elken’s blog

ジャニーズとサッカーを中心にあらゆることを評論するブログ

セルヒオ・ブスケツは世界最高のアンカーと言えるだろうか

サッカーで最も上手い選手とは最もシンプルにプレーすることだと言われている。

そのプレースタイルを現代サッカーにおいて最高のレベルで体現する選手はバルセロナとスペイン代表でアンカーとして活躍するセルヒオ・ブスケツではないだろうか。

 

そのスタイルはまさにシンプルの極致を極めたような領域に達している。

バルセロナやスペイン代表のワンタッチで華麗にパスをさばく戦術の中でも際立って一回のボールタッチにかける時間が少ないのがブスケツだ。

アンドレス・イニエスタやシャビ・エルナンデス、セスク・ファブレガス、ダビド・シルバ以上に一回のプレーにおける時間が短く派手な足技や妙技を披露することはほとんどない。

スペイン語ではピボーテと呼ばれるポジションにおいて最も理想的なプレーを実行していると言っても過言ではないだろう。

 

ジョゼップ・グアルディオラに見いだされバルサ黄金期を中核の選手として支えながらも決して目立つことは無い。

むしろボールタッチが多いはずのこのポジションにおいて目立たないという事は優秀さの証明ですらある。

一見するとブスケツが台頭してきた初期の頃にバルセロナに在籍していたヤヤ・トゥーレの方がこのポジションでは華やかな選手のように見えるが結局ブスケツの天才的才能の前にポジションを失い、マスチェラーノのような守備的ミッドフィルダーを生業とする選手もセンターバックへのコンバートを余儀なくされた。

まさにバルセロナにとって最も替えが効かない不動の選手である。多くの場合バルサの攻撃はブスケツを経由する。

 

かつて現代フットボールの礎を築いたヨハン・クライフはワンタッチのプレーこそ思考であると説いた。その育成哲学を注ぎ込まれたセルヒオ・ブスケツはまさにワンタッチプレーの職人と言っても過言ではない。

 

最初バルセロナの試合を見たとき決してブスケツのプレーは重要な役割を果たしているように見えないが、真に重要な選手はその重要性を隠すことができる。シャビ・エルナンデスのような生粋のゲームメーカーのように見えることもないが実は本当の基礎のシンプルな部分からその屋台骨を築き上げている。

 

本当に巧い選手はボールを受ける前に全てを読みつくしておりボールを持ってから考えることが無い。

全てを分かり切っているがゆえに一切無駄なことをする必要が無いのだ。

 

最も目立たないプレーをするという意味ではペップバルサ時代がその最高峰のレベルにあった。現在監督が代わりかつてほどポゼッション至高ではなくなっているバルサにおいては時間をかけるプレーが増えているが、グアルディオラ体制下では今以上にワンタッチのプレーが多かった。

ポジショニング先の予測があまりにも的確であるためすべてがシンプルにこなせてしまうところに真のブスケツの凄さがある。ボールを貰う前の判断で全ては決まっていると言っても過言ではない。

セルヒオ・ブスケツ

しかしそんなセルヒオ・ブスケツが時折ルーレットのようを足技を披露することもある。能ある鷹は爪を隠すという言葉通り本当に必要な時に的確に魅せるプレーは成功率が高く見る者をファンタジーへといざなう。

普段シンプルにプレーしているため気付きにくいが、いざという時は実に華麗なプレーを見せるのもブスケツの魅力だ。

 

おそらくジネディーヌ・ジダンが現代サッカーにおいてプレーしていたらブスケツのような選手になっていたのではないだろうかと推測する。

中田英寿との対談においてジダンが「現在はフィジカルのインテンシティが自身が現役だったころに比べて高まっている」と語っていたのを聞いたことがある。かつてアンドレア・ピルロがトップ下からレジスタにコンバートされたように、現代にジダンがいたらブスケツのようなプレーをしていたのではないか。

 

それほどに現在のブスケツからはジダンのような雰囲気を感じることがある。

仮にジダンがかつてのオフェンシブなポジションではなく、いわゆるアンカーのポジションとしてプレーを極めていたらセルヒオ・ブスケツのような選手になっていたかもしれない。逆に表現するのであれば世代をさかのぼった場合、ブスケツはジダンのようなプレーをしていた可能性があるとも言える。

 

またバルセロナ歴代イレブンを中村憲剛がテレビの企画で選出した際にどうしてもジョゼップ・グアルディオラと共存させるためにブスケツをセンターバックで起用するアイデアを出していた。

もはやバルセロナのレジェンドに匹敵するレベルにあり、これからもバルサの歴史において語られる選手であることは間違いない。

中村憲剛といえばそれ以外の場面でも度々ブスケツを絶賛しており、深いサッカー観や戦術眼を持つ選手から憧憬の眼差しと賞賛を一身に集めるその姿を見ればブスケツは現代サッカー最高のアンカーであると表現しても決して過言ではないだろう。

 

セルヒオ・ブスケツを賞賛している人が必ずと言っていいほど使う表現は「頭が良い選手」という言葉だ。確かにこの選手が出場しているバルセロナやスペイン代表の試合を見れば見るほど以前は気づかなかった凄さが見えてくる。

スペシャルなことをしているのに特別なことをしているように見えない、それでいて時折華やかなプレーも見せる。その一瞬に彼の神髄が現れたときというのはありきたりな表現だが美しいという言葉が似合う。

 

一切無駄がない最適解を常に完璧な判断で行うことができる上にエゴを押しだすことが無いという意味では真っ先にチームづくりの中核として獲得したいと世界中の監督が考えているだろう。

サッカーにおける究極の上手さとは最もシンプルな事である。

実行することが簡単そうでなかなか出来ない、それを当たり前に淡々と行うセルヒオ・ブスケツはまさに世界最高のピボーテとして今後も中盤の底に君臨し続けるだろう。

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