ついにネイマールのPSG移籍が決まってしまった。
チームメイトに別れを告げ、リオネル・メッシも自身のインスタグラムで正式に惜別の言葉を綴った。
「友よ、この数年間は最高だった。新たなステージで頑張ってくれ、また会おう」
サッカーの面で最高にフィーリングが合う存在だっただけにメッシもこの別れに悲しみを隠すこととができていない。
ブラジル代表のエースとアルゼンチン代表のエースが織りなしたコンビネーションはサッカーの歴史に刻まれるほど華麗でありファンタジーに溢れていた。その後やってくるウルグアイ代表のエースが更にそのクオリティを次の段階に高め史上最高のトリデンテが誕生した。
MSNトリオと言われた南米のエースたちの集まりは見る者を魅了した。しかしもうその甘美な時間は二度と味わうことができない物になる。メッシの全盛期に南米のクラックが揃ったことはまさに奇跡のような組み合わせだったと言っても過言ではない。
もうこれ以上のスリートップは今後存在しえないだろうという程完成度、得点力、そしてファンタジーの面で完璧だった。
メッシ「なぜ出ていくんだい?バルサは最高のチームじゃないか」
それにしても今回の移籍金はあまりにも異常過ぎる。
ついに100億代に達してインフレが起こっていると思ったらなんと日本円にして約290億円、いくらサッカーに関連するマネーが高騰していると言ってももはやこれは狂気だ。
ネイマールjr「狂気の沙汰ほど面白い」
100億超えたと言っていたらもうすぐ300億を超えそうな領域にあるのだからもはや理解の範囲を超えている。
少し前にリオネル・メッシの移籍金が200億越えだと推定されていたが、それは決して起こり得ないものだとの見方をされていた。しかしネイマール・ジュニオールの移籍は本当に実現した。もはやサッカー史に残る最大の移籍でありサッカーの記録ではなく移籍金の記録で歴史に名を残すあたりがネイマール親子らしい。
バルセロニスタ「バロンドールやワールドカップが獲れなくても移籍金記録は作れたから幸せなんだろうな、おめでとう」
ブッフォン「最近の移籍市場はもはや詐欺」
シャビ「マネーゲームはアンチフットボール」
ピケ「タイトルよりお金を選んで食う飯は美味いか?」
モウリーニョ「俺が熱心にユナイテッドに誘ったときは応じなかったのにパリには行くのか」
これからサッカーの世界では移籍金(違約金)が200億越えが当たり前のことになっていくのだろうか。新興国リーグとの競争や多額の資金を味方に付けたチームの台頭も加わり現代サッカーを取り巻くマネーは年々巨大化している。
これらの要因はもはやクラブの歴史や格、チームの実力に問われない新たな移籍を生み出し続けるだろう。もはやスペインリーグの二大巨頭にスター選手が集まる銀河系の時代は終わりを告げるだろう。
レアル・マドリードやバルセロナですら世界的スター選手を長期間チームの一員にすることは難しくなっている。
しかし良い捉え方をするならば戦力が分散していると言うこともできる。
バルセロナ:リオネル・メッシ
レアル・マドリード:クリスティアーノ・ロナウド
パリ・サンジェルマン:ネイマール
バイエルン・ミュンヘン:ハメス・ロドリゲス
ユヴェントス:ディバラ
マンチェスター・ユナイテッド:ポール・ポグバ
スター選手がそれぞれに分散する時代になり、今までのようにスペイン二強に集中していた選手が様々なチームで象徴的なエースとなっていく時代が来る。もはやバルセロナとレアル・マドリードが選手としてのゴールになる時代ではなくなりつつある、その最大の実例がまさに今回のネイマールのPSG移籍なのだろう。
このネイマールの衝撃的な移籍によって訪れるヨーロッパサッカー新時代は何をもたらすのだろうか。スペイン二強時代が本当に終焉し、パリ・サンジェルマンの時代が訪れるのかそれともネイマールを擁してでもPSGはUEFAチャンピオンズリーグのタイトルに手が届かないのか。
またこの移籍によってFCバルセロナが手にする資金で新たな補強は間違いなく行われるだろう。もしかしたらバルサのヒエラルキーが以前の状態に戻り、新しい補強によってチーム全体は上向き再びバルセロナの時代が訪れる可能性もある。
バルセロニスタが期待していることはまさにそのことであり、ネイマールはいわば諸刃の刃でもあった。
ネイマールがいることにチームの戦術は見失われ、財政は圧迫され、いつ移籍するかわからない不安にも苛まれていた。これできっぱりと別れることができるならばバルセロナはここから新時代へと邁進していくことができる。
ネイマール「バルサが求めていたのは所詮メッシのいい弟だったのさ。ヒエラルキーを崩さない範囲でメッシのために頑張ってくれというのが本音。懸命に結果を出しも、良い扱いを希望しただけで傲慢な選手扱い・・・それがバルサだった。」
そんなことを後の自伝で語りそうだ、パリ・サンジェルマンで少し前までエースだったあのポニーテールの男のようにバルサへの不満を後出して語るだろう。
今回の移籍はむしろバルセロナとしてもネイマールとしてもお互い幸せな決断なのかもしれない。バルセロナ側も正直扱いに困っていたところがありサポーターの意見も割れていた。
更にネイマールは才能に見合った評価をしてほしいと思っており自分が絶対的なエースになりたいと考えている。
サッカー面での相性は良かったが長期的には求めているものが違った。
バルセロニスタには多少複雑な感情はありルイス・フィーゴの再来とも言われているが、懐かしい事や楽しかったことも多い。
何だかんだで嫌いになることはできないのがネイマールだ。
必ずしもバルサにとってマイナス要因しかない移籍ではなく、ポジティブなことも多々あるため今回の移籍に関しては新天地で頑張ってほしいなという感情のほうが強い。
PSGで真のエースになったときネイマールがどこまで真価を発揮できるかというのは楽しみでもある。CLで南米の両雄が激突したときにどうなるかも期待したいところだ。
ネイマールjr、甘美な日々をオブリガード、ありがとう。
君の輝かしい未来に期待してるよ。
バルセロニスタ本音「くぅ~この290億でどんな補強してくれるか楽しみだぜ。まぁせいぜい誰も見てないリーグで頑張ってくれ。」