elken’s blog

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ASモナコVSドルトムント 2ndleg感想 まさかのドルトムント敗退決定

UEFAチャンピオンズリーグのベスト4をかけたASモナコVSドルトムントの試合が行われた。第一戦ホームのドルトムント相手に3-2でモナコが勝利し第二戦でホーム側になるASモナコ側が圧倒的に有利だと目されていた。

しかし時計の針を元に戻して第一戦が行われる前だとすればこの試合結果の予想はできただろうか。多くの人がボルシア・ドルトムント有利で突破を決めるのではないかと思われていた。しかしサッカーにはアクシデントがつきものだ。先日ドルトムントの選手を乗せたチームバスがテロの攻撃対象になったニュースは全世界を駆け巡りドルトムント所属のマルク・バルトラが負傷を負っている。

 

その中で試合は延長されたものの翌日に行われそのメンタル状況を引きずったまま試合は行われドルトムント側はホームでアウェーゴールを3ゴールも獲られることになってしまった。またこのドルトムントの失点もオフサイドの誤審を含め普段はこんな失点はしないというような理不尽に近い失点であり前日のテロから立て直せない形での惜しい敗戦となってしまった。

ASモナコ ドルトムント

そして今回第二戦が行われドルトムントにはいわば「奇跡の逆転」と言えるものが必要だった。チャンピオンズリーグの舞台ではしばしばそういった奇跡が起きる。ドルトムントにはその奇跡の実現が求められていた。

しかしその2ndlegの試合は3-1というASモナコ側の圧勝に終わる。

まず開始早々に1ゴール目を取られたことが流れを決定づけてしまった。新星ムバッペが最後はゴールを押し込み最近若手選手の間で流行りの独自のゴールパフォーマンスを決める。

その一方でドルトムント側はウスマン・デンベレの突破力によってマルコ・ロイスがワンタッチでゴールを奪い、昨今のアフリカ系に出自を持つフランス代表若手選手の才能の片鱗を互いに見せつけ合っていた。

この試合デンベレ「周りが見えておらず視野が狭い」と批判されておりまだ才能が荒削りであることも同時に露呈している。荒削りの才能がこれから開花するのかはまだ未知数であり、今の所勢いのある若手というイメージだ。

 

デンベレ、ムバッペ共に10代の選手でありフランス代表は今若手に恵まれているという印象も感じる。ムバッペの場合カメルーン代表の選択もできたがデンベレの場合モーリタニア代表しかなくそれならばワールドカップ出場の可能性が高いフランス代表を選ぶだろう。オーバメヤンのようにアフリカの弱小国の代表を選択する方がむしろ稀でありフランス側としても旧植民地の選手を起用して自国の代表を強化できるという側面がある。

ドログバヤヤ・トゥーレのレベルになるとコートジボワールという国もアフリカで地位を築いており母国を選択することができるが、モーリタニアのような国ではフランス代表を選ぶことも優先的な選択肢になる。カメルーン代表も昨今はかつてのアフリカ強豪国の地位を失い、前時代的な連盟はチーム内の内紛を露呈しているためムバッペのような有力な若手がわざわざアフリカのチームを選ぶことはないだろう。選手としての移動の負担を考えたときにもやはり欧州に拠点を置く代表チームのほうに利点がある。有力な若手が宗主国である先進国の代表を選ぶ流れはこれからも続くであろう。

 

またこの試合コロンビア代表ラダメル・ファルカオもまた南米屈指のストライカーであることを証明している。

ファルカオマンチェスター・ユナイテッドチェルシーの時代は黒歴史、いいね?」というぐらいに今ASモナコで本来の才能を開花させておりマンチェスター・シティ戦などでもその実力を証明している。

アトレティコ・マドリードポルト時代を知っている者ならばファルカオの実力に疑問の余地などなかったのである。エル・ティグレことファルカオは今その本来の才能を再び示しており間違いなく南米でベストなフォワードの1人だ。メッシ、ロナウドに並びラ・リーガ第三のフォワードとして扱われ、FIFAシリーズで総合能力値が90を超えていた時代の姿がようやく戻ってきた。ブラジルワールドカップ前の負傷やプレミアリーグ移籍という悲劇を乗り越え今全盛期の姿を取り戻しつつある。

 

そして何よりもASモナコというクラブ自体がその価値と実力を高めつつある。もはや「欧州の強豪」という認識をして間違いではないだろう。数シーズン前にアーセナルを敗退に追い込んだ時はサプライズだと思われていたが今はそうではない。もはや欧州の強豪として完全に地位を確立している。今回の2016-2017シーズンのチャンピオンズリーグでもマンチェスター・シティボルシア・ドルトムントを打ち破ってベスト4にまで進出している。決して組み合わせの有利やまぐれではなく実力で強豪クラブを打ち破り上位進出を決めている。

 

その理由は有力な若手がモナコにいけばメガクラブに行ける」と続々と集まってくることにあるだろう。

「うちの進学校は東大に行く子が多い」となればその進学校には優秀な生徒は集まる。そして集まった優秀な生徒によって実績が更に確立されますます優秀な生徒が集まるという好循環が存在する。まさにサッカー界における欧州の有名進学校になってるのがASモナコだ。

レアル・マドリードに在籍するハメス・ロドリゲスASモナコ出身でありブラジルワールドカップ前は「活躍すればレアル・マドリードに移籍できる」と打診されていたと現地メディアで語っている。

レアル・マドリード行きを志望しているオーバメヤンではなくキリアン・ムバッペのほうがもしかしたらメガクラブ行きを実現できるかもしれない。この試合はドルトムントよりモナコの方が若手選手にとってキャリアアップのチームになるということを示したと言えるのではないか。オーバメヤンは27歳でありそれほど若手とは言えず、18歳でありながら今季のチャンピオンズリーグで複数ゴールを決めている新星は今ASモナコが優秀な若手の宝庫であることを証明している。

 

若手選手を主体とした育成クラブとして台頭している似たクラブとして対決した両者だったが今回モナコに軍配が上がった。正直に言えば「まさかのドルトムント敗退」であり自分自身もドルトムントの勝ち上がりを予想していた。

正直に言えばモナコを過小評価していたともいえる。

そそも今季はフランスリーグにおいてパリ・サンジェルマンとも拮抗していおり、少し前まではモナコが独走していた。今季少なくともUCLではベスト4以上、そしてリーグアンも優勝する可能性がある。今着実にこのクラブは実力を伸ばしつつあり欧州サッカー界における一つのビジネスモデルを築きつつある。今後は更にこのクラブの勢いが増すだろう。欧州で新しいトレンドを証明し台頭するこのクラブに注目せずにはいられない日々がこれからしばらく続きそうである。

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