elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

力士の体の鍛え方がサッカーにも応用できそう。相撲、武道は関節を重視している

サッカー界では悪名高いゲンダイ(笑)だけど、なかなかいい記事だった。最近プロ野球選手に怪我が多い理由について書いた記事だけども力士の鍛え方について書いてあって日本の伝統的な競技における筋肉のつけ方などが凄く参考になった。

ある意味相撲や武道というのは日本人が日本人向けにやってきた競技なので日本人の体の使い方を長い歴史の中で培ってきた歴史がある。それはひょっとしたら西洋から輸入された近代スポーツや科学トレーニングよりよっぽど有効な可能性もあるし、欧米人向けに作られた近代的トレーニングは日本人に向いていない可能性もある。それゆえに日本人選手は海外でフィジカル的に苦戦することが多い。それに無理に対抗しようとして欧米人みたいな筋力トレーニングをして劣化するというのは非常によく見かける光景。

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まずこの記事に書いてあった内容

「80年代に筋トレが本格的に導入されてからプロ野球の、特に打者はパワー重視になった。しかし体幹や股関節などの体の基礎機能を無視して筋肉のパワーを単体で上げようとしているからケガをする。筋肉の動きは前後、上下、左右の引っ張り合いなんです。こちらの筋肉を動かせば隣の筋肉が引っ張られて、とそれぞれが連動している。片方だけを鍛えても、結果としてトータルバランスが下がってしまうのです」

 

ここは重要だと思う。体の基礎を無視して単体で上げようとすると駄目らしい。一部の機能だけを求めてトレーニングしてしまうとバランスが崩壊してどこかに負荷がかかる。体幹や股関節という基礎機能をまずは大前提にして考えたうえでそれを整えてから鍛えたい部位を強化する必要があるらしい。

たとえばサッカーで単にシュート威力上げたいからふくらはぎ鍛えまくるとかはダメなんだと思う。単純にシュート威力を向上させようとしてもそこにまで至る能力が落ちてしまえばそもそもシュートにまで行けない。

香川真司もシュートが得意だったがマンチェスター・ユナイテッド時代に欧米人と同じようなトレーニングをして相手を抜けなくなりキレがなくなった。ネイマールや香川のような選手はある意味軸がしっかりしていないことで逆に自由自在に動けるので変に鍛えてしまうとかえって抜けなくなる。

 

「筋肉の動きは上下左右の引っ張り合い」という言葉は凄く大事なフレーズだと思う。筋肉は単にパワーを発揮するだけじゃなくて筋肉同士で引っ張り合っているという基礎認識が大事。筋肉がトータルで連動しているという考え方はトレニングプランを考える上で大事だと思う。

 

>筋トレでパワーはついた分、ケガも増えているのが現在のプロ野球なのだ。

野球でもとりあえず筋トレ、みたいなのが増えてるというのはよく聞く。

パワー重視の競技でも筋トレして以前のようなことができなくなったり怪我が増えたり。有名なのはイチローが筋トレアンチだったり、清原和博が筋トレして育成失敗したとか。サッカーでも上述のようにモイーズ筋トレさせられて香川真司が劣化した。

中田英寿は欧州挑戦以前から優れた筋トレをした成功例なので、個人差はあると思う。中田は「合気道のようなバランスをしていて倒れない」というのを見たこともある。

筋トレをすべて批判するのはもちろん間違いだけども筋トレをしすぎるのもやはり間違い。やはりそういう意味で日本人に合ったトレーニング方法を考えなければならない。欧米型の近代トレーニングを日本人がやったところで欧米人の劣化版にしかならない。それよりは何百年もの歴史がある日本古来のトレーニング方法に現状を解決する大きなヒントが隠されているのかもしれない。白人や黒人の近代型トレーニングというのは歴史があって研究されてるから上手く行ってるけども、まだ黄色人種のトレーニングというのは完全に確立されていない。そういう意味で古来の伝統にヒントを求めると大きな答えがあるかもしれない。

 

「稽古で腰割り、股割り、四股と股関節を徹底的に柔らかくしているからです。相撲はまず、あの体重を支える下半身をつくらなくてはいけませんからね。武道の稽古は総じて関節の使い方の効率がよい。大事なのはパワーではなく体の使いこなしという考え方があるからです。野球でもイチローは自分専用のトレーニングマシンで四股踏みに近い練習をしている。だから41歳という年齢でもケガが少ないのです」

大事なのは「股関節を徹底的に柔らかくしている」という事だと思う。

ここは教科書で言えばボールペンで線を引く場所

サッカーは足をとにかく動かすスポーツなので、股関節を柔らかくするというのはかなり大事だと思う。ロナウジーニョとかジダンは股関節やわらかいなぁと思う。徹底的に股関節を柔らかくして柔軟にさせればジダンロナウジーニョのようなボールタッチも可能かもしれない。とにかくサッカーというのは足を自由に動かせる選手が活躍する。そういう意味で足の付け根にあたる股関節は非常に大事。そこを徹底的にやわらかくすればものすごく有利になるし当然ながら怪我も減る。単にシュート力を上げるために鍛えるよりも股関節を柔らかくすることの方が武道やサッカーにおいて大事。

「大事なのはパワーではなく体の使いこなしという考え方」個人的にここは一番大事だと思う。ここは教科書で言えば蛍光ペンで引く場所

 

そして最近サッカーでは体幹トレーニングも重要視されている。非常に小柄な長友佑都セリエAで活躍できた要因には体幹トレーニングがあり今非常に注目されているし中田英寿も抜群に体幹が強かった。ただ筋肉を鍛えればサッカーで使えるボディバランスやストレングスが身につくのかと言ったらそうでもないと思う。体幹鍛えれば長友や中田になれますという程サッカーは単純な競技ではない。

前提としてはもちろんそれも正しいけど結局はボールとの連動や実戦での体の当て方、使い方が重要になってくる。サッカーというのはボールと一緒に動く競技という基本がある。ボールなしでいくらいい動きができてもボールがある時にぎこちなくなると何の意味もない。

体幹しっかりしていてボールコントロールが上手い選手>>体幹弱いけどボールコントロールは上手い選手>体幹しっかりしてるけどボールコントロール力の無い選手

つまり体幹鍛えればいいわけでもないし、ボールコントロールだけ鍛えればいいわけでもない。その融合が大事でボールコントロールをすることに役立つ体幹の鍛え方が重要になってくる。「筋肉は体の動き全体の連動」とこの記事内でも書かれていたけども、サッカーはそこからさらに発展して「ボールと一体になった筋肉全体の連動」になる。キャプテン翼の「ボールは友達」理論に近いけども、ある意味サッカーボールというのを体の一部にできると凄くドリブルやキープが上手くなる。ボールは友達どころか「ボールは体の一部」という考え方が必要。

実際メッシやイニエスタのような上手い選手を見てもサッカーボールが彼らの体のパーツの一部になってる。結局はそういう部分のテクニックと連動した上での話なので、とりあえず鍛えれば何とかなるというのも間違いなのかなと思う。そこに更に日本人向けに日本人が作り上げてきた古来の武道や相撲の関節重視の鍛え方を取り入れていけば日本人はサッカーで活躍できるようになるかもしれない。