。そのわずかな喜びのために世界中の人々はFIFAというゲーム、そしてサッカーという競技そのものの虜になる。
毎度恒例のようにFIFAを買い、毎日プレーし、サッカーを見る。またいつものサッカーファンの1年が始まろうとしている。